B.LEAGUEだからこそできる復興支援の形
8月24日、熊本地震で被害に遭われた方々への支援を目的とした、『がんばるばい熊本 B.LEAGUEチャリティーマッチ』が東京・代々木第二体育館で行われた。
文・写真◎鈴木栄一
B.LEAGUEは、一流のスポーツエンターテインメントを提供し、バスケットボールという競技が、日本を代表するアリーナスポーツになることを目指している。そして、ビジネス面での成功と同じく重要視しているのが、地域に根差し、積極的に社会貢献を行っていくことである。だからこそ、今回の復興支援チャリティーマッチは、B.LEAGUEとしてやるべきことをしっかりやるという自然な流れでの開催となった。
当日は、平日にも関わらず試合開始の1時間半前から長い行列ができるほど、熱心なファンが多く詰めかけた。そして、試合前には出場選手たちが入り口付近に並んで募金活動を実施。また、実際に試合で使用したサイン入りのユニフォームのオークションも行われ、この日だけで計669,790円が集まった。この金額は、日本財団に支援金として寄付されている。
また、今回はB.LEAGUEによる初の主催ゲームで、観客の皆さんにより快適な試合観戦をしていただくための試みも行われた。例えば専用アプリをダウンロードすればスマートフォンで購入から発券、そして入場チェックまでを全てペーパーレスで済ませることが可能な『B.LEAGUEスマホチケット』 (http://sp.bleague-ticket.jp/app/)を今回の試合から導入。チケット購入画面を入場口でスタッフに提示すると、スタンプを画面に押してくれ、確認済みの印が表示される仕組みとなっている。このサービスを使って購入したチケットは、メール、LINEなどで友人に渡すことも可能なので、別々に入場して会場内で合流することもできる。
また、B.LEAGUEの様々なグッズが会場の特設ブースで販売され、多くのファンが訪れていた。今回のチャリティーマッチ特製ロゴの入ったタオルを始め、B.LEAGUEロゴが大きくプリントされた定番のTシャツから、ソックス、リストバンド、スパッツ、アームバンドといった、身につけるものが多く並んでいた。他にもトートバック、キーホルダー、カードケース、マグカップ、文房具など様々なグッズが用意されているのも特徴だ。これらのグッズは、9月22日、23日のB.LEAGUE開幕戦の会場以外にも、大手生活雑貨販売店である、ロフトの全国主要28店舗にて随時開設予定の、ポップアップショップで販売される。
※ロフト店舗は一部アイテムの取り扱いとなります。
https://www.bleague.jp/news/11192.html
九州出身選手によって構成された九州選抜とB.LEAGUE選抜で行われた試合は、第2Qに突き放したB.LEAGUE選抜が二桁のリードを奪って前半を終了。しかし、後半に入ると九州選抜が一気に追い上げ、試合は一進一退の攻防となる。そして第4Q残り5分頃から、九州選抜の一員として熊本の人気ゆるキャラである『くまモン』が登場。惜しくも得点を挙げることはできなかったが、攻守に奮闘する姿で会場を大きく沸かせた。
そして試合は、2点を追う九州選抜が比江島慎(シーホース三河)による試合終了間際のブーザービーターが決まり、81対81と土壇場で追いつき延長戦に突入。だが、延長戦に入るとB.LEAGUE選抜が要所でフリースローを確実に沈めるなど、結果は94対90でB.LEAGUE選抜が勝利した。親善試合ではなかなか見ることのできない、最後までもつれる白熱した試合内容となった。
試合後、地震で大きな被害を受けた、熊本県益城町をホームタウンとしている熊本ヴォルターズの小林慎太郎は、「(被災された方の)活力となるようなプレーをしていきたい」とコメント。そして、他の参加した選手たちも被災者の方を勇気づけられるプレーを見せ、これからも今回のような支援活動に関わっていきたいと続けた。
また、今回の復興支援チャリティーマッチは、シーズン開幕前に各チームの選手たちが集まってプレーをするめったにない機会で、互いによい刺激を受けあったようだった。そして来るべくシーズン開幕に向けて意気込みを語ってくれた。
・志村雄彦(仙台89ERS)
「今までbjリーグとNBLで対戦したことのない、僕からしたらテレビで見ていた選手とプレーできたのは楽しかったです。そしてシーズンに入って彼らと対戦できることにワクワクしていますし、自分がどこまでパフォーマンスを発揮できるのか、とても楽しみです」
・比江島
「元bjリーグの方と一緒にプレーするのは初めてでしたが、こういった試合の盛り上げ方、エンターテイナーとしての部分は見習らなければいけないと思いました。これからの対戦を楽しみにしていますし、アウェーゲームでの応援を感じながらプレーしていきたいです」
・小林
「即席チームということで最初はなかなかプレーも合っていなかったですが、やはり一流選手の集まりで、時間が経つごとに見ている方々が引き込まれるプレーが出てきてさすがだと思いました。そして、それぞれに各選手のらしさが垣間見えるプレーが出ていたので、B.LEAGUEでもそれを出して頑張っていきたいと思います」
今回、観客を魅了した各選手たちのプレーは、これから各チームの会場で繰り広げられる。ファンの皆さんにはあと1ヶ月をきったシーズン開幕を心待ちにしてもらいたい。