【Bリーグ】齋藤拓実へショートインタビュー「リーグのレベルが上がったことはすごく楽しい」
1月12~14日の3日間にわたって開催された「B.LEAGUE ALL-STAR GAME WEEKEND 2024 IN OKINAWA」。2日目の「3 POINT CONTEST」とメインイベントのオールスターゲーム本戦にB.BLACKの一員として出場した齋藤拓実(名古屋ダイヤモンドドルフィンズ)へのショートインタビューを実施した。
※取材は1月14日(オールスターゲーム本戦前)、情報は同時点
──2021年のオールスター(沖縄開催予定/中止)では、ライジングスターの一員として選出されていました。今回は同じ沖縄開催で、本戦への選出です。イベントは楽しめていますか?
本戦かライジングスターかはあまり気にしていませんが、たくさんの方にご投票いただいた上での本戦出場だったので、それはすごくありがたいことです。リーグとしても3日間開催のオールスターウィークエンドは初めてなので、僕自身もたくさんのイベントに参加させていただいていて、目一杯楽しめていますね。
名古屋だったらこの時期はめちゃくちゃ寒いじゃないですか。でも、沖縄は暖かくて、天気もすごく良い中で快適に過ごすことができています。オフの時間は食事はもちろん、コーヒーを飲みながらゆっくり過ごしたり、リラックスした時間を過ごさせてもらっています。他のチームの選手にも会えてたくさん話もできるので、良いリフレッシュの機会になっていますね。
──シーズンも約半分を消化しました。名古屋Dでは同じPGの伊藤達哉選手とタイムシェアをしながらの戦いになります。連係や役割のシェアはいかがですか?
3年間一緒にやっているので、変わらずにうまくやれていると思います。同じポジションなので同じタイミングで出る機会は少ないですが、これまでと変わらず役割を分けながら戦えているのかなと。クラブとしては、今季は外国籍選手が変わったことでまだ噛み合い切れていない部分があります。ゲームをクリエイトしていくポジションの身としては、オフェンスでもっと自分が点を取ったり、ボールを散らしてアシストを増やしていかなければならないと感じています。年々、責任感は大きくなっていっているかなと思います。
──今季で名古屋D在籍4シーズン目を戦っています。その中で役割の変化は感じていますか? また、名古屋という街への愛着もあるのではないですか?
そこはあまり感じていませんね。というのもメンバー自体がそこまで大きく変わっていないので、僕が加入したときから年齢層がそのままスライドして上がっていったという感覚です。
名古屋という街は美味しいご飯が食べられる場所もたくさんあるし、買い物にも困りません。地理的にも関西と関東の真ん中にあるので、いろいろな場所へのアクセスもいいですし、個人的にはすごく住みやすいなと思いますね。
──リーグ全体として今季は特にガード中心のチームが目立ちます。B1の平均得点トップ3全員が日本人ポイントガード(ランキング順に河村勇輝、富樫勇樹、安藤誓哉)でもあります。ガード陣のレベルアップについて、齋藤選手はどう感じていますか?
本当にすごくレベルが高くなっていると感じています。得点ランキングのトップ3が日本人選手ということ自体がなかなかないことですし、ガードのレベルアップはすごく感じますね。ただ、そこに僕が割り込んでいきたいという思いはなくて、それぞれにチーム内での仕事がある中でそういうスタッツが残っていると思っています。だからこそ、そこは意識し過ぎずにやっています。僕には僕の仕事があるので役割は異なってきますから。とはいっても、トップ3の河村選手、富樫選手、安藤選手は仲良くしている選手たちでもあるので、お互いに刺激し合いながらポイントガード同士の切磋琢磨はもちろん、ほかのポジションも含めて競争していきたいですね。
──同時にハイレベルな外国籍選手も増え、プレーの難易度も年々高まっていると思います。その中で活躍するために磨いているスキル、あるいはメンタル的な意識はどんなものがありますか?
それはすごく感じていることですが、だからといって自分のプレースタイルを大きく変えようと思ったり、あるいはこの数年で変わったということはないですね。今までと変わらずに、目の前で起こったプレーに対して反応して状況判断していくことが大切だと考えています。リーグのレベルが上がったことは個人的にすごく楽しいと感じている部分です。これまで磨いてきたスキルのレベルをもっともっと上げなければいけない。今はそう考えていますね。
──オールスターのユニフォームはアディダスがサポートしています。齋藤選手個人としてもアディダスからサポートを受けられていますよね?
そうですね。アルバルク東京に所属していた頃からサポートしていただいているので、自分にとってはすごく大切な存在です。僕がより活躍すればアディダスのことももっと知ってもらえるので、いつももっと頑張らなきゃなと思わせてくれますね。
──A東京で優勝した2019年にはザックバランスキー選手や安藤誓哉選手たちと一緒におそろいのゴールドのシューズでセレモニーに臨んでいましたね。
そうでしたね。優勝したらハーデンのゴールドモデルを履こうとアディダスの担当者さんとも話をしていて、試合中はほかのモデルを履いていたのですがセレモニーのときだけゴールドのおそろいのモデルに変えたんです。よく覚えていますね(笑)。
──昨年の「FIBAバスケットボールワールドカップ2023アジア地区予選」では日本代表として3試合に出場しました。改めて日本代表への思いはどう考えていますか?
日本代表に呼んでいただけて、チャンスがあればもちろん狙っていきたいです。ですが、その前にまずは名古屋Dでリーグ優勝したいという思いが強いので、クラブでの成果を挙げた次の目標として日本代表があるという感覚です。
──オールスター前の時点で、名古屋Dは平均得点リーグ7位の一方で、平均ターンオーバー数がリーグで最も多くなってしまっています。リーグ戦の後半戦はチームとして、個人として何を課題に戦っていきたいですか?
やはり、先ほども話したようにまだチームとしてフィットし切っていない部分があるので、だからこそ、チームとしても個人としてもより状況判断をしっかりして戦っていかなければならないと感じています。後半のテーマはずばり「状況判断」ですね。
──齋藤選手個人としては今年で29歳を迎えます。選手として、そして一人の社会人としての今後の目標や展望を教えてください。
チーム内ではまだ下から数えた方が早い年齢ではあります。ただ、年齢が上がるにつれて責任感が大きくなってきているのは感じているので、常に自分にベクトルを向けてチームのためにどうするべきなのか、自分のためにどうするべきなのかを考えるようになりましたし、もっとそうしていきたいです。加えて、コート外でもチームのケミストリーを高めるために何が必要なのかを、選手、コーチとさらにコミュニケーションを取りながら戦っていきたいです。
気付いたらもう30歳手前ですから(笑)。バスケをしている子どもたちに『小さくてもできるんだ』と思ってもらえたり、自信を持ってもらえたり。年明けには能登半島地震もあったので、今後もバスケットボールを通じて子どもたちや被災された方々に元気を与えられるような選手・人間でありたいです。