痛恨の3連敗を喫した琉球ゴールデンキングス、ジャック・クーリーが語る常勝チームの矜持「負けた試合でグッドゲームはないんだ」
「今日の自分のディフェンスは受け入れられないものだった」
琉球ゴールデンキングスは4月27日、28日に行われたアウェーでの名古屋ダイヤドルフィンズ戦で痛恨の連敗を喫した。1試合でも勝てば7シーズン連続の地区優勝となるところだったが、逆に残り2試合で1ゲーム差と肉薄された。そして週末のレギュラーシーズン最終節は、ワイルドカードでのチャンピオンシップ(CS)進出に向け調子を上げているアウェーでの広島ドラコンズ戦と、地区優勝とCSクォーターファイナルのホーム開催へ予断を許さない状況となった。
第1戦は77-83で敗れた。スコアだけを見れば接戦だが、これは試合終盤における捨て身のトラップディフェンスがハマったことが大きく、内容的には点差以上の差があった。そして第2戦も僅差の展開ではあったが、立ち上がりで0-6と先手を取られるなど、試合の大半で名古屋Dに主導権を握られての敗戦(79-86)だった。
攻守に渡って文字通り琉球のゴール下を支えるジャック・クーリーは、第2戦で13得点に加え10オフェンスリバウンドを含む16リバウンド2ブロックと奮闘。「僕たちはハードに戦い、昨日よりも良いプレーだった。ただ、オフェンス、ディフェンスで何回かミスをしてしまった」と振り返り、さらに自身のプレーについても反省しきりだった。
「スタッツ的には良かったかもしれない。ただ、今日の自分のディフェンスは受け入れられないものだった。何故なら試合に負けているからね。僕はもっと良いディフェンスができた。チームを助けるためにいろいろと改善しないといけないところがある」
このようにクーリーが語るのは、チームの大黒柱として勝敗の責任を自分が負うべきという覚悟を持っているからだ。「僕は常に矛先を自分に向けていて、いつも自分はチームを勝利に導いていくべき選手だと思っている。だからこそ守備をもっと良くしないといけない。そして、自分にはそれができる。来週、完璧なプレーをしてプレーオフに向かいたい。コーチングスタッフは僕のことを本当に信頼してくれているし、システムも機能していた。僕たちはもっと結束を強めオフェンス、ディフェンスともにもっとアグレッシブになる。そして、自分がチームを引っ張っていきたい」
「チームとして40分間戦っていく、キングス本来のバスケットボールを取り戻すだけ」
圧倒的なフィジカルを誇るリーグ随一のセンターであるクーリーだが、それ故に相手はガードと対峙させてのスピードのミスマッチを突く状況を作り出してくる。特に今シーズンはその場面が増えているが、クーリーはこの重圧にも正面から向き合う。「昨シーズン、今シーズンと自分のフットワークはとても良くなっている。ガードとの1対1で守ることができると思っているし、もっと改善することができる。ガードに対して、どのように守備をすればいいのかは分かっているつもりだ」
引き続き琉球は西地区首位に立っているが、名古屋Dとは1ゲーム差かつ、直接対決の成績で劣るため、同率となった場合は順位が下となる。一方で5月4日、5日の広島戦に連勝すれば名古屋Dの勝敗に関係なく地区優勝となる。だからこそ、クーリーは次のように語る。「チームの運命は自分たちでコントロールできる。チームが一つになって、落ち着いてスマートに戦う。そして、他のことは気にせず、自分たちのことに集中するだけだ」
また、クーリーはシンプルにこれ以上の負けを受け入れることはできないと強調する。「僕は試合に負けてハッピーになったことはこれまで一度もない。負けた試合でグッドゲームはないんだ。個々がそれぞれ努力して、ステップアップしていくしかない」
そして広島戦に向けてこう締めくくった。「チームとして40分間戦っていく。キングス本来のバスケットボールを取り戻すだけで、僕たちにはそれができることを分かっている。一つになることができれば、すべてはOKだ。広島は素晴らしいチームであり、彼らと対戦できるのが楽しみだよ」
クーリーに加え桶谷ヘッドコーチも、立て直しには「チームメートをいかに信頼してプレーできるかに尽きます」と言う。週末の広島戦で、持ち前の結束力と最後まで我慢を続けられる琉球本来の姿を取り戻せるのか。リーグ連覇に向け、今シーズンの真価が問われる大きな別れ道を迎えている。