【B2プレーオフ】最短B1復帰を狙う信州ブレイブウォリアーズ、渡邉飛勇の成長「信州のベストなバスケはプレーオフで見せられる」

信州ブレイブウォリアーズはりそなグループ B.LEAGUE 2024-25 B2リーグ戦を37勝23敗のB2東地区3位で終え『りそなグループ B2 PLAYOFFS 2024-25』(以下、プレーオフ)のクォーターファイナルで鹿児島レブナイズと対戦する。5月3日に迫ったプレーオフに向けて、現在のチーム状況や意気込みを渡邉飛勇に聞いた。

【(C) B.LEAGUE】
「予期せぬことですが、僕にとってはチャンスに」
──渡邉選手にとってレギュラーシーズンの戦いはどんなものでしたか。
渡邉 自分にとって初めてのB2で戦うシーズンです。琉球ゴールデンキングスの時に比べてプレータイムが長くなり、すごく良い経験をさせてもらっています。 信州のバスケは本当に細かいルールがたくさんあり、勝つためには遂行力を高めて、チームメイトと連携する必要があります。ここまでケガ人が多くて、僕の責任も大きくなっていますし、役割自体も変わってきました。予期せぬことですが、僕にとってはチャンスになっています。
【(C) B.LEAGUE】
──ペリン・ビュフォード選手が12月中旬から1カ月強、ウェイン・マーシャル選手が3月上旬から約1カ月、テレンス・ウッドベリー選手が3月下旬からと戦線離脱しています。その状況で今の成績をどう受け止めていますか。
渡邉 信州はタレント揃いなので、もっと勝てた感触はあります。ケガ人がいる中で、僕とトヨ(狩野富成)が遂行できない時は上手くいきませんが、そこからしっかりと学んで、プレーオフに向けて最高の準備ができています。でも日本人ビッグマンはすごくハードな仕事です(笑)。
──リーグを見渡しても200cm超えの日本人ビッグマンが2人もローテーション入りしているチームはありません。福井ブローウィンズ戦では2人が先発出場して大活躍しました。
渡邉 その前のアルティーリ千葉戦で完敗していたので、福井戦で良い仕事をする必要がありました。日本人ビッグマン2人がインサイドを担って勝利するチームは僕自身も見たことがなかったので、良いパフォーマンスができてビックリした部分もありますが、今まで見たことがない戦い方をファンの皆さんに見せることができてうれしいです。それが上手く行っているのはペリンのおかげでもあります(笑)。
【(C) B.LEAGUE】
──ビュフォード選手からのロブパスなど合わせのプレーが成熟してきたと感じています。試合中に2人で話している場面も多く見かけます。
渡邊 ペリンは本当に特別な選手です。彼とプレーするのはタフですが、自分にとっては意味のあることです。彼がいることで自分が簡単にプレーできる場面を作ってくれますし、バスケIQが高いので多くのことを教えてくれます。試合中は常に状況が変わるので、相手のマッチアップやディフェンスをペリンが見て、狙いたいアクションを実行するためのアドバイスをくれます。
【(C) B.LEAGUE】
「信州は遂行力のスタンダードがものすごく高い」
──琉球の時からプレータイムが大幅に増えて、勝敗を左右する存在となりました。責任が増すことをどうとらえていますか。
渡邊 プレッシャーもありますし、それを楽しんでもいます。もちろん期待も感じるし、不安を抱えることなど、いろんな感情はあります。ただ、この感情は今までのキャリアでは経験していなかったことなので、責任を持ってやっていきたいです。
──新しいことを多く経験しているシーズンですが、自身の成長をどこに感じますか?
渡邉 最近は4番ポジションで出ることもあって、3ポイントシュートを打ってドライブするのは今までの自分では考えられなかったプレーですが、今は4番もできそうな感触があります。そのためにはペリメーターのディフェンスはもっと向上しないといけませんが、もし自分が4番でしっかりとプレーできたらチームにとっても大きなことです。ゆくゆくは4番でも5番でもプレーできる選手と見られたらいいなと思います。
【(C) B.LEAGUE】
──信州へ移籍した理由に勝久マイケルヘッドコーチの存在を挙げていましたが、何を一番学びましたか?
渡邉 最初はオフェンスがもっと上手くなりたいと思って信州に来ました。ピック&ロールで良い状況判断ができるようになり、学びが多くありました。でも実際にこのチームに来て、ディフェンスのことをものすごく学んでいると感じています。多くのことを学ぶためにはコーチマイケルがリーグでベストな存在です。
──信州のバスケには細かいルールがあると言っていましたが、何が重要視されますか?頭を使うことが求められると思うので、バスケIQも高まったと想像します。
渡邉 遂行力の重要性は感じますし、特にディフェンスは難しいなと(笑)。めちゃくちゃ難しいバスケットボールというよりも、ちゃんと遂行できるかどうかが問われていて、その遂行のスタンダード自体がこのチームはものすごい高いです。自分が上手くプレーできている時とできていない時の差は、その遂行力の差なので、見ていても分かりやすいと思います。

【(C) B.LEAGUE】
「プレーオフでも勝ち進んでいける力が着いてきた」
──プレーオフで勝利するためには、チームとして何が必要になってきますか?
渡邉 フルロスターが揃えば信州は強いチームです。でも、揃わないのであれば最初から最後まで信州のバスケをやり続けないといけません。僕たちの課題はスロースタートやエネルギー不足です。プレーオフのインテンシティはレギュラーシーズンとは全然違うので、そのあたりが重要になると思います。
シーズン中のウッドベリーとウェインのケガは非常に残念なものでした。ただ、2人が欠場している期間に僕とトヨと(エリエット)ドンリーが成長したので、フルロスターになった時には、今まで以上に素晴らしいチームになると思います。プレーオフでも勝ち進んでいける力が付いてきました。
──昇格を目指すライバルに対する信州の強みはどこですか?
渡邉 オフェンス面では、みんなピック&ロールが上手いので、そこに強みがあります。ディフェンス面では、全員が自分がやるべきことを理解しているので、メンタル的な安心感があります。全員が自分の役割をしっかり遂行できることは、プレーオフを勝ち抜く中で重要な要素です。
──琉球ではトーナメントを勝ち上がり、優勝を経験しています。その経験を今回どう生かすつもりですか。
渡邉 特に昨シーズンは良い経験ができました。B1西地区優勝を逃して、アンダードッグでチャンピオンシップに臨んだので、今の信州も同じような感覚があります。僕だけでなく、B2優勝を経験しているウェインをはじめ、このチームには経験値の高い選手が多いので、自信を持っています。
【(C) B.LEAGUE】
──信州ファンのみなさんの熱はどのように感じていますか?
渡邉 琉球のファンの方々とはまた違うかなと思います。琉球での僕はあまり試合に出てなかったので、ファンが多くなかったのですが、信州に来て僕の役割が変わり、オリンピックもありましたし、たくさんの方に応援していただいていると感じます。みんなすごく温かく、応援は熱いです。でも、ファンの方が自分のユニフォームを着たり、グッズを持ってくださっているのはまだ不思議な感じもします。
──最後に応援してくださっている方へメッセージをお願いします。
渡邉 このチームのベストなバスケは、これからお見せできると思いますので、プレーオフは本当に楽しみです。十分に勝てるチャンスがあると思って準備しています。タフな試合が続くことになりますが、ファンの皆さんのサポートが重要ですので、応援よろしくお願いします。