劇的な逆転弾、琉球ゴールデンキングスを4連勝に導いたヴィック・ロー「チームの信頼に応えることができて良かった」
桶谷ヘッドコーチ「今日の試合で一番乗っていたのがヴィックだったので任せました
琉球ゴールデンキングスが10月14日、アウェーでサンロッカーズ渋谷と対戦。最後までもつれる激闘となったが、ヴィック・ローの決勝弾によって琉球が84-82で競り勝った。これで琉球は開幕4連勝を達成している。
試合の立ち上がり、琉球はインサイドへの力強いパワーアタック、SR渋谷は的確なボールムーブからの外角シュートと、ともに持ち味を生かしたオフェンスで得点を重ね互角のスタートとなる。第2クォーター序盤、先に主導権を握ったのはSR渋谷で小島元基がこのクォーターで6得点を挙げるなど津屋一球、永吉佑也とセカンドユニットの日本人選手たちの活躍による連続12得点で41-29と突き放す。だが、琉球はここからカール・タマヨの3ポイントシュートに、セカンドチャンスからローがバスケット・カウントを決めるなど逆に連続16得点を挙げて逆転。琉球の45-43で前半を終える。
後半になっても一進一退の攻防が続くが、琉球は常に僅差ではあるがリードを保つ。そして第4クォーター残り36秒で琉球の5点リードとなったところで勝負アリかと思われたが、SR渋谷は直後に田中大貴が3ポイントシュートを成功させると、さらにここから2ポゼッション連続でスティールを奪うことで、土壇場の残り9秒に82-81とひっくり返した。
ここでタイムアウトを取った琉球の桶谷大ベッドコーチはローに最後を託す。「今日の試合で一番乗っていたのがヴィックだったので任せました。彼に『1on1とピック、どちらがいい』と聞いたら彼が『1on1がいい』と言ったのでその通りにしました」
一方、SR渋谷のルカ・パヴィチェヴィッチは「チームファウルが2つだったので、私たちには2つファウルをして相手のオフェンスを切ることができました。相手のボールを持った選手がドリブルをした直後、ファウルをする計画でした」と振り返る。
そして迎えたラストオフェンス、SR渋谷には誤算が生まれる。ローのマークについていたライアン・ケリーが、琉球のアレン・ダーラムのスクリーンをはがすのに苦戦したことで、ローがパスを受けた時に少しだが対応が遅れ、ドリブル直後にファウルをすることができない。この結果、ケリーの対応は後手に回りファウルをするタイミングが遅れてしまう。すでにスピードに乗ったドリブルに入っていたローは、ファウルを受けながらもフリースローライン近辺でシュートを沈める値千金のバスケット・カウント。続くフリースローを決めると、ケリーが終了間際に放った3ポイントシュートは外れ琉球が劇的な勝利を収めた。
「ジャックには毎年、『君はゴールデンキングスに来るべきだ』と言われていました」
勝利の立役者であるローは「素晴らしい試合でした。最終的にチームを勝たせることができてうれしいです。最後のシュートのような場面が何度も訪れない方がいいとは思います(笑)。ただ、チームの信頼に応えてシュートを決められて良かったです」と笑顔を見せる。
また、最後のビッグショットについて次のように詳細を語る。「(ショットクロックぎりぎりではなく、早い段階で仕掛けたのは)もし、シュートが外れてもリバウンドを取って攻める時間を残すためです。僕はミドルレンジからのシュートを得意としています。また、ずる賢いプレーもできます。ライアンが自分の腕を抑えていたのは感じていました。それでシュートを打って、幸運にも入ってくれました」
決勝弾に限らず、この試合のローはフィールドゴール12本中8本成功の22得点9リバウンド 5アシストとオールラウンダーの本領を発揮。第1戦もFG12本中9本成功の21得点を記録し、開幕節の2試合合計でFG27本中10本成功の28得点と比べて、今節は効率の良いプレーが際立っている。これは逆説的だが得点面に固執しなくなったことが大きい。桶谷ヘッドコーチはこう語る。
「ヴィックはこのチームに入ってすごくナーバスになっていました。点数を取ることが全てと思っていた節があるとも感じていました。そんな中、昨日の試合で彼は21得点でプラスマイナスは13、小野寺(祥太)は0得点でしたが17でした。僕が欲しいのはこれだよ。プラスマイナスが高い選手がこのチームは一番評価されると言いました。それで吹っ切れてくれたのか今日はディフェンス、クリエイトするところも素晴らしかったです」
試合を重ねるごとに琉球へのフィット感が増しているローだが、「昨シーズン、千葉ではいろいろと戦術に柔軟性をもたらしていたと思います。琉球でもコーチダイの求めることに対応する。自分の持ち味である多彩な部分を生かしチームが勝つために全力を尽くしていきたいです」と、自身のやるべきことを考えている。
また、ここまで順調に溶け込んでいるのは、旧知の仲であるジャック・クーリーの存在も大きい。「ジャックは僕が琉球に加入した大きな理由の一つです。僕たちはオフの夏になると一緒にワークアウトをする関係です。彼は毎年、『君はゴールデンキングスに来るべきだ』と言われていました。だからオファーがきた時はうれしかったです」
残念ながらクーリーは、膝の痛みでインジュアリーリスト入りしており、まだ一緒にプレーできていない。だが、「今日、試合に勝てたのは彼のおかげです」とローも賞賛するように、クーリーの代役として獲得したアレックス・カークがしっかり穴を埋めている。琉球の競り合いの強さ、総合力の高さと共に、ローの存在の大きさも光った今節となった。
#Bリーグ B1第2節|GAME2#サンロッカーズ渋谷 #琉球ゴールデンキングス#ヴィック・ロー がバスカンゲット
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