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2025.02.03

優勝はフィリピンの強豪FEU U16、SR渋谷 U16は準優勝に[インフロニア B.LEAGUE U16 CHALLENGE CUP 2025]

  • 月刊バスケットボール

フィリピンの強豪、FEU U16が頂点に


2月2日、「インフロニア B.LEAGUE U16 CHALLENGE CUP 2025」(会場:国立代々木競技場第二体育館)大会最終日、優勝決定戦および各順位決定戦が行われ、Far Eastern University-affiliated high school U16 (フィリピン)がチャンピオンに輝いた。

この大会は、B.LEAGUEユースチームと海外チームとの交流を通して、世界に挑戦する意識を高めるとともに「世界に通用する選手やチームの輩出」に向けた育成強化の礎を形成する機会を提供することを目的として創設されたもの。今回は、「B.LEAGUE U15 CHAMPIONSHIP 2024」の上位4チームと韓国、フィリピンのチームが出場している。



■優勝決定戦レポート

SR渋谷 U16、健闘を見せるも届かず



SR渋谷 U16のエース#21 岸歩武

前日、エースの#21 岸歩武が「リバウンドやルーズボール争いなど、トップチームから継承する泥臭さをしっかり発揮していきます」と言っていたとおり、SR渋谷 U16は試合開始から積極的なディフェンスを展開。ボールマンにプレッシャーをかけ、シュートにしっかりコンテスト。FEU U16の出鼻をくじくとオフェンスではファウルをもらってフリースローで追加点。#47 山野井 皓の4Pプレーも飛び出し1Qを6点リードで終えた。
 
しかし、2Qに入るとFEU U16がリバウンドで優位に立って着実に得点。残り7分半に追いつくと、その30秒後、#29 Duke Andrew Santosがコーナー3Pシュートを成功させて26-23と逆転した。さらに畳み掛けるようにゴールにアタックするFEU U16に対して、SR渋谷 U16は今大会絶好調の#72 鏑木 捺貴が3Pシュートを射抜いてクォーター初得点を奪ったが、この2Qはわずか4点に終わった。23得点とビッグクォーターを作ったFEU U16が40-27とリードしてハーフタイムを迎えた。前半、SR渋谷 U16はリバウンドで18本(FEU U16は39本)と苦しんだが、ターンオーバーでは14本を奪っている(SR渋谷 U16は3本)。
 

FEU U16:#33 Imam Laye Sene

このハーフタイムに「誰1人諦めている人はいなかったので、自分たちのバスケットをやってしっかり勝ち切ろう」と話し合っていましたと明かしたSR渋谷 U16の#21 岸。すると3Q開始から再び果敢なプレーを見せた。好守からオフェンスに転じると#10 棚橋 康成が3Pシュートを連発。さらに#21 岸がバスケットカウントを決めて35-40と5点差に迫った。一気に点差を縮めるには至らなかったものの、3Qは19-15と上回って46-54で4Qを迎えた。
 
逆転を狙うSR渋谷 U16は、4Q序盤に #10 棚橋 康成と#2 木村 海斗が連続で3Pシュートを決め、再び5点差に迫ったが、ここから4分強、得点を奪うことができず。残り4分、#21 岸がドライブから久しぶりに得点すると、その後、#72 鏑木が2本の3Pシュートを成功。最後まで攻めの姿勢を貫いたが、FEU U16が79-62で優勝を決めた。
 
実は、この決勝では秋葉 真司 HCが戦術の選択肢を提示していた。「真っ向勝負という考えを尊重したい。その上で選手たちに戦術を選択させました」と言う。選んだのは“1対1で守る”戦術だった。#21 岸は選択について「相手に左手を使わせるというプランもあったのですが、自分たちにとってより収穫になると考えて、1対1で守る選択をしました」と説明している。結果的に敗れはしたが、「世界基準を体験できたことは、自分にとってもチームにとっても大きいと思います」と#21 岸が語ったように、価値ある経験になったはずだ。
 
<優勝決定戦>FEU U16(A1位) 79-62 SR渋谷 U16(B1位)
 

優勝の瞬間、喜びを爆発させたFEU U16
 

■3位決定戦レポート

横浜BC U16が激戦を制して3位に輝く

 

横浜BC U16は#14 江原行佐がけん引

共にB.LEAGUE U15創設期から育成に力を入れている両者の対戦は、激戦になった。開始からディフェンスが目立つ展開となり、ハーフタイムで横浜BC U16の29-25とロースコアの展開に。3Q中盤、横浜BC U16は#14 江原 行佐がペイントエリアで強さを見せると、キャプテンの#3 臼井 蓮が連続得点。残り4分で11点のリードを作った。
 
前日の試合で右足首を痛めた#54 越 圭司が大事を取って欠場した琉球だが、ツインエースの一人、#29 宮里 俊佑の3Pシュートで連続失点をストップ。すると#16 仲本 秀也のレイアップ、#88 奥間 翔のフリースローと続けて40-46として3Qを終えた。4Qに入っても取られたら取り返すという見ごたえある展開が続いた。
 
横浜BC U16が2ポゼッション差リードで終盤を迎えたが、残り3分、琉球は#12 大城 瑛士がコーナー3Pシュートを成功。54-55と迫った。その直後、横浜BC U16は#6 井田 航里のシュート、#14江原のフリースローで4点差に。対する琉球は残り8.5秒に#16 仲本 秀也がフリースロー1本を決めて3点差にすると、ラストオフェンスで#29 宮里のパスから#56 友寄 快星の3Pシュートにつないだが、リングに弾かれて万事休す。横浜BC U16が58-55で勝利し、3位となった。
 
