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2025.02.24

優勝は名古屋D U18を下したビクトリア州選抜 U18!「インフロニア Bリーグ U18 INTERNATIONAL CUP 2025」

  • 月刊バスケットボール
過去最多の8チームが集結した「インフロニア Bリーグ U18 インターナショナルカップ 2025」。224日に大会最終日を迎え、国立代々木競技場 第二体育館で決勝および順位決定戦が行われた。
 
今年はドイツのSKYLINERS U18、オーストラリアのビクトリア州選抜 U18といった海外勢に加え、高校の部活動として美濃加茂高等学校が初参戦した。3日間にわたる熾烈な戦いを制したのは、決勝で名古屋ダイヤモンドドルフィンズ U1885-63で下したビクトリア州選抜 U18。また、3位以下は、Bリーグ U18選抜、美濃加茂、SKYLINERS U18、琉球ゴールデンキングス U18、千葉ジェッツ U18、サンロッカーズ渋谷 U18という順になった。

7位、5位、3位決定戦も白熱の試合に

まず行われた7位決定戦では、SR渋谷 U18と千葉J U18が大会初勝利を懸けて対戦した。両チームは昨年12月の「インフロニア Bリーグ U18 エリートリーグ 2024」でも対戦し、その際はオーバータイムの末、千葉J U1883-72で勝利している。SR渋谷 U18にとってはリベンジマッチ。今大会を最後に勇退する森茂達雄ヘッドコーチのもと、序盤から気迫あふれるプレーを展開した。#10棚橋康成や#13井伊拓海のシュートで1Q21-16とすると、2Qも速攻を生かしてリードを維持する。

しかし千葉J U18も、「タイムアウトで『相手どうこうより自分たちのバスケットを貫こう』とみんなで確認しました」(#30小倉貴志)と、立て直しを図った。#18クーリバリセリンムル タラが攻め気を見せて流れを引き寄せ、#7深水虎太郎のバスケットカウントで39-37と逆転して後半へ。  

後半、千葉J U18は、#00関谷間の3Pシュートなどでリードを拡大。対するSR渋谷も#13井伊や#0松下湊人の活躍で点差を縮め、千葉J U18の#18クーリバリを5ファウルで退場させるなど流れを変えようとする。ただ、この勝負どころで千葉J U18は#30小倉らが確実に3Pシュートを沈め、再びリードを拡大。そのままSR渋谷を引き離し、87-68で快勝を収めた。
 
#30小倉は「今大会、全然シュートが入らず苦しみましたが、最終戦はやるしかないという気持ちでした。シュート以外の面でもチームにどう貢献するかを考えてきて、最後はシュートでも貢献できたので良かったです」と振り返る。千葉J U18が7位、SR渋谷が8位となった。
 

ラストゲームは得意の3Pでチームに貢献した千葉J U18#30小倉
 
続く5位決定戦では、SKYLINERS U18と琉球 U18が対戦。琉球U18にとっては、前日のビクトリア州選抜 U18戦に続いての海外勢との試合になった。試合はSKYLINERS U18が先行するも、琉球 U18も粘り強く食らい付き、前半を終えて39-35SKYLINERS U18のリードは4点。3Qも僅差のまま進み、3Q終盤には#25上原颯太のジャンプシュートや#77佐取龍之介のバスケットカウントで琉球 U18が逆転からリードを奪う。53-47で入った最終Qも琉球 U18の勢いは止まらず、#77佐取のドライブで残り7分には59-49と、10点のリードを得た。
 
しかし、ここからSKYLINERS U18が猛追。#17ファブリース ヒービーレアー、#14マックス ピータースの3Pシュートなどで一気に逆転。さらに残り40.2秒、#6ナモリ オモクが値千金の3Pシュートを決め、4点差を付ける。諦めない琉球 U18も、#25上原が3Pシュートを決めて1点差に迫ったものの、あと一歩及ばず。71-70でタイムアップとなり、逆転勝利を収めたSKYLINERS U185位、琉球 U186位となった。
 
