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2025.02.06

偉大な先輩を追って…川崎ブレイブサンダースの米須玲音「竜青さんを超えていけるような選手に」

  • バスケットボールキング

 川崎ブレイブサンダースは「りそなグループ B.LEAGUE 2024-25 SEASON」に向けて、チーム初の外国籍指揮官としてロネン・ギンズブルグヘッドコーチを招へい。第20節終了時点で12勝23敗と苦戦が続くものの、若手の台頭という明るい兆しが見えてきた。

 日本大学の米須玲音、大東文化大学の山内ジャヘル琉人がそろって特別指定選手(プロ契約)として加入すると、両者がデビューを飾った12月28日以降の11試合は8勝3敗。川崎同様に黒星先行のチームが対戦相手だったとはいえ、いい影響をもたらしているのは確かだろう。川崎を率いる“ネノ”HCは2月2日に川崎市とどろきアリーナで行われた滋賀レイクス戦後、若手2人について次のように言及した。

「彼らの活躍はすごくうれしいことです。昨日はジャヘル選手(24分59秒で13得点5リバウンド1アシスト)、今日は米須選手が良かったです。彼らに経験を積ませ、彼らがこのレベルでどれだけできるのか、どれぐらいプレータイムを得られるのか。彼らが加入して、チームが上向いていることもありますけど、この先の未来を見据えて彼らは大事なピースになってくると思うので、どういった選手になっていくのかが大事だと思います。起用していくなかで良くない時間帯もあると思いますけど、そういった部分もしっかりと我慢しながら、彼らに経験を積ませるのがすごく大事です」

 米須は滋賀との第2戦において、アリゼ・ジョンソンに次ぐ28分55秒のプレータイムを獲得。8得点4リバウンド9アシスト2スティールと攻守両面で活躍し、ポイントガードとしてチームを鼓舞し続けた。

「相手が速い展開で攻めてくるとわかっていたので、そこで自分がミスマッチを狙われないように『ディフェンスの時は早く戻ってほしい』とコミュニケーションを取っていました。オフェンスでもコミュニケーションを取りながら、です。チームに加入してそこまで経過していないので、コミュニケーションを取りながらやっていかないと、チームはまとまらないと思っていて。意識的に声を出しているつもりです」

外国籍選手とも積極的にコミュニケーションを取る [写真]=B.LEAGUE

 今シーズンのデビューから約1カ月にも関わらず、サッシャ・キリヤ・ジョーンズのアリウープ演出などチームメートとの関係性は良好。「練習からあのようなパスを出せるプレーは多く、それが今日はつながったと思っています」と振り返り、「合わせるのにそこまで時間がかかるわけではなく、周りはうまい選手ばかりなので、自分が彼らにパスを出すだけです。今は問題なくプレーできていると思っています」と手応えを口にした。

 日本大の先輩にあたる篠山竜青が長きにわたって「川崎のポイントガード」に君臨する。36歳で迎えた今シーズンも1試合平均5.3得点3.1アシストに加え、フリースロー成功率でリーグトップの94.3パーセントを記録するなど健在だ。指揮官から「篠山選手の背中を見て成長してもらいたい」と期待を寄せられた22歳は「川崎の顔になりたい」と口にし、今後への意欲を示した。

「全員(小針幸也、篠山、柏倉哲平)が違ったタイプのポイントガードなので、いろいろなことを吸収して、自分はそれらをコートで出せたらと思っています。今は竜青さんですけど、竜青さんを超えていけるような選手になりたいと思っています」

 後継者への道のりは「まだまだ遠い」(米須)。それでも、「川崎の顔」を目指して、一歩一歩成長を遂げていく。

川崎の未来を担う選手へ [写真]=B.LEAGUE

取材・文=酒井伸

【動画】米須玲音がサッシャ・キリヤ・ジョーンズのアリウープを演出