37歳で5人制の舞台に復帰…しながわシティに加入した落合知也「先頭に立って盛り上げていきたい」
「シンプルに楽しいです。5人制もプレーしたい気持ちがずっとありましたから。大栗(崇司)社長と佐野(智郎)ヘッドコーチから(プレーする)機会を与えてもらって、コートに立たせてもらえたのは本当にうれしいですし、1分、1秒を楽しんでいます」
10月17日に国立代々木競技場 第二体育館で行われた金沢武士団とのB3リーグ2024-25シーズン第4節第1戦試合後、しながわシティバスケットボールクラブの落合知也は充実した表情で口を開いた。
2023年3月、日本のパイオニアとして競技を引っ張ってきた3x3の活動に専念することを決意。越谷アルファーズの選手登録から外れることになった。自身が代表取締役を務めるALPHAS.EXEで国内外の大会に出場し、長年にわたって名を連ねる日本代表の一員として尽力。しかし、パリの切符をつかむことはできなかった。オファーを受けた時に「しながわシティのためにプレーしたいと思わせてもらった」のが5人制への復帰を決めた要因だというが、37歳になってもなお成長を追い求める落合がいた。
「この先のキャリアをどのように歩もうか自問自答した時、Bリーグにチャレンジして、もっとうまくなりたいとか、知識やスキルを得て選手として一皮向けたいという思いがあったので、戻ってきました。3人制とは全く違う競技ですけど、日々勉強になります。外国籍選手とのマッチアップはどちらも一緒なので、B3の素晴らしい外国籍選手との対戦は僕のステップアップにつながると思っています」
2シーズンぶりの5人制シーズンになるが、越谷でのプレーを含め過去の実績から「不安や心配は全くなかった」。開幕からプレータイムを獲得するだけではなく、37歳のベテランとしてコート内外で存在感を発揮。4人のメンバーが頻繁に入れ替わる3x3とは異なり、5人制のベンチではムードメーカーとしての役割を担う。
「(3人制、5人制の)どちらも楽しんでいますけど、エンターテインメントを忘れたくないです。相手選手や審判とのコミュニケーションもそうですけど、味方をどれだけ盛り上げられるかも僕の仕事です。先頭に立って盛り上げていきたいなと。しながわシティは若い選手、大人しい選手が多いですから」
そんな落合は前記のとおり、社長としての顔も持つ。しながわシティでの練習時間以外に、営業や商談といった仕事をこなし、トレーニングや3x3の練習に励む日もあるという。イベント出演やモデル活動にも精力的だ。
「自分にしかできないことへのやりがいを感じています。自分だけのバスケットボールではないと、自分のチーム(ALPHAS.EXE)を運営する時にすごく感じました。それは、選手だけでは絶対に気づけなかったことです。スポンサーさんの支援やファンの方々の支えに気づかされて、バスケットボール選手としてもまた一歩前進できたと思っています。大変なのは大変ですけど、シーズン中でも変わらず取り組んでいきたいと思っています」
前所属の越谷ではB3からB2、B2からB1へステップアップするチームの礎を作った。「昇格の難しさ、チームが勝つ難しさをすごくわかる」落合が今シーズンのしながわシティを引っ張っていく。
取材=酒井伸