【B1クラブ展望/秋田】創設15年目の節目、躍進のカギは攻撃力UP
就任6シーズン目の前田顕蔵ヘッドコーチに加え、新キャプテンの田口成浩や副主将の中山拓哉という“チームの顔”は健在。だが、今オフは長谷川暢、古川孝敏、保岡龍斗といったコアメンバーが退団となり、在籍2シーズン目の熊谷航と赤穂雷太を含めた新たな顔ぶれの働きがより重要になりそうだ。
東地区上位と2度目のチャンピオンシップ進出へは、オフェンス力のレベルアップが必須。昨シーズンの平均得点はB1で3番目に低い74.2点。その中でも2ポイント成功率(47.8パーセント)がリーグワーストと課題を残した。
課題克服へ最も注目すべきは、アジア特別枠で新加入したガディアガ・モハマド アル バシールだ。クラブが「今シーズン最大の補強」と明かしたチャイニーズタイペイ出身の26歳は、直近2シーズン連続で台湾T1リーグのレギュラーシーズンMVPを受賞。秋田でもスコアラーとしての活躍が第一に求められる。
持ち味の激しいプレッシャーディフェンスから効率良くスコアを伸ばすには、小栗瑛哉、元田大陽の活きの良い若手がいかにエナジーを注入できるかも勝敗を左右するだろう。
創設15周年を迎える今シーズン、掲げたスローガンは『Re.BOOOOST!!秋田ヲ叫べ』。秋田ノーザンハピネッツはチームを後押しする”クレイジーピンク”とともに、さらなる熱狂を巻き起こす。
◆■KEY PLAYER/PG #11 熊谷航
加入1年目の昨シーズンは49試合で先発出場を果たし、引き続き正ポイントガードを担うだろう。今季は中山とともに副キャプテンにも就任。より責任感を持ってコートに立ち、チームを勝たせるガードになれるか注目だ。
オフェンスでは新たに5選手が加わったチームをコントロールするゲームメイクはもちろん、2シーズンぶりの平均2ケタ得点をマークして厚みを加えられるか。長谷川がチームを去った今季は、前線から激しいプレッシャーディフェンスを仕掛ける“守備の切り込み隊長”としても勝利を手繰り寄せてほしい。
文=小沼克年