【B1クラブ展望/群馬】充実の布陣が完成…大きな期待に応え、史上最高の花を咲かす
充実の戦力をそろえ、群馬クレインサンダーズは水野宏太ヘッドコーチ体制2年目を迎える。目指すは初のチャンピオンシップ出場、その先にある「優勝」という頂への挑戦だ。
目標を達成すべく、コー・フリッピン、辻直人、木村圭吾、そしてトレイ・ジョーンズとケーレブ・ターズースキーの元チームメートであるベン・ベンティルを獲得。いずれも即戦力だが、2度のリーグ優勝経験があり、攻守両面でエナジーを与えるフリッピン、昨季のチームの課題でもある3ポイントシュートを武器とする辻の加入は大きな強みになるはずだ。
衰え知らずのベテランと伸びしろ十分な若手、加入2年目でキャプテンを務める司令塔の並里成など、バランスの取れた布陣はクラブ史上最強とも言える。ファンからの期待も一層膨らむが、指揮官は冷静に現状を見つめている。
「自分たちでも可能性のあるチームだと思っています。けれど、その可能性は花が咲くまではないものと同じです。花を咲かせるために1歩ずつ進んでいる実感はありますが、これからまだまだ険しい道を歩んでいかなきゃいけません」
今シーズン、水野HCに大事にしているのは『G.R.I.T(グリット)』という言葉だ。
「チームとしてやりたいことは、オフェンスもディフェンスも最後までやりきること。その精神が一人ひとりの中にどれだけ宿るかが大事だと思っています」
まだ何もなし得ていない。上を見すぎず、まずは東地区の上位2チームに入るためにベストを尽くす。
◆■KEY PLAYER/SF #4 トレイ・ジョーンズ
B2時代の群馬を知るスコアラーは、並里とともに今季の主将に就任。これまでは1人で20~30得点をたたき出す試合が多く、「オフェンスでは自分にかかるプレッシャーが大きかった」とジョーンズは言う。
しかし今季は、得点力のある新戦力も加わった。「キャプテンになって自分としても新たな挑戦になる。自分の得点が少なくても結果的に勝てればそれでOK」という意識でコートに立つ。在籍4シーズン目は、新たな一面が見られそうだ。
文=小沼克年