千葉J、名古屋Dから白星奪取…強さを証明した茨城ロボッツが挑む“次なるチャレンジ”
開幕10連敗――。昨シーズンは初勝利を挙げるまでに11試合を要した。新体制となった今シーズン、茨城ロボッツは開幕から3節連続ホームゲームという追い風に恵まれたが、迎え撃つ相手は地区優勝やリーグ制覇を経験している“強豪”ばかり。それでも、第2節で千葉ジェッツ、第3節では名古屋ダイヤモンドドルフィンズからそれぞれ1勝をもぎ取った。
2勝4敗。負けが先行しているものの、昨シーズンと同じ過ちは回避することができた。1勝1敗で終えた名古屋Dのショーン・デニスヘッドコーチは、「本当にハードな試合をしていましたので、昨シーズンよりも勝ち星が増えると信じています」と茨城の戦いぶりを評価。キャプテンの平尾充庸は「まだまだアップダウンがある」と切りだしたが、「昨シーズンと明らかに違うところは、戦う姿勢というか、一人ひとりのプレーヤーがしっかり自分の役割を果たそうという思いをしっかり持ってコートに立てています」とチームの現状について述べた。
「りそなグループ B.LEAGUE 2023-24 SEASON」はクリス・ホルム新HCのもと、5名の即戦力プレーヤーが新たに加わった。その中でも、ここまで全試合で先発を担う長谷川暢、ロバート・フランクスの2名は、すでに「勝負どころを託せる選手」(平尾)としてチームをけん引する。
前節、古巣との対戦が叶ったフランクスは、6試合を終えて平均18.3得点7.5リバウンドをマーク。「まだ6試合しかプレーしていないけど、個人的にも『できる』という自信があります。これからもチームを勝たせるために成長していきたい」と活躍を誓った。
ポイントガードの長谷川も平均13.2得点5.0アシストの活躍を見せており、ディフェンスにおいても「彼のプレッシャーは素晴らしいですし、本当に強い気持ちを持っています」と指揮官は太鼓判を押す。新加入ながらダブルキャプテンの1人に抜擢された長谷川について、もう1人の主将はこう口にする。
「昨シーズンは、どちらかといえば僕だけが声を出してチームをまとめていましたけど、今シーズンは暢がしっかりと気づいたところを話してまとめてくれています。暢だけじゃなくて(遠藤)善とかも主張してくれますし、新加入選手も含めて一人ひとりがリーダーシップを取ってくれています。そのおかげで僕の方が喋らなくなりましたし、今は暢のサポート役に回っています」
本拠地での6戦を終え、ホルムHCは「全てCSに出場したことのあるチームとの対戦でしたけど、ジェッツとドルフィンズに勝つことができました。そういった強いチームに対しても戦えるということは証明できたと思っています」と胸を張った。
茨城は次節以降もディフェンディングチャンピオンの広島ドラゴンフライズ、昨シーズンの中地区を制した三遠ネオフェニックスと強敵に立ち向かう。しかも今度は、アウェーでの戦いだ。
「次のチャレンジとしては、我々に対してしっかりと準備をしてきたチームに対して戦えるかどうか。ここまでのホームゲームではファン・ブースターの皆さんの声援がすごく力になりました。これからのアウェーゲームを勝ちきるためにはチームが今以上に1つになることが重要ですし、流れが悪くなってしまった時にそこから自分たちがどう修正をして流れを戻せるかが鍵になります。それができるかどうかで勝敗にも影響しますし、チームが成長するための次のステップになると感じています」
どこか相手でも戦える。その感覚は確かにつかんだ。次なるミッションは、敵地での勝利、そして、同一カードでの連勝。茨城ロボッツはさらなる成長を遂げ、再びホームに戻ってくるはずだ。
文=小沼克年