【B1クラブ展望/川崎】『NICK THE LAST』…すべてを懸け、今季こそ悲願達成へ
これ以上、Bリーグのタイトルを逃すわけにはいかない。その決意を感じさせるように、『All-In この場所 この瞬間に すべてを懸ける』をスローガンに掲げた。川崎ブレイブサンダースにとって勝負のシーズンがスタートする。
新戦力には、Bリーグで6季目を迎えるスコアラーのロスコ・アレンを目玉に4選手が加入。身体能力に優れ、得点、リバウンド、走力も兼ね備えるトーマス・ウィンブッシュは即戦力として期待だ。フィジカルを生かした力強いドライブが売りの野﨑零也、ディフェンスと3ポイントシュートを持ち味とする飯田遼の2名は、まずは主力の脇を固めることが求められそうだ。
5シーズン目のチャレンジとなる佐藤賢次ヘッドコーチは、優勝へのポイントを次のように語る。
「ディフェンスに関しては新しいことにも取り組んでいるものの、最終的にはトランジションディフェンスとリバウンドが絶対に必要になってきます。オフェンスはまだまだニック(ファジーカス)を見すぎてターンオーバになる場面が多いので、もっとチーム全体、5人で動いてポイントを絞れないようなオフェンスを展開することができれば優勝に近づけるのかなと思います」
満を持してキャプテンに再就任したのは、篠山竜青。「是が非でも、何がなんでも、人間関係を悪くしてでも勝つ。それぐらいの気持ちで臨むシーズンにはなると思います」と、並々ならぬ思いでタイトルをつかみにいく。
◆■KEY PLAYER/C #22 ニック・ファジーカス
すべてはニックのために――。今シーズンの川崎は、ここから始まった。レギュラーシーズン初代MVP、B1史上初の個人通算8000得点に4000リバウンドなど、数々の功績を残してきた“川崎のキング”の現役ラストイヤーが幕を開ける。
38歳となった今でも非凡な得点能力は健在だが、未だ達成できていない悲願へ泣いても笑っても最後のチャンス。『NICK THE LAST』を感動のフィナーレで終えるべく、自らも持てるものすべてを捧げる。
文=小沼克年