群馬クレインサンダーズ菅原暉の奮闘「タレントが多いチームでプレーするわけだから、自信を持たないとできるわけがない」
「いつまでも下っ端みたいな存在でいるつもりはない」
群馬クレインサンダーズはB1昇格以降、積極的な補強を敢行して着実にチーム力をアップさせている。そんなクラブにおいて、ルーキーから3シーズンに渡って奮闘を見せているのがポイントガードの菅原暉だ。昨シーズンはチームとしても個人としても思い描いたような結果に至らなかったが、プロ4シーズン目を迎え、あらためて前を向く菅原に話を聞いた。
――昨シーズン、チームとしては31勝29敗で東地区4位とチャンピオンシップを逃しました。振り返りをお願いします。
シーズンの前半と後半に主力選手が欠けている状況がありました。チーム全員が揃って、それぞれの役割が分かったときに良い流れが作れましたが、それがシーズンを通じて続かなかったのがCSに出られなかった要因でした。そんな中でもチームの雰囲気はとても良かったですし、キャリアの長い選手も多かったのでアドバイスをもらったり、1年間やり抜くことはできたと思います。
――昨シーズン最終戦で「悔しい思いをした」と振り返っていましたが、個人としての手応えはどうでしたか?
このタレント集団の中で、自分の強みを出し続けるのは本当に難しいです。長い時間コートに立てば(感覚を)つかめることもあるかもしれませんが、短い時間で結果を出さないといけないというのも大変でした。今シーズンも最初から長い時間プレーするのは難しいかもしれませんが、コートに立った時に結果を残してプレータイムを伸ばしていけるように頑張っていきたいと思っています。コートに立ちさえすれば、自分の役割やできることはどんどん増えてくると思いますし、いろんなことがつかめるという感触はあります。
――その難しさがあったことが、最終戦後のセレモニーで見せた涙に繋がったのでしょうか?
泣いてないです(笑)。でも、あれは(木村)圭吾のせいなんですよ。自分が挨拶する前に、圭吾が笑っていながらも「キツかった」という話をしていて、彼がずっと頑張っていたのを近くで見ていたから、それで胸にくるものがありました。自分よりも圭吾の方が苦しい状況だったことは分かっていたので。まぁ自分のことで泣いたりすることはないです。
――悔しいシーズンと言いながらも、3月の富山グラウジーズ戦では14得点4アシストといずれもシーズンハイを記録しました。うまくいく試合とそうでない試合の違いはどこにありますか?
あの試合は辻(直人)さんが出られなくて、スタメンで出場という状況でした。ただ準備してきたことをプレーとして表現するだけだと思っていたので、特に意識せずにできたという感じです。プレータイムが伸びない中、結果を残していかないといけない難しさを気にし過ぎてしまい、うまくいかなかった時もあります。
――群馬ではルーキーシーズンから4年目を迎えます。チーム内での立ち位置をどのように意識していますか?
ロスターが毎年入れ替わる中で、今シーズンは年下が(八村)阿蓮しかいない状況になりました。しっかり先輩たちから学ぶという姿勢は忘れないように常に意識しています。チームの中では若手みたいな感じに思われてしまいますが、もう26歳です。いつまでも下っ端みたいな存在でいるつもりはないですし、特にポイントガードとしてリーダーシップを取れるようになっていきたいです。今シーズンはコミュニケーションをより多く取ってやっていきます。
――チーム内でもステップアップを望まれる存在であり、ファンからの期待も高いと感じています。
僕や阿蓮がチームの核になっていかないといけないと思います。そうでなければ強いチームになっていかないですし、そこは自覚を持ってプレーしたいです。もっと思い切ってプレーしなければならないですし、コートに出ればやれると思っています。このタレントが多いチームでプレーしているわけだから、自信を持たないとできるわけがないので、しっかりと表現していきたいです。
「CSに出て、優勝すること以外はないです」
――このオフ、同ポジションの並里成選手と五十嵐圭選手が退団となりました。
なりさん(並里成)と(五十嵐)圭さんと一緒にプレーして学ぶことは多かったですし、本当に良い経験にはなりました。圭さんは僕の力を信じてくれていたので「難しいことをせずに自分で行こう」、「アタックしよう」という言葉をいつももらっていました。なりさんとはオフコートでも仲良くて、堅苦しい話はあまりしなかったですけど、僕が今まで見た中でも一番スキルのある選手だったので、どうしたらそういうプレーや身体の使い方ができるのかというのを学ばせてもらいました。2人とも本当にすごい選手でした。
――新加入では同ポジションの藤井祐眞選手、また同郷の細川一輝選手と有力な補強が行われました。
祐眞さんはトッププレーヤーと言われるすごい選手ですが、自分としてはやることは変わらないです。チームとしての役割は変わってくることがあるかもしれませんが、しっかりアジャストして、自分の役割を全うするだけです。祐眞さんからもしっかり吸収して、互いに切磋琢磨して良いチームを作っていけたらなと思っています。一輝さんとは合流した当初からよく話しますし、ワークアウトも一緒にやっていますし、今日もご飯に行ってきました。真面目なので誰とでもうまくやれる人だと思いますが、仲良くさせてもらっています。
――カイル・ミリングヘッドコーチが新たに就任しました。まだ合流前のようですが、どのようなことが求められてくるでしょうか?
昨シーズンの広島ドラゴンフライズの試合を見ていても、本当にディフェンスの完成度が高いチームという印象です。僕もディフェンスが強みの1つなので、そこを1番に頑張りたいと思っています。オフェンスでは、新しい外国籍選手や祐眞さんや一輝さんといった得点力の高い選手も入ったので、自分がしっかりコントロールすることが求められてくると思います。
――今シーズンの展望を聞かせてください。
毎年楽しみですが、今年は特に楽しみなシーズンです。毎年良いメンバーが揃ってCSに行けないのは悔しいです。まだ始動したばかりで、チームで目標について話すことはしていませんが、みんなが思っていることは一緒だと思っています。CSに出て、優勝すること以外はないです。
――年々、群馬のファンは盛り上がりを見せています。最後に応援してくださっている方に向けて、メッセージをお願いします。
本当にすごいですよね。毎年毎年、熱が上がってきていますし、観客動員数もリーグで3位となりました。ありがとうございます。皆さんの応援に、結果で恩返しできるようにやっていきたいです。今年こそCSに出て優勝を目指せるように一生懸命頑張りますので、オプアリに来て一緒に盛り上げてください。