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2025.03.10

広島、EASL王者に!残り21.9秒、エバンスの逆転弾と渡部の劇的スティールで頂点掴む

  • 月刊バスケットボール

広島がEASL 2024-25シーズンのチャンピオンに 


マカオ特別行政区のスタジオシティで開催されたEASL 2024-25 Final 4。3月9日、広島ドラゴンフライズ(グループA1位)と桃園パウイアンパイロッツ(グループA2位)が決勝で対戦した。広島が51-49の2点リードで迎えた4Q、桃園の反撃を受けて残り1分強に逆転を許したものの、#13ドウェイン・エバンスのシュートで再逆転。72-68で勝利し、優勝賞金100万USドルを獲得した。Bリーグ勢としては、昨年の千葉ジェッツに続いての優勝となる。

広島は準決勝でニュータイペイキングス(グループB2位)と対戦。1点ビハインドで迎えた3Qに、ビッグマン2人がファウルアウトしたものの、スモールラインナップで流れをつかみ81-65で勝利して決勝進出を決めた。一方、桃園は琉球ゴールデンキングス(グループB1位)に対して4Q一度逆転を許したが、再びリードを握って71-64で勝利した。グループステージでの対戦は、12月25日のアウェーゲームで84-73、1月22日にエフピコアリーナふくやまで行われたホームゲームで95-92と広島が連勝している。

広島のスターターは、準決勝と同じ#12中村拓人、#30山崎稜、#13エバンス、#34三谷桂司朗、#8ケリー・ブラックシアー・ジュニア。開始からパスがよく回ると、最初のシュートで#12中村が3Pシュートを成功。さらに#13エバンスがフリースロー、レイアップで追加点を挙げる。一方、ディフェンスでは桃園に速い展開を作らせない。立ち上がりから良いリズムでプレーすると残り3分35秒、#0寺嶋良のレイアップで14-4と2桁差にした。
対する桃園は昨季のリーグMVP、#69ルー・ジュンシャンが連続失点を止めると、#6グァン・ダーヨウが速攻から3ポイントプレーを決めるなど流れを掴む。一旦追いつかれた広島だったが、#0寺嶋の3Pシュートも飛び出し19-18で1Qを終えた。



2Q序盤は互いにディフェンスが目立つ展開となり、一進一退の攻防が繰り広げられた。残り7分を切ったところ、広島#30山崎のアンスポーツマンライクファウルから#69ルーが連続得点。桃園に19-24と逆転を許した。2Qに入り無得点だった広島は、残り5分53秒、合わせのプレーから#8ブラックシアー・ジュニアがクォーター初得点。すると、#10上澤俊喜がピックプレーから3Pシュート、#13エバンスのフリースロー、#12中村のスティールから#8ブラックシアー・ジュニアのダンクなど3分強で13-0のランを作って32-24と再びリードを作った。このあと桃園の#69ルー、#24トレベオン・グラハムに得点を許したものの、35-29でハーフタイムを迎えた。
広島は前半を終えて、#8ブラックシアー・ジュニアが11得点、#13エバンスが8得点、#0寺嶋が7得点とオフェンスをけん引。リバウンドは28-20と桃園を上回った。朝山正悟HCはハーフタイム中のインタビューで「前半は自分たちが中々オフェンスでリズムを作れなかったが、ディフェンスで我慢できていた。後半も間違いなくディフェンス勝負になる。良いセレクトのシュートは思い切って打ち続けるだけだし、もう1回0-0から開始のつもりで、出だしからやり抜きたい」と語った。

その3Q、広島はシュートにしっかりコンテストすると、リバウンドでも優位に立って簡単に得点させない。すると#12中村、#13エバンスのフィールドゴールに続いて#34三谷のコーナー3Pシュート、#8ブラックシアー・ジュニアのシュートで得点を重ね、44-31と2桁リードを作った。ところが、その後はターンオーバーが続いて相手の流れとなる。ここで桃園の#12リー・ジャカンに3Pシュートと3ポイントプレーを連続して決められると、#69ルーにも3Pシュートを決められ、桃園が3点リードの展開に。苦しい時間が続いた広島は残り1分、#10上澤のフリースローで久しぶりの得点を挙げると、#13エバンスが3Pシュートを成功。51-49と再逆転して3Qを終えた。



4Q最初のプレーで広島は#10上澤が3Pシュートを決める。ここからは点の取り合いに。広島は#15河田チリジ、#12中村の2Pシュートに続いて、#34三谷が3Pシュートを成功するが、桃園は#1ディエン・アンディ、#69ルーの2Pシュート、#24グラハムの3Pシュートで追加点。残り5分で63-58とリードしたが、このあと桃園の#6クァン、#30パイに連続得点を許して同点に追いつかれた。再び引き離したい広島は#12中村のドライブに#34三谷が合わせてバスケットカウント。さらに#13エバンスがリバウンドから決めて残り3分4秒で67-68としたが、桃園も諦めない。#24グラハムがこの試合4本目の3Pシュートを成功させると、残り1分18秒にも左ショートコーナーから決めて桃園が68-67と逆転した。ここでタイムアウトを取った広島は#8ブラックシアー・ジュニアのアイソレーションプレーを選択したが、得点につながらない。それでも広島は残り21.9秒に、インバウンズプレーから#13エバンスが得点。69-68と逆転した。

続く桃園のオフェンスは、エース#69ルーがボールを持ったが、広島は好守を披露してショットクロック・バイオレーションを引き出すと、広島は#13エバンスがフリースロー1本を決めて2点差となる。残り10秒からの桃園の最後のオフェンスは、再び#69ルーにボールを託したが、ここで広島#21渡部が値千金のスティール。そのままレイアップを決めて試合を締めて72-68で勝利。EASL2024-25シーズン王者となり、有終の美を飾った。



18得点、11リバウンドとダブルダブルを記録し、MVPに選ばれた#13エバンスはオンコートインタビューで「このチームをとても誇りに思う。とても良い気分だよ。故障に悩まされた大会だったし、浮き沈みもあった。でも、みんなでハードにプレーして優勝することができた。最高の気分だし、我々は素晴らしいチームだよ。ここには努力を惜しまない選手、犠牲を払ってくれる選手がいる。だから、この結果につながったんだ」と喜びを噛み締めて語った。広島はまた#81ブラックシアー・ジュニアが13得点(15リバウンド)、#34三谷が10得点と3人が2得点をマークしている。

協力:Bリーグ