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B.MAGAZINE

【ユース特別座談会】井伊拓海×関谷間×阿部竜大×今西優斗×田中大貴 ~B.LEAGUEの未来を担う若武者~

2025.01.17

選手

「りそなグループ B.LEAGUE ALL-STAR GAME WEEKEND 2025 IN FUNABASHI」がいよいよ開幕。年に一度の祭典を前に、「インフロニア B.LEAGUE U18 ALL-STAR GAME」に出場する選手たちを直撃しました。両チームを代表して、JADEから阿部竜大(レバンガ北海道 U18)選手、井伊拓海(サンロッカーズ渋谷 U18)選手、HELIOSから今西優斗(名古屋ダイヤモンドドルフィンズ U18)選手、関谷間(千葉ジェッツ U18)選手、田中大貴(宇都宮ブレックス U18)選手の5人にインタビュー。ユースチーム加入の経緯からオールスターへの意気込み、将来の目標などを聞きました。

 
 

――阿部選手、今西選手、井伊選手、田中選手はU15から、関谷選手はU18からそれぞれのユースチームに在籍しています。加入の経緯を聞かせてください。

 

阿部:もともとは地元北見市の中学に進むつもりでしたが、北海道U15に先輩が在籍していたこともあり、自分も興味を持ちました。ユースチームの練習に行った時、初めて経験するようなレベルの高さで、ここなら成長できると思ったので、トライアウトを受けました。

 

今西:中学進学のタイミングでどこのチームに加入しようか悩んでいた時、名古屋D U15の存在を知りました。練習を見学させてもらったら、練習環境が整っていて、頭を使うバスケットボールが将来に活きると思って加入を決めました。名古屋D U15から名古屋D U18に昇格する際は高校の部活と迷いましたけど、プロバスケットボール選手になることから逆算した時、早い段階からプロのレベルを経験できるのは自分にとって大きな要因でした。当時はユースチームが誕生したばかりで、ユースでのプレーを選ぶ選手が少なかったと思いますが、前例が少なかったことを含めて多くの人に影響を与えられると考えました。

 

井伊:僕は中学の時、部活をメインとして頑張っていましたが、個人のレベルを上げたいと思い、SR渋谷 U15のトライアウトを受けたのが加入のきっかけです。中学3年の時にコーチから「将来的にこのようなプレーヤーを目指すべき」と話していただき、すごく納得したこともあってSR渋谷 U18に加入しました。ユースではプロのコーチから教わることができ、自分の課題に対して、映像を使いながら教えてくれたことも良かったです。

 
 

田中:僕も部活動でプレーしていましたが、1学年上の世代が引退したことで、部員が5人ほどになってしまい、試合もままならない状況になりました。試合をできる環境を探していた時、宇都宮 U15を見つけ、トライアウトから加入しました。ウインターカップに憧れを感じることもありましたが、将来を考えた時にできるだけプロに近い環境で経験を積んだほうが自分のためになると思い、宇都宮 U18への加入を決めました。

 

関谷:僕は4人と少し違い、高校の途中に千葉J U18へ加入しました。中学の時からTokyo Samuraiというクラブチームでプレーしていて、高校1年の時にショーケースと呼ばれるプロジェクトがあり、そこで千葉Jの池内勇太ゼネラルマネージャーに声を掛けていただきました。高校2年の時にトップチームの練習生として加入しましたが、練習を増やすために千葉J U18でもプレーすることになりました。プロ選手と身近なところでプレーできるのはすごくプラスでした。

 

――ユースチームならではの強みはどこだと感じますか?