惜しくも敗れた琉球 U18のエース#77佐取は、悔し涙を流しつつも「前まで苦しいときに逃げてしまう癖があったのですが、攻め続けるメンタリティーをこの4試合で少しは身に付けられたと思います」と手応えも得られた様子。今大会では、日々の練習でずっと練習してきたという1番ポジションに挑戦し、「ガードとして自分が一番長くボールを持つことになるので、『自分がやらなければ』という気持ちが生まれましたし、ゲームメイクをしながら点を取ることを意識しました」と貴重な経験を得た。
 

SKYLINERS U18を最後まで苦しめた琉球 U18

 
3位決定戦では、美濃加茂とU18 選抜が対戦。美濃加茂は前日に脚を痛めた#6ムハマド・アブドラのコンディションを考慮し、#9福田玲生をスタメン起用して3年生の日本人選手5人で挑んだ。試合開始直後は美濃加茂が主導権を握ったものの、リバウンドを掌握したU18選抜へ流れが徐々に傾く。19-19の同点で2Qに入ると、その後もU18選抜が勢いに乗ってリードを広げた。たまらず美濃加茂は#6アブドラをコートに投入するが、それでもU18選抜は#8西村優真のバスケットカウント、#15梶原悠真の3Pシュートなどで流れを渡さない。42-29と、U18選抜の13点リードで前半を終える。
 
後半もU18選抜が逃げ、美濃加茂が追い掛ける展開が続いた。U18選抜は#15梶原の3Pシュートなどで引き離そうとするものの、美濃加茂も#5後藤宙の連続得点や#4藤田大輝の2本の3Pシュートで徐々に点差を詰めていく。残り3分、#8深見響敏、#7関健朗の3Pシュートが決まって3点差に。それでもU18選抜は#6松尾和が価値ある3Pシュートを決め返す。残り24.6秒、美濃加茂は#7関が再び3Pシュートを決めて73-763点差に迫り、そのあとすぐさまスティールして最後のオフェンスに懸けたが、#4藤田の最後の3Pシュートは外れて万事休す。要所でシュートを決め切ったU18選抜が、白熱した試合を3点差で制した。
 
初出場の美濃加茂は、終盤に追い上げたものの僅かに及ばず。ただ、ウインターカップ後も引退せずに今大会に向けて練習してきた3年生たちに対して、林龍幸コーチは「最後、よく頑張ってくれました。難しい大会でしたが、3年生にはお疲れさまでした、と言いたい。見ている人も、何か感じてくれたのではないかと思います」と目に涙を浮かべて感慨を語っていた。
 

シュートを決め合う白熱の展開となり、最後は両チーム笑顔で健闘を称え合った


決勝戦はビクトリア州選抜 U18に名古屋D U18も最後まで奮闘

いよいよ迎えた決勝戦は、オーストラリアからの刺客・ビクトリア州選抜 U18と、今シーズンさまざまな大会でタイトルを総なめにしてきた名古屋D U18との戦い。ビクトリア州選抜 U18#10ブローディ ハールのゴール下シュートなどで先制するが、名古屋D U18#14川邊蒼侑の3Pシュートや#7今西優斗のフリースロー、#2若野瑛太の3Pシュートなどで食らい付いた。
 
しかし、徐々にリードを広げたのは高さで圧倒的なアドバンテージを持つビクトリア州選抜 U18207cmの長身を誇る#15ハリー ニールセンのリバウンドシュートやPG#4オーステン フォックスウェルの速攻で得点を伸ばし、23-121Qを終えると、その後もリードを維持。対して、一矢報いたい名古屋D U18は、#28黒崎恵介がドライブでバスケットカウントを獲得するなど仲間を鼓舞。大きく開いた点差を縮めるには至らないものの、最後までオールコートでディフェンスを仕掛け、#5押村汰生の得点などでベンチが大いに沸くなど、要所で見せ場を作った。最終スコアは85-63。ビクトリア州選抜 U18が名古屋D U18を振り切り、初出場で優勝を飾った。


