難敵続き“大黒柱不在”で開幕3連敗…SR渋谷・ホーキンソン「完璧な試合をする必要があった」
10月14日、各地でB1第2節第1戦が開催され、サンロッカーズ渋谷は86-93で琉球ゴールデンキングスに敗戦。ホーム開幕戦を白星で飾ることができず、第1節の名古屋ダイヤモンドドルフィンズ戦から開幕3連敗となった。
前年王者をホームに迎えた一戦は、田中大貴やジョシュ・ホーキンソンら新戦力の活躍もあり、第3クォーターまで互角以上の戦いを繰り広げたものの、最後は第4クォーターで突き放され黒星。一部立ち見の観客が出るなど超満員となったホームの青山学院記念館で、チーム最多19得点を挙げたホーキンソンをはじめ、アンソニー・クレモンズ、ライアン・ケリー、田中の合計4選手が2ケタ得点をマークしたが、今シーズン初白星はお預けとなった。
チームを率いたルカ・パヴィチェヴィッチヘッドコーチは「ホーム開幕にしては難しい試合だった。本当に琉球は層が厚くて強いチーム。最後までもがいたけど勝ちをもぎ取るまで力がなかったというのが率直な感想」と第2節第1戦を総括。「私たちは強い気持ちを持って戦った。琉球は武器の多いチーム。エネルギーがあった前半はそこに対応できたけど、後半は続かず対応できなくなってしまった」と振り返った。
チームとしては開幕早々に故障離脱者が出た苦しい台所事情もある。昨シーズン平均15.0得点8.5リバウンドを記録したジェームズ・マイケル・マカドゥが「左肩関節後方関節唇損傷」によりインジュアリーリスト入り。第2節はアキ・チェンバースもチームに帯同できなかった。
琉球の各選手が30分未満のプレータイムで戦い抜いた一方で、SR渋谷は36分32秒出場したホーキンソンを筆頭に4選手が30分以上出場。ホーキンソンへの負担が増えているインサイドのやりくりについて問われた指揮官は「(永吉)佑也はすごくファイトしてくれた。先週もジョシュア・スミス(名古屋D)を相手に10分戦ってくれた」と、ここまで3試合平均11分に出場している日本人ビッグマンの奮闘を称えつつ、「ただ、我々がいま失っているマカドゥは唯一の5番」と、あらためてマカドゥの負傷離脱がチームに大きな影響を与えていることを強調した。
ここまで3試合平均20.3得点と、苦境のチームを支えるホーキンソンも「全体ではよくやれていたと思うけど、琉球は(ジャック・)クーリーがいなくなったところをアレックス(・カーク)が補っていて、うちはマック(マカドゥ)がいない。インサイドのところが厳しくなったと思う。パーフェクトな試合をしなければ勝てなかった。現状の中では精一杯戦ったけど及ばなかった」と、マカドゥの不在にも触れながら試合を振り返った。
コーチングスタッフを含め大幅に陣容変更してシーズンに臨んでいるSR渋谷にとっては、数シーズンかけてチームを作り上げてきた名古屋D、琉球とシーズン開幕から当たる組み合わせも不運だったのだろう。「正直僕らが開幕から当たるには難しいチームだった」と率直な思いを明かした指揮官は、2チームとの対戦から「学びがあった」とも語っており、インサイドの大黒柱を欠いている状況でも「チーム全員でどうやったら勝てるのか、模索し学んでいかなければいけない」と前を向いている。
また、新天地のホーム・青山学院記念館でプロキャリア通じて初めてプレーしたというホーキンソンも「エナジー溢れる体育館だと思うし、DJがかける音楽も洋楽が多くて、大学に戻ったような良い雰囲気の中でプレーできた。ファンの皆さんは勝つ姿を見たかったと思うけど、勝利を届けられなくて残念。明日は勝てるように頑張りたい」と巻き返しを誓った。