【見どころコラム】堅守を武器に千葉ジェッツ撃破を目論むアルバルク東京、安藤周人は「1対1のディフェンスがキー」
CSを見据えて積極的なシュートトライを自身のテーマに
4月14日、アルバルク東京は第32節の茨城ロボッツ戦で連勝を飾り、これで連勝を4に伸ばした。すでにチャンピオンシップ(CS)進出を決めている2位のA東京だが、東地区優勝も視野に入れた追い上げを見せている。
4連勝の要因となっているのは、なんと言ってもディフェンス面の安定だろう。直近4試合の失点数は67、65、68、61。いずれも70点以下に抑えている。A東京のデイニアス・アドマイティスヘッドコーチが茨城戦後の会見で言及したのも、やはりこの点だった。
「昨日は65点、今日は67点を茨城に取られましたが、数字的にも60点台で抑えられたことが非常に良かった。ディフェンスが機能していたと感じています」
強固なディフェンス力を誇るA東京を攻略すべく、対戦相手もあの手この手で挑んでくる。実際、14日の茨城戦では、前日とは出方を変更した相手のオフェンスに対して後手に回った。果敢な1対1を挑まれ、ヘルプディフェンスをするとアウトサイドを使われるリズムに手を焼き、序盤はリードを許している。それでもインサイドでの粘り強さを見せるなど、チームとしての対応力を発揮。アドマイティスヘッドコーチはかこのように修正策を振り返る。
「まず1対1のディフェンスのミスから周りがオーバーヘルプをしてしまって、外が完全に空いたケースがありました。1対1のディフェンスで簡単に抜かれないこと。不必要なヘルプをし過ぎていたので、オーバーヘルプをしないこと。しっかりと詰めてからシュートチェックに入ることを修正しました」
慌てず、騒がず、たじろがず。個としても組織としても、確固たるディフェンス力でゲームをリカバーし、後半からはいつものA東京のゲームに持ち込み、手堅く勝ち切った。
指揮官の掲げるディフェンスに関して、「抑えるべきところはそれぞれが分かっていると思います。チームディフェンスは浸透できている」と選手間での手応えを口にしたのが安藤周人だ。
この日はスターターとして出場し、ディフェンスで持ち味を出しながら、3ポイント4本を含む14得点を記録した。特筆すべきは放った3Pが13本もあったこと。チームはオフェンスリバウンドにも強みがあるからこそ、思い切ったシュートが打てる。安藤自身、目の前の試合の結果にこだわりつつも、CSを見据えて積極的なシュートトライを自身のテーマにしていると明かす。
「ここ数試合はかなり(3Pの)本数を打っていますが、良くないというのが本音です。ただCSが決まってからは、積極的に数を打とうかなと思っています。あとは確率良く決められるか。いかにチームを勝たせることができるか。それはチームから求められているところでもあります。チームをまとめつつ、勝たせられるように。試合の中での感覚をもっと研ぎ澄ましていきたい」
CS進出が決まっているからこそ、感覚をより研ぎ澄ますための試みも可能となっていると言える。もちろん、直近のレギュラーシーズンを無駄にするつもりも毛頭ない。4月17日にはホームで東地区3位の千葉ジェッツ、4月20日と21日にはリーグ首位の宇都宮ブレックスら難敵との直接対決が控えている。すべて勝ち続けていけば、逆転優勝も不可能ではない。
次の対戦相手である千葉には1勝2敗と黒星が先行している。富樫勇樹を筆頭に、多彩な攻めを繰り出す相手を乗らせると押し切られてしまう展開もあり得るだけに、チームだけではなく各個人のディフェンスの重要性を強調した。「最後は個のところ、1対1が大事になってくると思います。千葉Jは能力の高い選手が多いので、特に1対1のディフェンスはキーになると思います」
あとは、いかにそれを選手個人で遂行し続けられるか。優勝するために求められるメンタリティーについて尋ねると、安藤は明確に言い切った。「勝ち続けることです。負けたとしても、残り試合が少ないので引きずることなく、次の試合に向けて準備する。CSならば、2連敗しない。そこは大事になってくるのかなと思います」
安藤は強いメンタリティーと強固なディフェンスを機能させ、レギュラーシーズン終盤を戦い抜いていく。