2024.12.05
琉球ゴールデンキングス、ホームで連勝を3に伸ばす【EASL】
ファイナルフォー進出に大きく前進
琉球ゴールデンキングスは12月4日、釜山KCCイージス(韓国)をホームの沖縄アリーナに招いて東アジアスーパーリーグ(EASL)2024-25シーズンの第3戦を戦った。結果は91-82の勝利。琉球はこれで開幕から無傷の3連勝となり、昨季逃したファイナルフォー進出に大きく近づいた。
琉球は試合開始のジャンプボールを勝ち取り、いきなり#45ジャック・クーリーから#12ケヴェ・アルマへのアリウープダンクが決まって先制。次のオフェンスでも#53アレックス・カークがゴール下で加点すると、#53カークがさらにセカンドチャンスでのダンクを決めて序盤に6-0とリードを奪った。しかし釜山は#15ディオンテ・バートンが積極的にリムアタックを繰り返し、第1クォーターから大量得点を奪ってチームをけん引。最初の10分間を終えて、琉球は25-27と1ポゼッション差を追う状況となっていた。
釜山の#15ディオンテ・バートン
第2クォーターも琉球は釜山#15バートンのオフェンスに苦しめられる。クォーターの先制点も#15バートンのペイントアタックからのフローター。#15バートンは前半だけで得点を26まで伸ばし、元NBAの爆発力を見せつけた。ただ、琉球は第1クォーター終盤にコートに入った#47平良彰吾が闘志あふれるディフェンスと落ち着いたプレーメイクを見せ、また#34小野寺祥太、#18脇昌大、#8植松義也らが第2クォーター中盤以降#15バートン封じに奮闘。#15バートンの勢いがやや鈍ったクォーター半ば以降に釜山はほかのプレーヤーのシュート率も落ち始める。すると琉球はリバウンドで圧倒的な優位性を発揮。強みとなるべき#45クーリーと#53カークのビッグマンコンビがゴール下で支配的な存在感を見せ、クォーター終盤にはアルマが豪快なオフェンス・リバウンドからのティップインを連発させ劣勢の流れを徐々に変えていく。琉球はハーフタイムまでに逆転。45-38と7点差のリードを奪った。
#53カークと共にペイントエリアで存在感を発揮した#45クーリー
第3クォーターは#14岸本隆一の3Pで、まずは琉球が48-38とリードを2桁に乗せた。以降しばらく一進一退の攻防が続いたが、#45クーリーが2本のフリースローを成功させて56-60としたところから、琉球は13-2のランで一気に畳みかけた。この時間帯、釜山はリズムを変えようとゾーンディフェンスを試みたが、琉球は#12アルマが1本、#15松脇圭志が2本の3Pをお見舞い。一時は69-52と17のリードを奪った。
その後釜山も粘り、第4クォーター開始時は71-63で琉球8点のリードという状況。しかし琉球は釜山のエース#15バートンに簡単にボールを持たせないタイトなディフェンスが威力を発揮し、主導権を渡すことなく最後の10分間をしのぎ切った。
ボックススコアを見ると、29得点と18リバウンドでエフィシエンシーを42まで伸ばした#45クーリーの数字が際立つ。また#12アルマも26得点に10リバウンド、#53カークも12得点に10リバウンドと3人がダブルダブルを記録した。この3人だけで38リバウンドを記録した琉球は、リバウンド総数で51-22と釜山を圧倒しており、これが最大の勝因と言えそうだ。試合後のインタビューで#45クーリーは、「リバウンドは80%がハートで20%が技能。今日はこの80%がハートの戦いで勝つことができました」と誇らしく語り、またこの日最終的に38得点を奪った相手の得点源#15バートンへのチームメイトたちのディフェンスについても、「後半はよく頑張っていたと思います」と称賛の言葉を贈っていた。
4得点、4アシストという#47平良彰吾、その貢献は貴重だった
オフェンス面では、10得点を記録した#14岸本やゾーンバスターとなる2連続3Pを決めた松脇、緩急のメリハリをつけてうまくオフェンスを組み立てフィールドゴールとフリースローすべて成功の4得点に4アシストを記録した#47平良らの貢献一つ一つが貴重な流れだった。誰が出ていても高い強度を維持し続けて勝利をつかめたことは、Bリーグでの戦いも含め今後の自信につながるに違いない。また、琉球はマカオ・ブラックベアーズとの前試合では故障者が多くエントリーが9人のみだったが、この日は伊藤達哉とユース育成枠の佐取龍之介を含め12人フル登録。両者の出場はなかったものの、これも一つの収穫と言えるのではないだろうか。
3勝目を挙げた琉球は、メラルコ・ボルツ(フィリピン)に1ゲーム差をつけてグループB首位の座をさらに固めることができた。残る日程は、ニュー台北キングスとのホーム&アウェイ(12月25日[水]が沖縄アリーナ、新年1月8日[水]が敵地の新荘体育館)と、アウェイでのメラルコ戦の3試合。ホームで戦える機会は1度しかないが、ファイナルフォー進出に向け、長距離遠征での戦いをタフにしのいでいく姿に期待したい。
協力=Bリーグ
記事提供:月刊バスケットボール