「今シーズンこそチームを勝たせるガードになりたい」…テーブス海が開幕前に決意
アルバルク東京が9月7日・8日の2日間、武蔵野の森総合スポーツプラザでプレシーズンゲームを実施。7日の広島ドラゴンフライズ戦は98-50、8日の長崎ヴェルカ戦は76-62と2連勝を果たし、10月5日の開幕戦に向けて順調な仕上がりを見せた。今シーズン、初めてファンの前でのプレーとなった2試合に満足するアルバルカーズも多かったことだろう。
2試合ともポイントガードとして先発出場を果たしたのが8月、初めてオリンピックの舞台を経験したテーブス海だ。長崎戦後、メディア対応を行ったテーブスは、「なるべく早くチームに合流したい」という本人の意向もあり、フランスから帰国後、比較的短めの休暇を挟んでトレーニングを開始。万全な状態で開幕を迎えられるようにコンディションを調整していることを明かした。
A東京で2シーズン目を迎える司令塔は、この試合で12得点6アシストのパフォーマンスを発揮。試合の入りで長崎に0-9のランを許すも、「もちろん理想ではありませんでしたが、第2クォーターから緩かったところを修正でき、それ以降はアルバルクらしいバスケができたと思います」と、冷静に試合を振り返った。
持ち前のスピードに乗ったドライブから攻撃を展開するスタイルは安定感に加え、力強さがさらに増した印象を受けた。さらにライアン・ロシターやレオナルド・メインデルといったポイントゲッターとのコンビプレーも披露。コメントどおりに順調な仕上がりを見せていて、いつ開幕しても問題ない状況にあると言えるだろう。
もちろん、目標は優勝だ。個人としてスタッツなどで特に明確な数字があるというわけではなく、とにかくチームの勝利を欲している。「僕としては優勝できいれば何でもいいと思っています。オリンピックの経験をいかして成長はしたいと思いますが、昨シーズンに学んだことを活かして、今年こそ、チームに勝たせられるガードになりたいと思っています」。テーブスにとって、キャリアのマイルストーンとなるシーズンが始まろうとしている。
5日には、今シーズンに副キャプテンに就いたことがクラブから発表された。何も聞かされないまま練習中にアドマイティスHCから告げられたということで「びっくりした」と本人は苦笑するも、「キャプテンをした経験もあまり多くないですし、あまり言葉でチームをまとめることをしたことがないので違和感はあります、ただ、期待が込められているし、責任もあると思うので、素晴らしいキャプテンのザック(バランスキー)と同じく副キャプテンを務めるライアン(ロシター)を色々見習って。いつかちゃんとキャプテンとしてチームをリードできる人になりたいと思います」と抱負を述べた。
昨シーズンはA東京で初のシーズンを過ごした。迎えた2シーズン目の開幕を前にアドマイティスHCとのやり取りにも変化があるという。「間違いなく信頼は厚くなっていると思います。昨シーズンまでなら注意されていたところはまだ怒られてないですね。ただ、アドさんはいつでも誰でも叱るべきときに叱ってくれるので、これは僕にとってはやりやすいと言えますし、怒られることを期待の表れだと受け止めています」。
HCやチームメートからの厚い信頼を得て、A東京を6シーズン振りの頂点へテーブスが導くことになる。
文=入江美紀雄