琉球 U16にとっては悔しい敗戦となったが、#29 宮里は「Jr.ウインターカップの反省も生かして、今大会ではリバウンドを取ったあと、いかにブレークにつなげるかを話していました。前からプレッシャーをかけてミスも引き出せて速い攻撃につなげることもできたと思います」と収穫もあったと発言。そして3月末に開催されるビッグタイトル「インフロニア B.LEAGUE U15 CHAMPIONSHIP 2025」に向けて「1試合を通してディフェンスやリバウンドを徹底できるように詰めて、個人的には勝負強さを磨き、優勝を目指します」と力強く語った。
 
<3位決定戦>横浜BC U16(A2位) 58-55 琉球 U16(B2位)
 

琉球 U16の#29 宮里俊佑は収穫もあったと語った

 

■5位決定戦レポート

静岡 U16が勝負どころで3Pシュートを決めて勝利



常に笑顔を絶やさずプレーしていた静岡 U16

前日、「チームバスケをしっかり展開したいです」とキャプテンの#7 森田 悠月が語っていたとおり、静岡 U16は開始から高いディフェンス強度を披露。ミスを引き出して速い攻撃につなげるとチーム最長身190cm の#18 松田 颯が得点源になって主導権を握った。しかし、大会3試合目となるMobis U15も本来のシュート力を披露。#12 チェ・チャヌ、#23 ユン・ジホらがコツコツと2Pシュートで得点につなげて、リードを広げさせなかった。
 
静岡 U16の33-29で迎えた3Qも、一進一退の攻防が続いた。静岡 U16は速い展開から#12 金刺 暖が連続してレイアップを成功。さらに#17 小林 千泰もリバウンドから決めるなどでリードを一旦2桁に乗せたが、Mobis U15は#23 ユンがダイナミックなドライブからレイアップで得点すると、#12 チェの3Pシュートも演出。5点差にして3Qを終えた。4Qに入ってもMobis U15は、#23 ユンが引っ張る形でオフェンスを展開。中盤まで粘りを見せたが、#7 森田、#11 杉山 唯月、#8 鈴木 彪斗と3Pシュート攻勢を見せる相手についていくことができず。静岡 U16が75-61で競り勝った。
 
Mobis U15は攻撃的な姿勢を貫いてみせたが、30ターンオーバーとミスが多く出てしまった。昨夏、韓国の大会では横浜BC U15に連勝するなど実力はあるMobis U15だが、受験もあって練習時間が限られ、「体力面で難しい部分がありました」と明かしたソン・テギュンHCは、「今回だけでなく遠征でもBユースと戦っていますが、ファンダメンタル(基礎)がしっかりしているなという印象です。パス、ドリブル、シュート、簡単に見えるプレーの精度が高いと改めて感じました」と基礎のレベルが高いと評した。
 
<5位決定戦>静岡 U16(A3位) 75-61 Mobis U15(B3位)
 

Mobis U15は#23 ユン・ジホが果敢にゴールにアタック



■インフロニア B.LEAGUE U16 CHALLENGE CUP 2025大会概要
【開催日程】2025年2月1日(土)~2月2日(日)
【会場】国立代々木競技場 第二体育館(東京都渋谷区)
 
【出場チーム】
<グループA>
横浜ビー・コルセアーズ U16 (B.LEAGUE U15 CHAMPIONSHIP 2024 1位)
ベルテックス静岡 U16 (B.LEAGUE U15 CHAMPIONSHIP 2024 4位)
Far Eastern University-affiliated high school U16 (フィリピン)
<グループB>
琉球ゴールデンキングスU16 (B.LEAGUE U15 CHAMPIONSHIP 2024 2位)
サンロッカーズ渋谷 U16 (B.LEAGUE U15 CHAMPIONSHIP 2024 3位)
Ulsan Hyundai Mobis Phoebus U15 (韓国)
 
【大会形式】 2グループ(1グループ3チーム)に分かれて予選リーグを開催。予選リーグの順位をもとに順位決定戦を実施。
【配信】B.LEAGUE公式YouTube
【試合結果】
2月1日(土)
<グループA>FEU U16 111-68 静岡 U16、横浜BC U16 70-55 静岡 U16、FEU U16 68-53 横浜BC U16
[順位]1位:FEU U16/2勝、2位:横浜BC U16/1勝1敗、3位:静岡 U16/2敗
 
<グループB>SR渋谷 U16 122-41 Mobis U15、SR渋谷 U16 74-71 琉球 U16、琉球 U16 107-54 Mobis U15
[順位]1位:SR渋谷 U16/2勝、2位:琉球 U16/1勝1敗、3位:Mobis U15/2敗
 
2月2日(日)
<5位決定戦>静岡 U16 (A3位) 75-61Mobis U15 (B3位)
<3位決定戦>横浜BC U16 (A2位) 58-55 琉球 U16 (B2位)
<決勝>FEU U16 (A1位) 79-62 SR渋谷 U16 (B1位)
 
<MIP> 
横浜BC U16:#14 江原 行佐
静岡 U16:#7 森田 悠月
FEU U16:#33 Imam Laye Sene
琉球 U16:#29 宮里 俊佑
SR渋谷 U16:#72 鏑木 捺貴
Mobis U15:#12 CHOI CHANWOO



【大会公式サイト】https://www.bleague.jp/u16-challengecup-2025/