広島がカイ・ソットの退団を発表…“選手枠問題”で期限付き移籍も横浜BCで存在感
B1リーグの広島ドラゴンフライズは5月21日、横浜ビー・コルセアーズへ期限付き移籍していたカイ・ソットとの契約が満了を迎え、今シーズン限りで退団することを発表。同日付で自由交渉選手リストに公示した。
フィリピン代表で現在22歳のソットは、220センチ105キロのセンター。昨シーズンに広島の一員としてBリーグデビューを飾ると、シーズンオフにはNBAサマーリーグに参加するなど、将来的な海外挑戦も見据えた動きを見せていた。しかし、今シーズンは腰の怪我で出遅れている間に、同ポジションの河田チリジが日本国籍を取得。アジア特別枠選手・帰化選手の1枠をチーム内で争う格好となり、昨年12月にソットが横浜BCへ期限付き移籍した。
移籍が決まった際、広島の岡崎修司ゼネラルマネージャーは、両選手が持っている特長の違いに加え、ソットが怪我を再発する可能性があった点にも言及しつつ、「少し長い目線で考えると、国外へ視野を向けているソット選手に対し、日本でのキャリアを築くモチベーションの高い河田選手を比べると、中長期の目線で一緒にプレーしていくことができる河田選手との契約を優先することとなりました」とコメント。ソットを“放出”する形になった理由を説明していた。
横浜BCへ移籍後のソットは、アシスト王に輝いた河村勇輝とのコンビネーションが光り、B1公式戦34試合の出場で12.8得点6.4リバウンド1.1ブロックをマーク。身長差48センチの凸凹ホットラインは一部ファンの間で“河村ソット”とも呼ばれ、横浜BCの貴重な得点源になった。
今回の退団発表に際して、広島の岡崎GMは「若く、可能性に満ちたソット選手のキャリアが素晴らしいものになることを祈念しております」とコメントしており、事実上では広島と再契約する可能性が消滅。今後は海外リーグに挑戦するのか、横浜BCも含む国内クラブへ移籍するのか。視線が集まるFAとなりそうだ。