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2024.05.10

B1チャンピオンシップ アルバルク東京対琉球ゴールデンキングスの見どころ――CSでは5年ぶりに実現した「伝統の一戦」

  • 月刊バスケットボール
5月10日(金)に開幕する「日本生命 B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2023-24」のクォーターファイナル、アルバルク東京対琉球ゴールデンキングスの見どころをまとめる。この日行われるGAME1は19:05にティップオフ。会場は有明コロシアムだ。GAME2は翌11日(土)、もしそこでタイになった場合のGAME3は13日(月)に、同じ有明コロシアムで19:05から行われる。

2016年9月22日、23日の両日に国立代々木競技場第一体育館で行われた、Bリーグ創設シーズンのグランドオープニングゲームで対戦して以来、両チームの直接対決は様々なドラマを提供してきた。どちらも毎シーズン好成績を残し続ける強豪で、A東京は2018年と2019年に連覇を達成、琉球は昨年悲願の初優勝を成し遂げている。しかし、ことポストシーズンでの対戦となると、これまで2019年のセミファイナルでの1度だけ。今回はそれ以来5年ぶり2回目の「伝統の一戦」ということになる(試合は最長で3戦になるかもしれないが)。



馬場雄大(現・長崎ヴェルカ)、田中大貴(現・サンロッカーズ渋谷)らを擁した当時のA東京はディフェンディング・チャンピオンだったが、レギュラーシーズン終了時点での立場はワイルドカード上位。一方の琉球は西地区王者としてチャンピオンシップに臨んでいた。しかし、2勝1敗で勝ち抜けたのはA東京で、最終的にファイナルでも千葉ジェッツを破ってみごと連覇を実現している。

今回はA東京が上位で、連覇達成を目指す琉球が下剋上を狙う。5年前とは立場が正反対だ。レギュラーシーズン中の直接対決は、2月3日、4日にA東京がホームとする国立代々木競技場第一体育館で行われ、1勝1敗のスプリットだった。どちらも大激戦で、GAME1はオーバータイムにもつれ込んだ末にA東京が91-80で先勝。翌日は、琉球が前半47-26と大量リードを奪う展開から終盤A東京の反撃をしのいで76-74で取り返している。

今シーズンのA東京は48勝12敗(勝率.800)の成績で、クラブ歴代最高勝率を記録した。かつ、1年前は最後の5試合が1勝4敗、4連敗での幕切れだったのが、今年は対照的に4勝1敗、3連勝でのプレーオフ突入であり、流れという意味では最高の状態で勝負のときを迎えている。移籍してきたばかりのテーブス海が60試合すべてにスターターとして出場し、10.7得点、4.8アシストとしっかり仕事をしたことで戦力が安定。同じく全60試合に出場した小酒部泰暉が、特にディフェンス面での貢献を強めたことも好成績の要因だ。

対して琉球は、ディフェンディング・チャンピオンとして迎えた今シーズンを、41勝19敗(勝率.683)で終えている。これは直近4シーズンで最低の成績。EASL(東アジアスーパーリーグ)への並行参戦による日程的な厳しさもある中で故障者も相次いだため、マネジメントに苦労したことも感じられる結果だ。ヴィック・ロー獲得、カール・タマヨ放出、アレックス・カーク(2018年、2019年にはA東京の一員として連覇達成に貢献していた)の帰化枠での加入などを経ながら強化を図ったが、コロナ禍でシーズン半ばに中止となった2019-20シーズン(27勝14敗、勝率.659)以来初めて勝率7割を下回り、プレーオフを迎える現段階でもチーム作りは道半ばという印象をぬぐい切れない。



フィジカリティーが共通項、ロングレンジが対照的な両チーム

しかし、レギュラーシーズンの成績が反映されないチャンピオンシップは、要は2勝すれば前進できる。本来どおりの力を発揮できれば、どちらのチームにもチャンスはある。

クォーターファイナルでA東京が本来どおりに試合を運ぶためには、リーグトップレベルのディフェンス力(平均失点70.0、ディフェンス・レーティング100.4がどちらもリーグで2番目に少ない)を発揮することが第一だろう。その上で、直接対決GAME1で31得点、2試合平均24.5得点を記録したセバスチャン・サイズや、2試合で14.0得点と12.0リバウンドのアベレージを残したライアン・ロシターらが、テーブスをはじめとしたプレーメイカーのリードで土台となる活躍をすることが必須だ。

ライアン・ロシターのオールラウンドな活躍はアルバルク東京の土台だ(写真/©B.LEAGUE)

琉球側は強みのリバウンド力(直接対決GAME1で43-38、GAME2も43-34で上回った)と、アウェイの圧を吹き飛ばすハッスルが何より必要だろう。ジャック・クーリーらに加えガード陣まで全員がどれだけ食らいつけるか。また、3Pショットも勝負を左右する要素だ。GAME2では岸本隆一が4本決め力となった。一方、エースの今村佳太は2試合で14本中成功2本(成功率14.3%)。得点も平均6.でシーズンアベレージ(3P成功率32.2%、平均13.4得点)を大幅に下回った。クォーターファイナルではリベンジを誓っていることだろう。

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レギュラーシーズン中にはたびたび試合の終盤に勝利を引き寄せる3Pショットをさく裂させた岸本隆一。大事なクォーターファイナルで本領を発揮できるか注目だ(写真/©B.LEAGUE)

レギュラーシーズン中の両チームは、高いフィジカリティーを武器とする点では共通しており、平均得点でもA東京が81.3、琉球が82.6とさほど大きな差はなかった。しかし3Pショットの出来がパフォーマンスに及ぼす影響という点では、A東京(平均22.9本のアテンプトで7.8本成功)に比べて琉球(平均28.4本のアテンプトで9.6本の成功)の方がかなり大きい。A東京のリーグトップレベルのディフェンスが琉球の長距離砲を封じるか、あるいは東京湾に琉球がレインボースリーの雨を降らせるか。そのような視点も、このシリーズを楽しむ上で注目ポイントになりそうだ。

アルバルク東京対琉球ゴールデンキングス戦ライブスタッツ(Bリーグ公式サイト)