三河と複数年契約を結んだエース・西田優大…古豪復活へ向けて「今年こそ結果を残したい」
◆大きな期待と責任を背負っての複数年契約
3月2日、各地でB1リーグ第24節が開催され、シーホース三河は大阪エヴェッサ戦後に西田優大の複数年契約についての記者会見を実施した。
2月26日に三河との2024-25シーズンの選手契約継続および、2025-26シーズンを含めた複数年契約に双方合意したことが発表された西田。寺部康弘代表取締役社長、佐古賢一シニアプロデューサーが同席のもと、会見に臨んだ西田は、「今シーズンから新体制になった中で自分自身の成長を感じていますし、この体制のもとで、もっともっと成長したいという思いが契約の決め手です」と契約締結に至った経緯を語った。
「日本を代表する選手で、まだまだ成長の可能性を秘めている」、「中心選手としてチームを優勝に導いてくれるであろう期待を込めている」と、寺部社長と佐古氏から評価を受ける西田は、過去2シーズン、チャンピオンシップ(CS)に出場できていない状況について「寺部社長・佐古さんからもあったように古豪復活。まずはCSに出ることが今の目標」と語る。
さらに、「CSへ出ることが僕たちのゴールではない」と付け加え、「シーズン終盤ではありますが、そこ(CS)で結果を残せるチームとしてはまだ完成しきっていないので、フォーカスしながらやっていけたらと思っています」と現在のチーム状況についても語った。
このタイミングでの発表に至った理由には、今夏のオフシーズンはパリオリンピックに集中したいという西田の思いもあったようだ。「昨年のワールドカップを経て自分の課題も見つかり、良くも悪くも自分の立ち位置を知れた大会でした。ライアン・リッチマンヘッドコーチも自分の目標・課題克服に対して非常に協力的で、自身の成長に必ずつながるなと強く感じました」。
実に28年もの間チームを率いた鈴木貴美一氏が指揮官から退任し、NBAのワシントン・ウィザーズでアシスタントコーチなどの経験を積んだリッチマンHCを今シーズンより招へいした三河。新指揮官に信頼を寄せる西田だが、「ルーキーシーズンに貴美一さんは多くのプレータイムを与えてくださり、すごく伸び伸びとプレーできたことで自分の強みを知れた部分があり、とても感謝しています」と、鈴木前HCについての思いも語った。
◆古豪復活に必要不可欠なエースとしての成長
「今まではチーム最年少で、がむしゃらに先輩についていきながら伸び伸びプレーさせてもらっていた部分があったのですが、ニモ(正義)選手や、弟(西田公陽)が入ってきたことによって、これまで以上にチームを引っ張っていく意識が芽生えてきたと感じています」
そう語った西田に対して、現役時代はアイシンシーホース(現三河)でも長年プレーし、日本代表としても活躍した佐古氏は、「代表活動では周りにいいお手本もいますし、自分のスキルをどんどん上げていく期間になると思います。その中でチームに必ず持って帰ってきてもらいたいのは“リーダーシップ”の1つだけですね。リーダーシップは絶対に日本代表で養えるものですし、最後に選ばれる段階でも求められる資質です。ここを西田選手がしっかり持って帰ってきて、中心的な選手として頑張ってもらいたい」と、レジェンドらしいアドバイスを送った。
大先輩のコメントについて西田は、「チームを引っ張っていく存在として、そこは必要な資質だと思いますし、シーホースでも日本代表でも先輩である佐古さんの言うことを聞いていれば大丈夫だろうと思います」と敬意を示しつつ笑顔で語った。
「僕自身が田舎出身なので、都会過ぎず、すごく住みやすいなと思っています。仲良くしてくださる近くのご飯屋さんや温泉施設も何個もあるので、とても過ごしやすくて、あと何年でもいられるなと」
三河地域への思いも語った西田は「今年こそは結果を残したい」と力強く語り、「ここ最近バスケットが盛り上がっている中で、愛知から、三河から引き続きバスケットを盛り上げることができるとも思っています。ぜひファンの皆さんにもついて来ていただいて、一緒にどんどん盛り上げていただけたらうれしいです」とファンへメッセージを送った。
今季より古豪復活を目指して新体制となった三河。今月13日に25歳の誕生日を迎える西田が、エースとしてどのような成長をしていくのか注目だ。