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2024.09.17

川崎ブレイブサンダースがU18所属選手のトップチーム練習参加を報告、北卓也GM「今後、ユースからトップチームに入るような選手が出てくれれば」

  • 月刊バスケットボール
Bリーグはトップチームの強化のみならず、若い世代の育成を目的にB1およびB2に所属するためのライセンス交付条件としてU15とU18のユースチーム登録を設定している(U18は現状B1ライセンスの交付条件)。各クラブはユースチームの選手をユース育成特別枠としてトップチームのロスターに組み込むこともでき、すでに多くの選手がこの制度を用いて10代の頃からBリーグの舞台を経験している。

一方で、特にU18についてはまだまだ環境整備が完全にはなされておらず、現時点では高校の部活動を引退した選手が主軸となる即席に近いチームが見られるのも事実。ライセンス条件は満たしていても、強化・育成という面でU15ほど充実しているとは言えない状況だ。


ユース・スクール関連事業の収入はBリーグトップ

そんな中で特にユース・スクール事業に力を入れているクラブの一つが川崎ブレイブサンダースだ。8月26日に行われた事業報告会では、2022-23シーズンのユース・スクール関連事業の収入がBリーグトップを記録したこと、23-24シーズンはそれが2.3億円に到達したことを発表。バスケスクール、ユース、チアスクールの合計所属人数が2200名超え(バスケスクール約2000名、ユース・クラブチーム約100名、チアスクール約100名)であるとも発表していた。

そんな川崎のU18所属選手がトップチームの練習に参加したとの報告があった。2024-25シーズンに向けたトップチームの練習が始まったのは、学生たちの夏休みが始まるのとほぼ同時期の7月下旬。U18の選手たちは昨年もこの長期休暇を利用してトップチームの練習に参加していたが、今年はその回数も参加内容も大きく変化した。

最大の変化が、個人ワークアウト以外のウエイトトレーニングやコンディション管理、ディフェンスフットワーク、対人練習、4対4、5対5のスクリメージ(練習試合)などのより実践的な練習にも参加した点。北卓也GMはユース選手たちの練習参加について手応えを感じていたようだが、今回の練習参加にあたって新任のロネン・ギンズブルグHCの存在がそれを後押ししたと語っていた。


北GMとギンズブルグHC

「ヨーロッパではユースの選手がトップチームに来ることがよくあるので、ネノコーチ(ギンズブルグHCの愛称)からも『なぜユースの選手がトップチームの練習に来ないのか』とすごく言われました。それで、ユースの選手にトップチームの練習に混ざってもらったというのもあります。これまでもワークアウトなどに参加してもらったことはあったのですが、(対人練習などの)本格的な練習に参加してもらったことはなかったので、彼らにとっても良い刺激になったと思います。僕らとしても、これまではやはりケガをされてしまうのが怖いと思っていたのですが、そこのリスクも少ないのかなと感じました。ネノコーチにユースの選手がどうだったか尋ねたところ、『あの選手は良いじゃないか』といった話もあったので、今後、ユースからトップチームに入るような選手が出てくれればいいなと思います」(北GM/ヘッドコーチ就任会見より)

クラブとしてもユース出身のフランチャイズプレーヤー輩出を一つのテーマに掲げて活動している。その意味では今回のU18選手のトップチーム参加はその実現に向けた大きな一歩とも言えるだろう。

常々ユース選手との交流に積極的な姿勢を示してきた篠山竜青も「失敗を恐れず思い切って自分のプレーをアピールしようと頑張っていたのが印象的でした。(ユースの選手たちは)日頃からしっかりトレーニングをして身体を作れているので、フィジカルコンタクトの際に僕らも特に気にせずできていたのは、去年からの成長を感じました」とクラブ公式HPを通じてコメントしている。

今後もトップチームとユースチームの交流が盛んになれば、ユース出身選手のBリーグデビューもそう遠くない未来に実現しそうだ。


篠山はユース選手の成長を肌で感じた一人