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2024.03.03

宇都宮がSR渋谷に価値ある連勝、長距離砲爆発の竹内公輔「2、3本外しても気にしないでやろうと思っていたら、入ってくれました」

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竹内公輔

佐々HC「3ポイントのところで公輔が引っ張ってくれました」

3月3日、宇都宮ブレックスはホームでサンロッカーズ渋谷と対戦。比江島慎、DJ・ニュービルの2枚看板が揃ってファウルトラブルに苦しむ中、総合力の高さで宇都宮が77-70と競り勝ち、同一カード連勝を達成した。

試合の立ち上がり、宇都宮は竹内公輔の2本連続3ポイントシュート成功など、ビッグマンが外角シュートを効果的に沈めて優位に立つ。それでも、SR渋谷もアンソニー・クレモンズが第1クォーターだけで3本の3ポイントシュートを成功させて応戦。このまま宇都宮の39-36と互角の展開でハーフタイムを迎えた。

後半に入ると宇都宮は竹内、ニュービルの連続3ポイントシュートで突き放しにかかる。SR渋谷も粘って食い下がるが、宇都宮はニュービールのブザービーターで3ポゼッション差を維持して第3クォーターを終える。勝負の第4クォーター、宇都宮は比江島のドライブを起点に、アイザック・フォトゥがゴール下で確実に決めて主導権を握り続ける。そして残り2分、比江島がリードを12点に広げる3ポイントシュートを沈めて試合を決めた。。

この試合で勝敗を分けた大きなポイントは3ポイントシュートだった。SR渋谷が23本中7本成功の成功率30.4%だったのに対し、宇都宮は32本中15本成功の成功率46.9%。そして、宇都宮の長距離砲爆発の火付け役となったのは、佐々宜央ヘッドコーチが、「3ポイントのところで公輔が引っ張ってくれました」と称える竹内だった。第1クォーターの連続成功を含め放った3本すべての3ポイントシュートを成功させ11得点をマーク。また、グラント・ジェレットのコンディション不良による欠場もあって26分21秒のプレータイムの中、堅実なディフェンスを続け、攻守ともに見事な活躍だった。

SR渋谷はチャンピオンシップの最後の出場枠となるワイルドカード2位を争う位置におり、今節も必勝体制で臨んできた。その相手にしっかり2連勝できたことの手応えを竹内はこう語る。

「チャンピオンシップのような雰囲気の中、ホームでしっかり2連勝できたのは良かったです。SR渋谷は終始、激しいディフェンスで来ました。昨日の前半はそれに受けてしまって良いバスケができませんでした。ただ、昨日の後半と今日を合わせた60分間は相手のやりたいことにアジャストできました。これはシーズン序盤と比べて成長している部分だと思います」

そして、爆発した自身の3ポイントシュートについては、強気で打ち切ったことが良い結果をもたらしたと振り返る。「昨日はシュートを打つのをちょっと躊躇していた部分がありました。それでコーチ陣にビデオを見せてもらって、『シュートを打っていけ、ここは打つタイミング』と言われていました。今日は自分の中で最初の2本、3本を外しても気にしないでやろうと思っていたら、最初に入ってくれました。これでメンタル的にすごく良い状態のまま、1試合を通して戦えたと思います」

竹内公輔

8年間一緒にプレーしたギブスについて「本当に兄弟みたいな存在です」

また、オフェンス面のように目立つことはなかったが、この試合での竹内はディフェンス面でも見事な働きを見せた。ジェレットの欠場でインサイドの駒が不足している中、主力としてコートに立ち続けたがファウルは試合終了間際のわずか1つのみ。Bリーグにおいて、日本人ビッグマンが外国籍にマッチアップするとすぐにファウルしてしまう場面を多く見るが、竹内にそういった脆さはない。

「ある程度、タフショットを打たせて決められたら仕方ないと割り切っている部分はあります」と語る竹内は、次のように相手やチーム状況に応じてスタイルを変えられる柔軟性を持っている。「相手ビッグマンのフリースローの確率も頭に入れています。得意でない選手だったらファウルを使ってディフェンスをしますが、今日マッチアップしたビッグマン3人(ジョシュ・ホーキンソン、ライアン・ケリー、ジェフ・ギブス)はみんなフリースローがうまくて、ファウルで止める意味がないので避けた部分はありました」

「今、グラントがいなくて、ギャビン(エドワーズ)も故障から復帰してブランクが多少あります。自分がファウルトラブルになるとチームとして厳しくなるので、ある程度、ファウルをしないようにと考えてこの2試合はプレーしていました。逆にギャビンがケガをする前は、プレータイムがそんなに多くなかったので、そういう時はファウルを使ってディフェンスしようと切り替える部分は持っています」

竹内とSR渋谷のギブスはNBL時代のトヨタ自動車、そしてBリーグでの宇都宮と、長きに渡って共にプレーしてきた間柄だ。そのため「外国籍選手で8年間も一緒にプレーしていたので、本当に兄弟みたいな存在です」と、竹内は言う。

そして、188cmとインサイドの選手としてはサイズ不足の中、長いリーチと傑出したフィジカルで、43歳ながらも変わらずパワー満点のプレーを見せた盟友の姿は大きな刺激になったと明かす。「彼が敵として戦うのはちょっと変というか、不思議な感覚はありました。でも試合前、久しぶりに話したら何も変わっていなかったです。あの身長でとんでもないプレーをするのは昔のままで、相手チームながら『やっぱりジェフはすごいわ』と昨日からずっと思っていました」

ただ、ギブスに感嘆する竹内と同じく、多くのバスケットボールファンは38歳にしてリーグ屈指の日本人ビッグマンとして活躍する竹内のプレーに敬意を払ったことだろう。今節を終え、宇都宮は東地区首位に浮上したが、この快進撃は縁の下の力持ちとしての竹内の貢献があったからこそ。あらためてそれを証明する2試合になった。