チケット購入
2025.01.20

宇都宮ブレックス遠藤祐亮、地元・千葉での初オールスター「選ばれてすごくうれしかった」

  • 月刊バスケットボール
1月19日、LaLa arena TOKYO-BAYにて開催された「りそなグループ B.LEAGUE ALL-STAR GAME 2025」は、119-114でB.WHITEが勝利。SNS投票で過半数の票を集めた富樫勇樹が、地元オールスターでのMVP受賞という形で幕を閉じた。

35歳にしてオールスター初選出

序盤からB.WHITEが先行する形で試合が進み、15得点の富樫や16得点の渡邊雄太、さらには3Pシュート8本中5本を射抜きゲームハイ21得点を記録した須田侑太郎ら、5選手が2桁得点。決めるべきところで内外と得点を重ね、最大17点のリードを奪って勝利した。各選手が笑顔を振りまきながら、時に真剣に、時に“魅せる”プレーで会場を沸かせたあっという間の40分間だった。

特に千葉ジェッツの富樫、渡邊雄太、原修太、田代直希はホームでのオールスターとあって特別な時間となったはずだが、B.BLACKの遠藤祐亮にとっても、今大会は忘れられないものになった。



遠藤は船橋市に隣接する習志野市の出身で、高校は市船橋を卒業。子どもの頃には「みんなでららぽーとに映画を観に来たり、遊びに行くとなったら、ららぽーとでした」と、自転車で15分ほどの距離を足しげく通ったという。「小さい頃からこの辺で遊んでいたので、こんなにすばらしいアリーナができて、バスケが盛り上がって。自分が子どもの頃には考えられないようなことなので、地元でこうやってオールスターに選ばれてプレーできたのはすごくうれしかったです」

出場時間は10分10秒とチーム内で2番目に短かったが、味方のお膳立てもあって得意の3Pを12本も試投。うち3本を決め切って9得点を挙げている。キャリア初のオールスター選出で「こういう大会ならではの難しさもあった」というが、「今日は家族や地元の友だちも来てくれましたし、市船時代のチームメイトからもメッセージをもらいました。普段は千葉で試合をしないとなかなか僕の活躍を見られない友達もいるので、そういう人たちが来てくれたのはうれしかった」と濃厚な3日間を振り返った。


千葉ジェッツ田代直希との初交流
「遠藤さんは憧れの存在」

新たな交流もあった。遠藤に、「千葉ジェッツの選手が相手になる場面では意識することはあるか?」と聞くと彼はうなずき、ある選手の名前を出した。田代だ。

「田代選手とはこのオールスターで初めて話したんですけど、地元がすごく近くて共通の知人や友達もいたりして。そういう会話もできてうれしかったですね。(31歳の)田代選手とは少し歳が離れていますが、本当に地元が近くて隣町でした。田代選手の中学の先輩が僕の後輩だったりもしましたし、田代選手は僕のことを中学生の頃から知っていてくれたんですよね。そういう話もできたので良かったです」

田代にも遠藤について聞いてみると、このように答えてくれた。

「僕は遠藤さんのことを昔から知っていて、遠藤さんの通っていた習志野五中は県内ではめちゃくちゃ強くて有名だったんですよ。そのときから名前は知っていて、そこから市船に行ったときには『何だこのうまい人は⁉︎』と思ったんです。それから遠藤さんは大東文化大に行って、栃木に行って…。追いかけていたわけではないんですけど、自分の中では道を作ってくれた地元のお兄ちゃんのような存在でした。それに、当時の華やかな点取り屋のスタイルから今のディフェンスをするようなスタイルに変えていったのはすごいなと思っています。実は僕、プロになってから遠藤さんのスタイルを盗んでいたし、憧れの存在でもあるので。なので、地元が近いというのも僕の中では誇りだし、話すきっかけがあって僕としてはすごくうれしかったです」

言われてみれば、ディフェンスで泥臭く貢献する田代のプレースタイルは遠藤に近しいものがあり、大学まで点取り屋だった田代がプロ入り後に役割を変えていった点も遠藤と通ずるものがある。遠藤の存在は、田代のような後輩たちにも確実に好影響を与えていたのだ。

遠藤は「僕はここじゃなければ選ばれていなかったかもしれないようなポジション」だと、今回のオールスター選出について謙遜するが、過去にはベストディフェンダー賞受賞や2度のリーグ制覇など、オールスター選出に相当する結果も残してきた。そんな中でキャリア初のオールスター選出が船橋だったことには大きな意味がある。

「年齢的にも、もしかしたら最初で最後のオールスターかもしれないので、3日間、本当に楽しみながら過ごせて良かったと思います」

遠藤は穏やかな表情で3日間の球宴を振り返っていた。