圧倒的な強さを見せ付けたビクトリア州選抜 U18は、アンダーカテゴリー代表候補の選手も多数擁しているという


終わってみれば、ビクトリア州選抜 U18は全4試合、20点以上の差を付けて快勝。1518歳の将来性豊かな選手たちが、高いオフェンス力を遺憾なく発揮した。キャプテンの#5ロックリン ハーヴィーは、「今大会に向け、チームとしてしっかり準備できたことが良かったです。チームメイト同士のコミュニケーションも優勝の要因になりました。日本に来て、日本が大好きな町になりました。生活もそうですし、ユースの皆さんとの試合を通して、非常に良い大会になったと思います」と振り返る。
 
一方、準優勝の名古屋D U18の大西順コーチも「大会を通して、やはり良かった部分と課題となった部分がありました。成功体験もできましたし、逆にこれでは通用しない、もっとこういうことが必要だということを確認できて、両方を学べたことはすごい収穫だったと思います」と今大会の経験が財産になったと語っていた。
 
本大会の目的は、Bリーグ U18チームと海外チームの交流を通して、世界に挑戦する意識を高め、世界に通用する選手の輩出に向けた育成・強化の礎を形成する機会を提供すること。海外勢と対戦した出場チームは、国内ではなかなか経験できない高さやプレーの強度、バスケットスタイルを肌で感じ、それぞれに貴重な収穫を持ち帰った。3年生は次のステージで、そして2年生以下は新年度のチームで、学びを存分に生かしたいところだ。

名古屋D U18の2年生#2若野は「スタメンは下級生が多いですが、3年生が今年のチームワークを作ってくれた」と感謝。この経験を来年度につなげたい



インフロニア B.LEAGUE U18 INTERNATIONAL CUP 2025

・開催日程:2025222日(土)~24日(月)

・会場:国立代々木競技場 第二体育館 (東京都渋谷区)

・出場チーム:
<グループA
名古屋ダイヤモンドドルフィンズ U18(インフロニア Bリーグ U18 チャンピオンシップ 2024 優勝)
サンロッカーズ渋谷 U18(インフロニア Bリーグ U18 エリートリーグ 2024 東地区)
B.LEAGUE U18
選抜チーム
SKYLINERS U18
(ドイツ)
 
<グループB
千葉ジェッツ U18(インフロニア Bリーグ U18 チャンピオンシップ 2024 準優勝)
琉球ゴールデンキングス U18(インフロニア Bリーグ U18 エリートリーグ 2024 西地区)
美濃加茂高等学校
ビクトリア州選抜 U18(オーストラリア)
・大会形式:2グループ(1グループ4チーム)に分かれて予選リーグを開催。予選リーグの順位をもとに順位決定戦を実施。
・配信: B.LEAGUE公式YouTube ・大会公式サイト:https://www.bleague.jp/u18-Internationalcup/2025/
・試合スケジュール、結果:https://www.bleague.jp/u18-Internationalcup/2025/schedule/

222日試合結果>
グループA 名古屋D U18 63-54 SR渋谷
U18 SKYLINERS U18 78-71 B
リーグ U18選抜
B
リーグ U18選抜 88-78 SR渋谷 U18
グループB
琉球 U18 89-76 千葉J U18
ビクトリア州選抜 U18 91-59 美濃加茂
美濃加茂 69-56 琉球 U18

223日試合結果>
グループA
名古屋D U18 73-53 SKYLINERS U18
B
リーグ U18選抜 66-54 名古屋D U18
SKYLINERS U18 101-87 SR
渋谷 U18
グループB
ビクトリア州選抜 U18 86-64 千葉J U18
美濃加茂 93-80 千葉J U18
ビクトリア州選抜 U18 93-66 琉球 U18
 
224日試合結果>
[7
位決定戦]SR渋谷 U18 87-68 千葉J U18
[5
位決定戦]SKYLINERS U18 71-70 琉球 U18
[3
位決定戦]Bリーグ U18選抜 79-76 美濃加茂
[
決勝] ビクトリア州選抜 U18 85-63 名古屋D U18
 
<最終順位>
優勝 ビクトリア州選抜 U18
準優勝 名古屋D U18
3
位 Bリーグ U18選抜
4
位 美濃加茂
5
位 SKYLINERS U18
6
位 琉球 U18
7
位 SR渋谷 U18
8
位 千葉J U18