【EASL】琉球ゴールデンキングスの脇真大、東アジアの頂点に挑む「EASLでもトップレベルの選手たちと対等に戦えている」

2023年に白鴎大をインカレ日本一へと導いた後、特別指定選手として琉球ゴールデンキングスに加入した脇真大は、実質プロ1年目となる今シーズン、ルーキーながら思い切りの良いプレーで攻守共にチームを支える戦力となっている。強靭なフィジカルを生かした思い切りの良いドライブは、すでにBリーグでもトップレベルの武器。試合を重ねるごとに急成長を続ける脇は、EASL(東アジアスーパーリーグ)制覇にも意欲を燃やす。
「満足はしていませんが、ある程度はできている」
──プロ1年目で得意のドライブを武器に大活躍しています。ここまで脇選手自身はどんな手応えを感じていますか。
優れた環境とチームメートのおかげで、イキイキとプレーさせてもらっているのが一番です。今シーズンはキングスにとって大きな存在だった選手たちが抜けて、その穴を少しでも埋められたら良いなと思ってスタートしたので、まだ満足はしていませんが、ある程度はできていると思っています。
自分の武器であるドライブ、カッティング、アシストは、いつもキングスの試合を見ている人なら分かる通り、十分にやれていると思います。外国籍選手もいる中でブロックされることもありますが、タフショットになってもリバウンドを拾ってくれると信じて、僕は躊躇せずにトライし続けています。とにかくまずはトライして、ダメだったら映像を見て工夫して、次の試合ではブロックされたのとは違うシュートを打つ。最初はやられる経験もしましたが、今は自分のドライブからレイアップに持っていけていると思います。
ドライブについては負けず嫌いな性格から、目の前の相手に負けたくないという気持ちが強いです。それに技術の良し悪しよりもドライブで相手を抜く感覚があって、それは他の選手より上なのかなと感じています。何が秘訣なのか、どう説明したらいいのかは分からないんですけど、そういう感覚はずっと持っています。
──今シーズン開幕からの半年ぐらいで自分が成長した部分はどこですか?
アグレッシブなディフェンスで相手のエースを止めにいく意識は、開幕当初に比べればすごく高まりました。最近は相手の外国籍のフォワードや日本人のエースにつくことが多いですが、そこも対等に戦えていると思っています。あとは3Pシュートで、良いパスが来たら打つと決めているので、オープンショットを決める力はちょっとついてきたかなと思います。

「若いからこそ挑戦して、失敗しても次のトライを」
──脇選手のプレーを見ていて印象的なのが『貪欲さ』です。得意なドライブに行くのはもちろん、カッティングも常に飛び込むタイミングを探っていますよね。ベテランの多いチームで若い脇選手が貪欲にプレーすることの意義をどうとらえていますか?
チームのコンセプトの中で自分がどれだけフィットできるかを常に考えています。「若いからやらない」は違うと思っていて、若手でもベテランの選手たちに負けないように、そこは僕も遠慮せずやっています。周りの選手たちも「遠慮するな」と最初からどんどん言ってくれて、本当にやりやすい環境をいろんな人が作ってくれています。
ミスをしたら怒られますけど、それも一つの経験だし、次からミスしなければ大丈夫だと思っています。若いからミスを恐れるのではなく、若いからこそどんどん挑戦して、失敗しても次のトライをしていくのが大切だと思っています。
──ドライブが強力な武器である分、3Pシュートのない選手と見られているように思います。脇選手自身は3Pシュートに苦手意識を持っていますか?
それは大学の時ですね。気持ち的な問題で「入らないんじゃないかな」と思っている自分がいました。もともと中学や高校では打っていたし決めていて、気持ちの問題だけなので、今はもう全然そんなことはありません。
──しかし、技術を身に着ける以上に苦手意識を克服するのは大変なのでは?
ここまで来るのは大変でしたけど、打たなかったら試合に出られないと思ってシュートを打ってきました。今シーズン最初の試合で最初に決めた得点が3Pシュートで、そこから自信がついてメンタルもリフレッシュされて「打ったらしっかり決められる力はある」とあらためて感じられたことが良かったです。
今はワイドオープンになったら迷わず打てて、決めるべき時に決められています。ですが、3Pシュートをもっともっと決めるようになればBリーグでも止められない選手になれると思うので、自分を信じ続けて打っていきます。

「僕たちが懸ける思いをプレーで表現する」
──これまでEASLの試合を戦ってみた手応えはどんなものですか。
Bリーグとレギュレーションが違って、アレックス(カーク)は帰化選手で出れますが外国籍選手は2人しかプレーできません。そこで僕がマッチアップする選手はEASLでもトップレベルの選手が多くなるのですが、そういった選手たちに負けないようにやると決めて挑んでいて、ここまで対等に戦えていると思います。EASLでの経験はBリーグの後半戦を戦う上でも一つのカギになってくるので、しっかり勝ち進んで優勝したいです。
──桶谷大ヘッドコーチは岸本隆一選手と並んで脇選手の『勝負強さ』を評価していました。
そこで名前を出してくれることはうれしいです。大学時代も、先日の天皇杯の準決勝で13点差を逆転した時も『負けたら終わりの試合』で勝ってきましたし、そういう場面では目の前の相手を潰しに行く覚悟でやっています。自分が今ここで終わってもいいと思うくらいの強い気持ちで常に戦っているので、勝負強さはそういうところから来てるのかなと思います。EASLも負けたら終わりの一発勝負なので、桶谷ヘッドコーチの期待に応えるためにも頑張ります。
──EASLへの意気込みと応援してくれる皆さんへのメッセージお願いします。
クラブも『沖縄から世界へ』と掲げているように、沖縄のためにも絶対に勝ちたいですし、携わってくれる方々の思いも僕たちに込められてると思っています。『沖縄のチームはすごい』と証明するためにも、いろんな人の思いを背負って、強い気持ちで勝ちにいきます。
キングスのファンの皆さんはもちろん、Bリーグファンの皆さんにもアグレッシブに闘争心を出して海外の選手たちと戦う僕たちの姿を応援してもらえるとうれしいです。それがバスケットボールの醍醐味だと思っていますし、負けたら終わりという戦いに僕たちが懸ける思いをプレーで表現するので、そこを楽しみながら見てください。
【EASL 2024-25 Final 4 概要】
日程:※時間はすべて日本時間
・2025年3月7日(金)
19:40 TIPOFF 広島ドラゴンフライズ vs ニュータイペイキングス
22:10 TIPOFF 琉球ゴールデンキングス vs 桃園パウイアンパイロッツ
・2025年3月9日(日)
17:10 TIPOFF 3位決定戦
20:10 TIPOFF 決勝戦
会場:スタジオシティ(マカオ)
チケット:The East Asia Super League Final Four チケットページ
配信:U-NEXT独占配信
特設サイト:https://www.bleague.jp/easl/2024-25/