B1初の連勝に貢献、越谷アルファーズの喜多川修平が示した存在感「常にどんなことでもチームの勝利に貢献する気持ちでやっている」
安斎HC「修平は遂行する能力が1番ある選手です」
越谷アルファーズは横浜ビー・コルセアーズを80-72で下し、B1で初の連勝を飾った。
高確率な3ポイントシュートで主導権を握り前半を13点リードで折り返したが、後半は横浜BCのインテンシティの高いディフェンスに苦戦。また、大黒柱のカイ・ソットが第3クォーターの序盤に交代して以降、コートに戻れないアクシデントにも見舞われた。LJ・ピークを4番で起用したり、ガード陣を3人並べるスモールラインナップを試すなど様々な策を講じ、チーム一丸でピンチをしのいで逃げ切った。
最終クォーターに5得点を固めた、喜多川修平の存在感も光った。前線から当たってくる横浜BCのディフェンスに苦しんだ場面では、ジェフ・ギブスのタッチダウンパスからゴール下を落ち着いて決め、6点リードで迎えた残り3分11秒には、値千金の3ポイントシュートを射抜き横浜BCにタイムアウトを取らせた。
出場9試合目にして、これが今シーズン初の3ポイントシュート成功だったが、酸いも甘いも知るベテランは「積極的に打とうという気持ちはありましたけど、ただそれが入っていなかっただけなので不安は特になかった」と言う。そして、内容に目を向け、今回の連勝を手放しで喜ばずにこのように振り返った。
「勝てたことは良かったですが、ただ内容があまり良くなかったです。相手のプレッシャーに対して、14個ぐらいターンオーバーをしたと思うんですけど、ボールを大事に扱えなかった時間帯が多くそこは反省しなきゃいけないと思っています」
喜多川はシーズン序盤こそ10分に満たないプレータイムだったが、3試合前のサンロッカーズ渋谷戦からプレータイムを大幅に伸ばし、3試合連続で先発起用されている。10月に39歳となった彼よりも速く、強い若手選手は多くいる。それでも、クロージングラインナップとして使われるのは理由があり、安齋竜三ヘッドコーチは喜多川の遂行力の高さを高く評価している。
「修平はこういうバスケットをしなきゃいけないっていうのを遂行する能力が1番ある選手です。やっぱり、やり切ってくれるというところで、修平とジェフは最後までやろうとしてくれます。 触れないかもしれないけどそこまで行くとか、リバウンドやルーズボールのポジションなど、やろうとすることのレベルがめちゃくちゃ高いので信頼しています。自分に責任を向けられる選手ですし、それが次に繋がる。(喜多川よりも)動けるわけだから、他の選手は本当に学んだ方がいいと思っています」
「選手全員が120%くらいの気持ちでやっていかないと、B1は勝てない」
喜多川も自分がチームの変化の一部になっていることを理解している。そして、そこにプライドを持って取り組んでいる。「何かを変えなきゃいけないところで、ヘッドコーチがいろいろ考えた結果、最初に出していただいてる部分があります。 最初から自分たちのリズムでできるようにエナジーを出してやること、それがスタートで出る役目だと思っています。もちろん、控えから出ても、それは変わらずにやり続けなきゃいけません。試合に出してもらってる以上はチームの足を引っ張っちゃいけないと思っています。どんなことでもチームの勝利に貢献するという気持ちで常にやっているので、シュートも含めてディフェンスも、リバウンド1本、ルーズボール1本も勝つために必要なことだと思うので、率先してやっていきたいです」
B1昇格チームにとって、B1で豊富な経験を持っている選手は貴重だ。安斎ヘッドコーチが名前を挙げたギブスや喜多川はその筆頭だろう。喜多川も「選手全員が本当に120%じゃないですけど、そういう気持ちでやっていかないと、B1というリーグは勝てないと思う。どんなに時間が短くても自分の役割をしっかり果たすことをみんなが意識して臨まないといけない」と説いた。
初の連勝を果たした以上、次なる目標は同一カードの連勝だ。上位チームでさえ、それは難しいと言うが、越谷がここから上昇していくためには乗り越えなければいけない壁だ。喜多川は言う。「前にジェフも言っていたんですけど、2連勝するのはすごく大変なことで、横浜さんはもっとエナジーを出してやってくると思います。そこに対して自分たちがファイトするところがまだまだ足りません。相手が来る前に自分たちから仕掛けるというのを常にコーチから言われているので、最初から全員でエナジーを出してやっていきます」
喜多川の真摯にバスケに向き合う姿勢に感化され、周りの若手選手がステップアップできれば、越谷は上位陣を脅かす存在になれるはずだ。