【B1クラブ展望/千葉J】パトリックHC体制2季目…日本一の速さと全員守備が問われるシーズンに
惜しくもファイナルで敗れはしたが、2022-23シーズンの千葉ジェッツは強烈なインパクトを残した。
昨季はジョン・パトリックヘッドコーチを新指揮官に迎えて新たなスタートを切り、さらにはケガ人も相次ぐ不運にも見舞われた。それでもチームはB1新記録の24連勝を記録。B1歴代最高となる53勝7敗(勝率88.3パーセント)の成績でレギュラーシーズンを駆け抜けた。
今シーズンも強度の高いディフェンスから素速い攻撃を軸にするなかで、気がかりなのは「サイズダウン」だ。
特に帰化選手は206センチのギャビン・エドワーズから新加入のアイラ・ブラウン(193センチ)へと入れ替わった。キャプテンの富樫勇樹も「小さいチームになるので、全員でしっかり走ってカバーしていきたい」と決意を述べる。
一方、パトリックHCは「5番(センター)と、それ以外は4ガード」という考えをベースに、対戦相手や状況によって様々な布陣を使い分けることを明かした。
「時間帯によっては3人のポイントカードが出る時もあるし、2番、3番に金近(廉)とジャスティン(マッツ)を使う時もあると思います」
新戦力は期待のルーキー・金近を含め5人。大ケガから復帰を果たした大倉颯太と二上耀、昨シーズン途中加入した小川麻斗らの若手がチーム不沈のカギを握る。練習生として加入した210センチ460キロの巨大モンスターが、サイズダウンした千葉Jにどのような影響をもたらすかも非常に興味深い。
再びチャンピオンシップの頂点に立つには、昨季以上に激しくも連動性のある守備と、日本一のスピードを誇る攻撃が必要不可欠だ。
◆■KEY PLAYER/SG #9 二上耀
「原さんがいない分、周りからはディフェンス力が落ちると思われるかもしれませんが、僕がしっかりカバーできるように頑張りたいです」
原修太を欠くチーム状況の中、序盤のキーマンは二上耀だ。昨シーズンは存在感を示してきた1月に無念の戦線離脱。キャリア2度目の大ケガから這い上がった背番号9が、今シーズンこそ攻守で躍動する。
文=小沼克年