韓国KBLの安養KGCが初代王者に輝き、B.LEAGUE代表の琉球ゴールデンキングスは4位で閉幕
2023年3月6日
敗れたからこそ伸びしろを感じ、もう一度この舞台に帰って来ることを誓った琉球ゴールデンキングス
初代チャンピオンが決まる「東アジアスーパーリーグ(East Asia Super League)」(※以下EASL)は最終日。グループステージを突破した琉球ゴールデンキングスが、B.LEAGUE代表として登場。中華圏代表のベイエリアドラゴンズとのラストゲームは70-90で敗れ、最終結果は4位。勝手知ったる韓国KBL同士のファイナルを制したのは安養KGCだった。前半でリードしていたのは安養KGCだったが、これまでの戦い同様にソウルSKナイツが後半に巻き返していく。しかし、逃げ切った安養KGCが90-84で勝利し、栄えある第1回EASLチャンピオンに輝いた。
3位決定戦に臨んだ琉球ゴールデンキングスは立ち上がり、相手に厳しいシュートを選択させるディフェンスはできていた。しかし、オフェンスではオープンショットが決まらず、身長差で上回るベイエリアドラゴンズにインサイドを支配されていく。桶谷大ヘッドコーチがこの試合を以下のように振り返る。
「オフェンスの終わり方が良くなく、ターンオーバーやリバウンドから相手に走られてしまい、ファストブレイクポイントを獲られてしまったことで点差が開いてしまいました。リードされたことで相手に気持ち良く打たれた3ポイントシュートも決まり、ディフェンスで止めることが難しかったです」
ペイントエリアから40点、速攻で20点を決められ、最大29点差のリードを許す。ディフェンスもさることながら、琉球ゴールデンキングスのオフェンスは個人で打開しようとする場面が多く、攻め手を欠いた。強みとして起点を作ってきたピック&ロールに対し、「ディフェンスでスイッチされたときに考えすぎてしまい、停滞してしまった部分が少し多かったです。そのために、自分たちが打ちたくないシュートを打たされてしまいました」と、#30今村佳太は敗因を挙げた。続けて、「これが自分たちの実力だと感じています」と4位に終わった結果を受け止めている。しかし、この悔しい経験をしたからこそ、「まだまだ自分たちには伸びしろがあると感じた試合になり、ポジティブに捉えています。来シーズンもEASLの出場権を取れるように、今後のレギュラーシーズンからがんばっていきたいです」と今村は述べ、3月8日(水)から再開するB.LEAGUEへ向かって切り替えていた。
東アジア各国の熱いリーグを知る機会となったEASL
同じアジア圏とはいえ、やはり身長差によるビハインドが生じ、身体能力の違いを痛感させられた。それは外国籍選手も同じであり、198cmの#7アラン・ダーラムにとっても、「#44アンドリュー・ニコルソン選手(211cm)のような大きな相手が今大会にはどのチームにもいました。ハイレベルな大きい選手とのマッチアップはストレスになりますが、立ち向かっていかなければならず、もっとスタンダードを上げていかなければいけないと感じました」。それぞれ違う強みや特徴を持ったチームと対戦できた経験は、「確実にB.LEAGUEでもつなげられる部分であり、つなげなければ意味のない大会になってしまいます」とダーラムも、今村も同じ感想を述べていた。
3月8日(水)よりB.LEAGUEが再開する。宇都宮ブレックスは東地区1位の千葉ジェッツのホームに乗り込み、琉球ゴールデンキングスは広島ドラゴンフライズを沖縄アリーナに迎え、両地区にとって上位決戦となる。千葉ジェッツと琉球ゴールデンキングスは、3月12日(日)に有明コロシアムで開催される天皇杯決勝が待っており、タイトルを懸けた戦いは見逃せない。
EASLファイナルは現在の好調を反映するように、韓国KBLで現在首位に立つ安養KBGCが、同4位のソウルSKナイツとの接戦を制した。安養KGCのキム・サンシクヘッドコーチは、「第1回EASLで優勝できて本当にうれしいです。アジア各国の最高のチームと試合ができたことにも感謝します」と喜びのコメントを残す。「全員がリーダーシップを発揮し、チーム一丸となって戦えたことで力を出せました」というのが勝因だった。敗れたソウルSKナイツだが、琉球ゴールデンキングス同様にこの悔しさを糧とし、リーグを制覇して借りを返せば良い。東アジアにも様々な熱い戦いがあることを知る機会になったEASL。バスケットLIVEで全試合を中継されたことで、日本の多くのバスケファンも興味を持ったはずだ。B.LEAGUEの各チームにとっても、得がたい経験と大きな賞金が得られる今大会に、魅力を感じたことだろう。