【B1クラブ展望/大阪】古豪復活への第一歩…実力派選手の加入で戦力アップ
昨シーズンは勝率を5割近くまで戻したものの、西地区の上位4クラブには水を開けられ、チャンピオンシップ進出争いとは無縁に終わった大阪エヴェッサ。得点源のディージェイ・ニュービルと帰化選手のアイラ・ブラウンがチームを去った今シーズンは、就任2シーズン目のマティアス・フィッシャーヘッドコーチの手腕がさらに問われることになる。
新外国籍選手3人のうち2人は初めて日本でプレーする。計算できる選手として、ショーン・ロングにかかる期待は必然的に大きくなるだろう。一方、日本人選手は多嶋朝飛、西川貴之という実績十分な2人が加わった。西川は、B2ながら佐賀バルーナーズで外国籍選手に匹敵する得点源となり、B2優勝・B1昇格の立役者となった。レバンガ北海道でも共闘した多嶋によって、その力がさらに引き出されることも期待できる。
既存の選手では、竹内譲次と橋本拓哉の働きが特にカギになりそうだ。竹内はシーズン半ばに39歳となるが、昨シーズンは1試合も欠場せず、終盤には出場時間も伸びた。帰化選手がいなくなった今、そのサイズはまだまだ貴重だ
橋本も、一昨シーズンの全休から復帰した昨シーズンは全60試合に出場。ただ、1試合平均5.9得点は満足できる数字ではなく、今シーズンは完全復活をアピールしたい。また、飯尾文哉の成長も望まれるところだ。
年々レベルが上がる一方の西地区で存在感を発揮できるか、今シーズンは古豪復活に向けた試金石のシーズンとなる。
◆■KEY PLAYER/C/PF #21 ショーン・ロング
一昨シーズンには得点王のタイトルを手にし、昨シーズンも中盤まではやや安定感を欠いたものの、終盤には39得点という試合もあったロングは、大阪の新しい得点源として申し分なし。
リバウンドも強く、安心してインサイドを任せられる存在とあって、ニュービルが軸だった昨シーズンとは異なり、攻防両面でロングの高さを強調する戦い方が大阪に求められることになる。今シーズンも得点王争いに絡む活躍を期待したい。
文=吉川哲彦