【マンガ】広島・琉球が出場!東アジアスーパーリーグ(EASL)Final 4の展望
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2024年から10月から始まった東アジアスーパーリーグ「EASL」の2024-25シーズン。日本、韓国、チャイニーズ・タイペイ(台湾)、フィリピン、香港、マカオから10チームが集結し東アジアの頂点を決するこの大会で、熾烈なグループステージを勝ち抜いた4チームがFinal 4へのコマを進めた。
昨シーズンB.LEAGUEの年間チャンピオンとなった広島ドラゴンフライズと、準優勝の琉球ゴールデンキングスは、ともにそれぞれのグループを5勝1敗の首位で突破、その後台湾の国内リーグP.LEAGUE+の昨年王者ニュータイペイキングス、準優勝の桃園パウイアンパイロッツがFinal 4の切符を手にした。ここでは、この4チームの注目すべきポイントを見ていきたい。
3月7日(金)準決勝 第1試合「広島ドラゴンフライズ vs ニュータイペイキングス」
【EASLのタイトル奪取に挑むB.LEAGUE王者 広島ドラゴンフライズ】
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新指揮官・朝山正悟HCが、ハーフコート・オフェンスに加えて、アップテンポな攻撃も取り入れる構想を掲げた今季。故障者も多かった序盤は苦しんだが、徐々に本来の勝負強さを取り戻してきている。クラブにとって大きなプラス要素となるのが、なんといっても#0寺嶋良の復帰だ。前十字靭帯断裂から約10ヵ月、Bリーグで復帰した直後の1月22日、EASL桃園戦ではベンチスタートながら15得点を挙げ、爆発力を発揮した。その後も安定したプレーを披露しており、成長著しい#12中村拓人と共に、司令塔としてチームを力強く牽引する。
最大の武器は3Pシュートだ。日本生命 B.LEAGUE FINALS 2023-24 チャンピオンシップ最優秀選手賞を獲得した#30山崎稜をはじめ、多くの選手が得意としており、EASLでは36.2%(67/185)と高い成功率をマークしている。この実績の裏には、エース#13ドウェイン・エバンスらによるドライブ、#8ケリー・ブラックシアー・ジュニア、#24ニック・メイヨのリバウンドも不可欠。特定の選手に依存しないスタイルだけに、一発勝負の舞台でも期待が持てる。リーグに続いてのタイトルはすぐ近くまで迫っている。
【粘り強さと爆発力 ニュータイペイキングス】
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ニュータイペイキングスは新北市を拠点に2021年設立した活気あるクラブで、その歴史こそ長くはないが台湾のバスケットボールリーグP.LEAGUE+昨シーズン王者に輝いた実力派。ニュータイペイは、グループステージ最終戦のメラルコ・ボルツ戦、4Qに10点ビハインドを跳ね返してダブルオーバータイムの末に、辛くも4勝目を挙げてようやくFINAL 4進出を決めた。しかし、グループB首位の琉球に土をつけた唯一のチームであり、その勝利は36点差の快勝と、実力の高さを証明した。
柱となるのはチームを鼓舞するリン兄弟。NBAのチャンピオンリングを持つ兄#7ジェレミー・リンとキャプテンを務める弟#1ジョセフ・リン。また、フロントラインの#25オースティン・デイ、#31サニ・サカキニ、#55ケニー・マニゴーはいずれもフィジカルが強く、粘り強く、インサイドだけでなく、アウトサイドからも脅威を与える。
メラルコとの最終戦はチームの特徴を強く印象付ける内容でもあった。#7リンが負傷欠場した苦しい状況だったが、#31サカキニの31得点を筆頭に#25デイ、#1リン、#55マニゴー、#9リー カイアンのスターター5人で全106得点を奪う爆発的な勝利。FINAL 4で最も危険なチームかもしれない。
チームスローガンは「Crown the City」、クラブロゴも王冠をイメージしたデザインになっており王者の風格を漂わせている。
3月7日(金)準決勝 第2試合「琉球ゴールデンキングス vs 桃園パウイアンパイロッツ」
【堅守とリバウンドからのオフェンスに期待 琉球ゴールデンキングス】
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5勝1敗のグループB首位という成績でEASLのグループステージを乗り切ったキングスだが、国内の試合とは異なる運営やコールの感覚に戸惑いを感じさせる場面も時折あり、忍耐力を試される6試合という印象だった。平均得点83.0に対し平均失点82.2という数字を見ても圧倒的な強さを示してきたとまでは言えないかもしれないが、ニュータイペイとの第5戦で36点差の大敗を喫したものの、それ以外はタフな接戦を勝ち切るしぶとさを発揮した。
勝負強いショットメーカー、フィジカルなビッグマンと柔軟度の高いウイング陣がそろう琉球には強みが複数あるが、勝利への鍵を握るポイントは、試合開始から最後までチームディフェンスを徹底できるか、という点。#18脇真大やベンチから出てくるキャプテン#34小野寺祥太らが軸になるだろう。さらに、堅守から#45ジャック・クーリー、#53アレックス・カークらがリバウンドを支配すれば、#14岸本隆一や#15松脇圭志の長距離砲が炸裂するエキサイティングなオフェンスが期待できる。FINAL 4でそんな姿を見せられるか注目だ。
【歴代最強ロスターで頂点を狙う! 桃園パウイアンパイロッツ】
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台湾P.LEAGUE+昨シーズン準優勝チームとしてEASLに参戦した桃園は、今シーズン国内リーグで1位を快走中(2/17時点)。台湾の玄関口・桃園国際空港がある桃園を拠点している。2020年設立とまだ歴史が浅いが、歴代最強のロスターを擁してFINAL 4に挑む。
チーム最大の魅力はオフェンス力。軸となるのは昨季のリーグMVP、#69ルー・ジュンシャンだ。勝てばFINAL4進出が決まる香港との最終戦では、5本の3Pシュートを沈めて両チーム最多の33点を奪いチームを勝利に導いた。スコアリング能力も見事だが、彼はパス裁きにも長けている。そのパスを受けて得点を量産するのが#21アレック・ブラウンと#24トレベオン・グラハム、#45ジャロッド・ジョーンズ。いずれもパワープレーを武器に確実に得点を重ね、3Pシュートを高確率で沈めるなど、対戦相手としては厄介な相手だ。
さらに2桁リバウンドを奪える#1ディエン・アンディ、ドライブでディフェンスをかき乱す#6クァン・ターヨウ、3Pシュートが得意な#12リー・ジャカンなど頼れるサポート役もいる。FINAL 4準決勝では琉球ゴールデンキングスとの対戦が控えており、厳しい戦いが予想される。
【EASL 2024-25 Final 4 概要】
日程:2025年3月7日(金)~9日(日)
会場:スタジオシティ(マカオ)
チケット:The East Asia Super League Final Four チケットページ
配信:U-NEXT独占配信(https://help.unext.jp/info/info676a)
特設サイト:https://www.bleague.jp/easl/2024-25/