新Bリーグのドラフトは26年1月に初開催へ…サラリーキャップに特例“スター選手条項”導入
2月28日、Bリーグは2年後の2026-27シーズンから始まる新Bリーグ(Bプレミア、Bワン、Bネクスト)で導入する「制度設計」に関する発表会見を実施。島田慎二チェアマンがサラリーキャップやオンザコート、ドラフトについての決定事項と方針を説明した。
Bリーグは2026-27シーズンから大幅な構造改革を敢行する予定で、現行の競技成績による昇降格制を廃止すると決定。2026年以降は事業規模などに応じてBプレミア、Bワン、Bネクストの3ディビション制に移行していくことが発表されている。
今回新たに発表されたのは、かねてより「6つの制度設計」として公表されていた新Bリーグで注目される「サラリーキャップ」「登録・ロスター・オンザコート」「選手流動性」「ドラフト」「カーディング」「ポストシーズン」の決定事項と方針について。
戦力均衡策とされている「サラリーキャップ」は、Bプレミアでキャップ(最高値)8億円、フロア(最低値)5億円と設定され、高額な報酬を受ける選手を“1.5億円”で計上する「スター選手条項」を導入することも決定。Bワンの本ライセンス取得クラブはキャップ4億円、フロア1.5億円とし、同仮ライセンス取得クラブはキャップ4億円、フロア1億円と、それぞれ決まった。
また、NBAや日本プロ野球の一大イベントでもある「ドラフト」については、2026年から毎年1月にウェバー指名方式で最低2巡目まで実施することが決定。国内の学生のみならず、海外の大学に在学中の選手、NBAを除く海外リーグで2年以内プレーした若手選手も対象となり、それぞれ契約は3年保証(3年契約or2年+プレイヤーオプション)となる。初回の指名順決定方法は検討中だが、2027年からはチーム成績に応じた指名順抽選を行ったうえでドラフトが開催されるという。
会見に出席した島田チェアマンは、Bプレミアのサラリーキャップ8億円というライン設定について、「いまのトップオブトップのクラブも許容できる範囲だと思う。これから余力が出てくるクラブも出てくると思うので、その後はコントロールしていこうと思います」と、状況に応じて変更していくと説明。また、スター選手条項については、「一部スーパースターがとれるようなチームが出てきたときにそれを咎めることがないように作った。ラグジュアリータックス(贅沢税)も考えたけど、こういう方法を考えました」と話した。
この日に発表された6つの制度設計の概要は以下の通り。
■サラリーキャップ
Bプレミアではキャップ8億円、フロア5億円。Bワンではキャップ4億円、フロア1.5億円と設定。特例条項として、登録選手のうち1名が報酬1.5億円以上でも“1.5億円”として計上する「スター選手条項」を導入。違反した場合は除名やシーズン活動停止などの厳罰を検討とのこと。
■登録・ロスター・オンザコート
選手登録人数を13名から14名へ増加。オンザコートフリーとすることが決定。登録およびエントリーにおける外国籍選手3名、帰化&アジア枠1名の上限は変わらないため“実質オンザコート4”となる。特別指定やユース育成枠等については今後検討。
■選手流動性
登録14名のうち最大2名を対象に「育成契約制度(仮称)」を導入。Bプレミアにおいては短期契約を導入するほか、期限付き移籍の期間も1カ月から2週間に短縮。より柔軟に移籍が行われるルールを導入し、同一シーズン中でも同一クラブの再登録も可能にする。
■ドラフト
国外も含む高校卒、大学在学中、大学卒の事前申請した選手を対象に、2026年から毎年1月にドラフトを開催。練習環境の保証などの諸条件をクリアしたクラブが参加し、1巡目から2巡目までウェバー指名制で、3巡目以降は指名がなくなるまで続行。ユース選手は優先交渉し、決裂した場合にドラフトへ。契約は3年保証(3年契約or2年+プレイヤーオプション)とし、高卒1巡目3年契約で契約金含め総額4200万円。A代表あるいは海外リーグでの経験がある若手は、条件付きでスペシャル枠として3年契約同3億円。NBAで3年以上プレーしている八村塁や渡邊雄太のような選手はドラフト対象選手にならない。
■カーディング
昨夏発表より変更なし。Bプレミアはレギュラーシーズン60試合のリーグ戦で、週末同一開催28試合、週分散単一開催32試合を実施。BワンとBネクストに関しては、クラブ数等が決定次第、最終議論する予定。
■ポストシーズン(PS)
昨夏発表より変更なし。Bプレミアは8クラブがPSに進出し、セミファイナルまで1日おきの3試合想定で2戦先勝方式。同ファイナルはホーム&アウェーの3戦先勝方式となる。試合開催の間隔は今後決定へ。Bワンに関しては16クラブで2戦先勝。