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2023.09.29

【B1クラブ展望/SR渋谷】大躍進の準備はそろった…新体制で臨む今シーズンの最注目クラブ

  • バスケットボールキング

 経営体制変更初年度となった昨シーズンのサンロッカーズ渋谷は、シーズン半ばに指揮官交代の断に踏みきったものの、その成果が出ないまま5割を切る勝率でシーズンを終えた。心機一転、今シーズンはアルバルク東京を連覇に導いたルカ・パヴィチェヴィッチHCを迎え、完全に新体制に移行する。

 新チームの目玉はHCだけにとどまらない。A東京のエースとして新指揮官を誰よりもよく知っている田中大貴に加え、日本代表としてワールドカップの活躍も記憶に新しいジョシュ・ホーキンソンを獲得。この2人の加入は戦力面もさることながら、集客などにおいてもクラブに大きなプラスをもたらすはずだ。

 また、帰化選手のホーキンソンの存在によって、アンソニー・クレモンズというポイントガードの外国籍選手を獲ることもできた。これも他のクラブにない強みであり、ベンドラメ礼生の得点力を活かすラインアップも組めそうだ。

 近年のSR渋谷はライアン・ケリーを中心にオフェンスが光ったものの、昨シーズンもB1で4番目に失点が多かったという事実が示すように、ディフェンスがネックとなっていた。A東京をディフェンス力抜群のチームに仕立て上げたパヴィチェヴィッチHCの就任によって、そのスタイルは一変することになるだろう。そのうえでは、7シーズンぶりにSR渋谷でプレーするアキ・チェンバースの存在も重要なカギとなる。

 戦略の大幅な変更は簡単には結果に結びつかないが、パヴィチェヴィッチHCはA東京を就任1年目でリーグ優勝を成し遂げた。SR渋谷も大きく躍進させることを期待したい。

◆■KEY PLAYER/PG #10 小島元基

ルカ新HCのバスケを知る小島の存在は大きい [写真]=B.LEAGUE

 パヴィチェヴィッチHCをよく知るという点では、小島元基の存在も忘れてはならない。A東京時代にガードの心得を徹底的に仕込まれ、主に控えだったとはいえ連覇に大きく貢献。移籍2シーズン目は選手とコーチ陣のパイプ役として、ある意味では田中以上に重要な役割を担った。コート内外での小島の働きは、SR渋谷にとって不可欠なものとなるはずだ。

文=吉川哲彦

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