【B1クラブ展望/佐賀】継続路線に金丸晃輔が加入…激戦西地区のダークホースになれるか
B2を制して意気揚々とB1に乗り込んだ昨シーズンの佐賀バルーナーズは、勝率5割にはわずか1勝届かなかったものの、B1昇格クラブとしては過去最多となる29勝をマーク。開幕直前のジョシュ・ハレルソンの日本国籍取得が大きな意味を持ったことは確かだが、B2最強オールラウンダーとして名を馳せてきたレイナルド・ガルシアや地元出身の期待の星・角田太輝が能力の高さを示したほか、チーム全員が個々の役割を全うしたことで、B1でも戦えることを証明してみせた。
その手応えが強かったことから、今シーズンは選手の入れ替えがほぼなく、戦術の成熟度を高めて臨む。唯一の新戦力が、日本代表経験者でリーグMVPの経歴も持つ金丸晃輔。35歳とベテランの域に差しかかってきたが、その得点力はまだ衰えておらず、昨シーズンは三遠ネオフェニックスの中地区優勝に貢献した。昨シーズンの佐賀は3ポイントシュートの成功率は高かったが、フリースロー成功率はリーグ最下位。金丸の加入により、この数字は改善が見込める。強豪チームを渡り歩いてきた経験という点でも、佐賀にもたらすものは大きい。
昨シーズンの課題として、連戦の節の第1戦で9勝15敗、西地区との対戦で11勝17敗、ホームで13勝17敗といずれも負け越したことが挙げられる。裏を返すと、これらの課題をクリアできれば、激戦区と化した西地区でもチャンピオンシップの枠を勝ち取ることができるはずだ。ホームゲームの節でまず第1戦を取ることが重要となり、そのためにはSAGAアリーナに集う大観衆の後押しもより必要になってくるだろう。
◆■KEY PLAYER/PG #2 レイナルド・ガルシア
かつては故障に悩まされたこともあったが、初めてB1でプレーした昨シーズンは全試合出場で攻守にフル回転し、B2時代と同等の活躍を披露。シーズン中にキューバ代表にも招集されたほか、4シーズンにわたって佐賀をけん引してきたチームの顔として、シーズン終了後には県政功労者知事表彰を受けた。今オフの間に海外リーグでもプレーするなど、さらなるレベルアップへの意欲も満々だ。
文=吉川哲彦