2025.03.16
琉球ゴールデンキングスが賜杯奪取、3度目の決勝で日本一に!
ディフェンスで流れを掴んだ琉球
第100回天皇杯全日本バスケットボール選手権大会ファイナルが、3月15日、国立代々木競技場 第一体育館(東京)で行われた。3年連続のファイナル進出で、初優勝を狙う琉球ゴールデンキングスと前身のトヨタ自動車時代の2012年以来となる優勝を目指すアルバルク東京の顔合わせ。両者ともに激しいディフェンスを繰り広げた戦いは、リバウンドを制した琉球が60-49で勝利。天皇杯初優勝を遂げた。
代々木第一での同カードといえば、2016年のBリーグ初年度開幕戦が思い出される。その記念すべきゲームでは80-75でA東京が勝利を収めている。両チームのBリーグでの今シーズンは1勝1敗。2016年以来のBリーグでの通算成績も13勝13敗と五分の戦績だった。
試合は序盤から激しい戦いとなったが、琉球の#53アレックス・カークがディフェンスではブロックで相手のシュートを封じ、攻めては3Pシュートを決めるなど存在感を発揮。インサイドでパワフルなプレーを見せる#45ジャック・クーリーと共にスターターとして起用され、その期待に応える働きぶりを見せた。一方、琉球ディフェンスを攻めあぐむA東京は、ベンチスタートになった#9安藤周人が1Q終盤に得意の3Pシュートを決めると、2Qにはさらに2本の3Pシュートで琉球を追撃する。しかし、要所でオフェンスリバウンドを奪い、セカンドチャンスをモノにした琉球が31-24と7点リードを奪い前半を終えた。

後半に入り、ディフェンスの強度を増したA東京は#11セバスチャン・サイズの得点を皮切りに4連続得点を挙げて2点差まで詰め寄る。しかし、ここで踏みとどまった琉球は3Q終了間際に#4ヴィック・ローが深い位置から3Pシュート沈め46-36とその差を10点に広げた。
琉球はその差をキープしたまま試合が進めるが、A東京は#75小酒部泰暉、#23レオナルド・メインデルが3Pシュートを沈めるなど徐々に追い上げると、残り2分を切ったところで#3テーブス海が琉球ディフェンスのスキをついてドライブを決め、49-53と4点差まで詰め寄った。しかし、ここで粘りを見せたのが琉球。#4ローのシュートが外れたルーズボールを、#53カークがコート外に飛び出しながら、「祥太のフェイスマスクが目に入った」とコーナーの#34小野寺祥太にパス。ボールを受けた#34小野寺が放った3Pシュートがゴールネットを揺らす。さらに。#14岸本隆一が強気のドライブを決めて、A東京に引導を渡した。

「タフなゲームでしたが、自分たちのやるべきことをやり続けて、風が吹いたときに自分たちのリズムになると念じていました。こうしたゲームで、(3Qの#4)ヴィツクの3Pだったり、(4Qの#34小笠原)祥太のコーナーの3Pだったり、ああしたビッグショット、あんなシュート入るのといったシュートが入るチームが勝つことができるのだと思います」と桶谷大HC。2016年のBリーグ開幕戦での敗戦を唯一知る#14岸本は「沖縄一丸で勝ち切ることができました」と感慨深げに口にした。100回の記念大会にして初めて、天皇杯が沖縄にもたらされた。

優勝:琉球ゴールデンキングス
準優勝:アルバルク東京
大会MVP:ジャック・クーリー(琉球#45)
大会ベスト5: 脇 真大(琉球#18)
ジャック・クーリー(琉球#45)
アレックス・カーク(琉球#53)
テーブス 海(A東京#3)
安藤 周人(A東京#9)
記事提供:月刊バスケットボール