【B1クラブ展望/北海道】若返った布陣…攻守の精度を高め最多勝利なるか
“鉄人”と呼ばれた桜井良太は昨シーズンをもって現役を退いた。小野寺龍太郎氏がヘッドコーチに就任して2年目となる今季は若い布陣となった。
チーム最年長はシーズン中に31歳になる新戦力のテリー・アレン。今年30歳となった寺園脩斗と関野剛平が昨シーズンはダブルキャプテンを務めたが、今シーズンはドワイト・ラモスと島谷怜に引き継がれた。
2023-24シーズンは17勝43敗の東地区7位。2季連続で20勝に届かなかった。平均失点は81.9点。攻撃面では3ポイントシュート成功率がB1で2番目に低い31.2パーセントで、平均得点は75.3点。昨シーズンは65得点で勝利した試合もあれば、95得点を奪ったにも関わらず敗れた試合もあり、今シーズンは攻守両面で安定性を高めたいところ。
予想スタメンは寺園、島谷、ラモス、アレン、トーマス・ウェルシュの5名。新加入の星野京介と盛實海翔は、昨シーズンの課題である3ポイント精度を向上させる働きでオフェンスに厚みを加えたい。
最年少18歳の内藤耀悠はU22枠で選手契約を締結。世代別の日本代表にも名を連ねる期待の新星は、今季から本格的にプロとしての活動をスタートさせる。まずはフィジカルを生かしたディフェンスでチームに貢献できるか注目したい。
Bリーグ以降の最高勝利数は2017-18シーズンの26勝。まずは30勝をノルマに勝ち星を重ね、初の地区上位進出に挑む。
◆■KEY PLAYER/PG・SG #6 菊地広人
昨シーズンは特別指定選手として加入すると、終盤には先発の座を射止めた期待のルーキーだ。
178センチと上背があるわけではないが、菊地広人は思い切りの良い3ポイントでチームに勢いを注入。昨シーズンは27試合中10試合で5本以上の長距離砲を放ち、通算の成功率も33.7パーセントという数字を残した。
しつこいディフェンスやハッスルプレーも持ち味であり、寺園、島谷をはじめとするガード陣にも良い刺激を与える存在となるだろう。地元でルーキーシーズンを迎えるコンボガードが、北海道を高みへと押し上げる。
文=小沼克年