「バスケの楽しみ方は無限」Bオールスター直前に競技の垣根超えたタッグプレー
◆■「ここは日本ですか…」初の沖縄アリーナに感激
1月14日、Bリーグの年に一度の祭典「B.LEAGUE ALL-STAR GAME WEEKEND 2024 IN OKINAWA」が開催された沖縄アリーナで「ALL BASKETBALL ACTION supported by 日本生命」が実施された。
「ALL BASKETBALL ACTION」とは、日本生命と日本バスケットボール協会、日本車いすバスケットボール連盟の3者が“バスケットボール界全体で日本を元気にしていく”を理念に掲げて、イベントを実施する取り組み。今回はオールスターゲーム直前のコート上で、3x3女子の桂葵(デュッセルドルフZOOS)と5人制男子の篠山竜青(川崎ブレイブサンダース)、車いす男子の堀内翔太(伊丹スーパーフェニックス)と5人制男子の安藤誓哉(島根スサノオマジック)がペアを組み、ツーメン・シュートを決めるタイムトライアルが繰り広げられた。
先攻の桂と篠山は、スタート直前に「ダッシュしよう」と言葉をかわし、猛スピードでパス交換。桂の華麗なレイアップから、篠山の3ポイントまでハイペースなプレーで客席を沸かせると、後攻の堀内と安藤は2人ともノーミスでシュートを成功。タイムは桂&篠山ペアに軍配が上がったものの、最後は安藤が沖縄アリーナ名物の“ココナッツスリー”を決めファンを魅了した。
今回Bリーグの舞台に立った桂と堀内は、いずれも世界で戦ってきた経験がある各カテゴリーのトップ選手だが、2人とも沖縄アリーナでプレーしたのは初めて。堀内は「ここは日本ですか…みたいな感じでした(笑)。異世界に来たというか、日本じゃないところに来た感覚でした」と夢見心地。桂も「鳥肌が立っています。レイアップだけで緊張しました」と笑顔で振り返り、「Bリーグの選手たちはこの舞台で当たり前に試合をしているんだなと思うと、改めてリスペクトが生まれましたし、すごく刺激になりました」と率直な思いを口にした。
「ALL BASKETBALL ACTION」は、競技カテゴリーの垣根を超えて“バスケットボール界全体で日本を元気にしていく”という理念を掲げているが、参加している選手たちにとっても、他カテゴリーの魅力を知るきっかけになっているようだ。車いすバスケの堀内とタッグを組んだ安藤は、「初めて車いすバスケの選手とツーメンやったんですけど、速すぎて…。ちゃんとウォーミングアップしないとついていけない。凄いプレーでした」と、驚きを交えながら振り返った。
◆■ バスケファミリーの一員として日本を元気に
車いすバスケの堀内は「Bリーグファンの方にとっては、今回車いすバスケを知るきっかけになったと思います」とオールスター内でのイベント開催を振り返り、「動画で見るのではなく、ぜひ直接会場に足を運んでいただいて、ブレーキ音であったり、タイヤの焦げた匂いを感じてもらって、ファンになっていただければ」とコメント。車いすバスケ日本代表は現在パラリンピック出場権獲得を目指してアジア・オセアニアチャンピオンシップを戦っており、「まずは日本代表がパラリンピック出場を決め、パリ2024パラリンピック本戦では自分もメンバーの1人としてメダル獲得に貢献したい」と力を込めた。
また、3x3を代表して参加した桂は、昨年8月に自らが発起人となって結成したデュッセルドルフZOOSの一員として「FIBA 3x3 Women’s Series」BAKU大会で世界ツアー初優勝を果たした。「“世界”が身近にあるのが3x3の特徴」と語る桂は、「選手としてどこまで自分が通用するのかやってみたいという思いが一番の原動力」だと明かしつつ、「桂葵が世界で優勝できるなら私だってできる!というような選手や子どもたちが出てくると、もっと盛り上がっていくかなと思います。私はどんな人でもチャレンジすれば何かつかめるかもしれないということを日本中に届けられればいいなと思っています」と、3人制バスケットボール選手としての思いを語った。
「バスケットボールの楽しみ方は無限にある」とは桂の言葉。各カテゴリーの日本代表が世界で勝ち抜くための競技力向上はもちろん、見て楽しむ、プレーして楽しむスポーツとして多様性があるのもバスケットボールの魅力の一つだろう。オリンピックとパラリンピックが開催される2024年も「バスケットボール」を接点につながる人々の輪が少しずつ大きくなっていくことを期待したい。