SR渋谷のルカ・パヴィチェヴィッチHC、自力CS進出の可能性を残しスパートへ「困難にぶち当たったが、まだ生き残っている」
オールスター明けは6勝5敗「ひどい状況を乗り越えた」
サンロッカーズ渋谷がチャンピオンシップ(CS)出場への巻き返しを期している。今季招聘されたルカ・パヴィチェヴィッチはオールスター明けの11試合を6勝5敗で勝ち越した選手、チームを評価。現在中地区3位からCS出場、そしてB1初制覇を目指して、立て直しを図っている。
バイウィーク前の第23節島根戦(2月10、11日)は、つかみかけていたカード2連勝を逃した悔しさが指揮官の表情ににじんでいた。田中大貴、ライアン・ケリーを欠きながらロースコアゲームに持ち込み、第1戦を68-63で先勝したものの、第2戦は10点をリードしながら60-66で逆転負けを喫した。主力のプレータイムが伸び、終盤で余力が残っていなかった。ルカヘッドコーチは言う。
「第2戦は私たちの遂行力が落ちてしまった。アウェーだったこともあるけど、思い描くバスケットのレベルを40分間維持できなかった」
アルバルク東京でリーグ連覇を達成した名将はシーズンを4期に分けてとらえ、現段階は「3フェーズ目を終えた段階」という。ビッグマンのジェームズ・マイケル・マカドゥ不在のまま迎えた開幕から第8節(11月11、12日)までの第1フェーズは、緻密かつ規律の取れたチームバスケットの浸透に時間を要し、2度の4連敗を含む4勝10敗だった。指揮官は「ものすごくひどいスタートを切って難しいシーズンになった」と振り返る。
オールスター前の第15節までの第2フェーズは11勝3敗と盛り返した。続くオールスター明けの第3フェーズは11試合を6勝5敗で終えた。ジョシュ・ホーキンソン、田中、ケリーが相次いで欠場し、勝ち星を伸ばせなかった。特に田中が欠場した直近5試合は2勝3敗に終わった。ここまで全39試合で先発出場している選手はベンドラメ礼生のみ。1試合平均75.9点はリーグ17位に留まっているが、持ち味の守備力を生かしてロースコアに持ち込みながら、白星を拾ってきた。
ルカヘッドコーチは受難のシーズンを「ここまで困難にぶち当たり、50%以上の問題があったが、全力で問題解決に取り組んできた」という独特の表現で総括した。「ここまでタフに戦った選手たちをしっかり評価したい。あきらめず、みんなが仕事をしっかりしてくれてここまで来ている。第3フェーズもひどい状況だったが、乗り越えたのは頑張った証。何とか生き残っている」
バイウィーク明け、第24節(3月2、3日)の宇都宮ブレックス戦からを「ラストフェーズ」と位置づけ「これからの戦いが重要。上に行けるチャンスは十分にある」とうなづいた。中地区2位のシーホース三河とは4ゲーム差。ワイルドカード争いは島根スサノオマジックと1ゲーム差にいる。自力でのCS進出へ向けスパートをかける。