2024.12.05
広島、水原KTのディフェンスに苦しんでEASL初黒星【EASL】
2桁得点6人も、勝負どころで逆転できず
先週末、りそなグループ B.LEAGUE 2024-25 SEASONで連勝とエンジンがかかり始めた昨季の王者、広島ドラゴンフライズが12月4日、EASL(東アジアスーパーリーグ)第3戦に臨んだ。しかし、敵地で迎えた水原KTソニックブーム(昨季KBL準優勝、EASL1勝1敗)は苦しい試合となった。
ホームで78-67、敵地で88-75と香港イースタン(香港特別行政区A1優勝)に連勝。EASLでスタートダッシュを決めた広島。対する水原KTは、エースPGのホ・フンが左手親指の骨折で欠場に。さらにハ・ユンギとムン・ジョンヒョンというローテーション・プレーヤーが、コンディションの問題で欠場となった。
広島は、2試合で平均21.0得点、10.5リバウンド、5.0アシストを残し、EASL月間MVPに輝いた#8ケリー・ブラックシアー・ジュニアがロスター外に。#12中村拓人、#30山崎稜、#13ドウェイン・エバンス、#34三谷桂司朗、#24ニック・メイヨでスタートした。立ち上がり、足が動かなかった水原KTに対して、#12中村、EASL初出場の#13エバンス、#34三谷らがジャンプシュートを確率よく決めていき、残り5分強でいきなり17-6とリードを作った。しかし、すぐに水原KTが反撃開始。#13レイショーン・ハモンズにボールを集めて得点すると、リバウンドからの速い展開で攻め、#23パク・ジュニョン、#1ハン・フィウォンらがシュートを決める。広島は3点差まで詰められて第1クォーターを終えた。
水原KTは#13レイショーン・ハモンズにボールを集めて得点
第2クォーターに入ると試合開始直後とは対照的に広島のジャンプシュートがなかなか入らず。このピンチに#9パク・ジュウォン、#7パク・スウォンに3Pシュートを射抜かれ、水原KTに逆転を許した。ここでタイムアウトを取った広島は、ディフェンスを引き締めて#15河田チリジのゴール下での得点に続いて#12中村が連続得点。38-36とリードしてハーフタイムを迎えた。前半、リバウンドは広島の23-26だったものの、9本ものオフェンス・リバウンドを許した(広島は4本)。
後半開始前、朝山正悟HCは「前半、水原KTにやりたいバスケをやらせてしまいました。準備してきたことを残り20分間出したい」とコメント。その“準備してきたこと”なのか、広島は#13エバンスにボールを託して、積極的にペイントアタックを開始。自らレイアップを決めたほか、#30山崎のコーナー3Pシュートに繋ぐなどボールが動き始める。水原KTのオフェンスをなかなか抑えられなかったものの、なんとか61-59として3Qを終えた。
後半、#13ドウェイン・エバンスが積極的にペイントアタック
勝負の第4クォーターに入ると、まず#12中村がうまいステップを見せて得点。さらに#13エバンスがアイソレーションプレーでスコアといいプレーも出るが、ターンオーバーが続いてリズムを崩してしまい、リードが奪えない。残り5分で68-71。直後に#24メイヨが右ウイングからプルアップ3Pシュートを決めて一旦同点とするが、すぐに得点されるという苦しい時間が続く。それでも何とか僅差を保つと残り1分半、またも#24メイヨのレイアップで73-75とする。ここでタイムアウトを取った水原KTは、時間をたっぷり使って#23パクが得点。これで4点差に。このあとインバウンズプレーから#13エバンスがうまく得点したが、続くオフェンスではトラップディフェンスを仕掛けられて痛いターンオーバー。直後に水原KTに得点を許して5点差にされる。残り30秒、#30山崎がトップから3Pシュート。決まれば、まだチャンスが…という1本だったが、これはリングに弾かれてしまう。残り5秒からのプレーで#13エバンスが3Pシュートを沈めたものの、これで万事休す。78-80でEASL初の敗戦を喫した。
3Pシュート成功は同じ10本。フィールドゴール成功率で56.76%と水原KT(36.54%)を上回った広島。だが、オフェンス・リバウンドを20本(広島9本)奪われ、ターンオーバーが17本(水原KT7本)と増えたことで、シュート試投数は広島が37本、水原KTが52本と差が広がってしまった。一方で、#13エバンスが19得点(11リバウンド)、#24メイヨが14得点(11リバウンド)、#12中村が12得点、#11三谷が11得点、#15河田チリジが10得点と2桁得点と広島らしいオフェンスは発揮したといってもいいだろう。
14得点、11リバウンドをマークした#24ニック・メイヨ
広島のEASL第4戦はクリスマスゲームとなる12月25日。敵地で桃園パウイアンパイロッツ(2勝0敗で暫定1位)と対戦する。桃園は11月13日のサンミゲル・ビアメン戦で昨季のP.LEAGUE+シーズンMVPであるチュン・シャン・ルー、トレベオン・グラハム、アレック・ブラウンが25得点以上と活躍している。彼らをいかに抑えるかが勝負の鍵となりそうだ。
協力=Bリーグ
記事提供:月刊バスケットボール