 

関谷:施設や指導者といった環境面が一番です。僕たちはトップチームの選手と同じ体育館を使っています。

 

井伊:プロのコーチがいることです。SR渋谷 U18は1年生から3年生まで合計20人もいないこともあり、メンバー全員で練習しています。そのなかでB.LEAGUEの公式戦はロスター12人と、試合に出られるチャンスも多いです。

 

今西:名古屋D U18ではトップチームのスタイルを多く採用しています。トップチームで活躍したいのなら、早い段階からフォーメーションや戦術、言葉に慣れなければいけません。ユースチームで似たようなスタイルを経験できるのはメリットだと思います。また、トップチームのスタッフが僕たちのことを気にかけてくれ、試合の映像をチェックして「トップチームはこういったことが課題で、ユースチームにも同じような部分がある」と指導してくれます。ワークアウトも手伝ってくれて、個々に足りないスキルも教えてくれますよ。

 

阿部:僕も同じような意見です。トップチームの下でプレーできるのは、高校の部活では絶対にない経験です。自分は2シーズン連続でユース育成特別枠として選手登録させてもらっていますが、レベルの高いトップチームの選手と一緒に練習や試合をこなすことで、自分の課題が明確になっていきました。実は僕も大貴と同じようにウインターカップに出場したい気持ちがあり、高校の部活に少し興味を持ったこともありました。ただ、中学3年の時に飛び級として北海道U18でプレーしてから今に至るまで、得るものが多かったので、この決断は正解だったと思います。

 

――田中選手は7月にトップチームのワークアウトに参加したそうですね。

 

田中:高校の部活ではプロの選手と接すること、練習を見る機会がほとんどないと思いますが、それができるのはユースの魅力です。僕もプロのレベルを肌で感じられて刺激を受けました。特に遠藤(祐亮)選手が印象に残っていて、一つひとつのプレーに対してアドバイスを送ってくれました。

 
 

――自チームならではの特徴や決まりごとがあれば教えてください。

 

関谷:プレー中の接触で転んでしまうことがあると思いますが、その時は必ずチームメートが起こしにいくようにしています。そういった一つひとつの積み重ねでチームワークが高まっていくと思いますから。あとは選手だけでミーティングを実施していて、チームルールを決めたり、チームの現状について話したり。コーチに頼ることなく、選手が中心となって取り組んでいます。

 

今西:高校の部活は上下関係が厳しいイメージですけど、僕たちはいい意味でそれがないというか。意見を言い合える関係で、コート外でも仲がいいですよ。

 

井伊:自分たちも上下関係はなく、先輩、後輩を問わず仲がいいです。

 

田中:僕たちはコートに入ってコーチに挨拶する時、絶対にコーチの顔を見て、グータッチすることが決まりです。選手一人ひとりのその日の機嫌やメンタル面を感じ取っているのかなと思います。限られた人数ということもあり、コーチ陣と密なコミュニケーションを取れることも魅力だと思います。

 

阿部:プレー面を挙げるなら、自分たちは魅せるバスケットボールをコンセプトとしていて、誰か1人がボールを持って攻めるのではなく、5人全員でシェアしながら攻めることができるのが特徴です。一人ひとりの能力、持っているものを最大限に発揮するため、5人全員が連動性を意識しながら、見ている皆さんに楽しいと思ってもらえるようなバスケットボールを展開しようと心掛けています。

 

――田中選手以外は3月をもってユースチームを退団します。ユースチームでの思い出を聞かせてください。

 

関谷:昨シーズンの出来事ですが、以前は名古屋D U18に対して大差で負けることが多かったですが。ただ、2月に行われた「B.LEAGUE U18 INTERNATIONAL CUP 2024」の試合では全員が同じ目標に向かって戦い、最終的に勝利できました。当時の3年生にとって最後の大会でリベンジできたのは印象に残っています。

 

――ライバル視というか、意識する対戦もあるんですね。

 

関谷:優斗のような素晴らしい選手がいたら絶対に抑えたいし、SR渋谷 U18のような同じ地域のチームには友だちも在籍していますからね。個人的によく知っているチームや選手に対しては「絶対に負けないぞ」と、いつも以上に気合いが入ります。

 
 

阿部:僕は千葉J U18に負けた「インフロニア B.LEAGUE U18 CHAMPIONSHIP 2024」が悔しい思い出として残っています。先輩たちが積み上げてきた3連覇を止めてしまいましたから。ゲームキャプテンとしてチームを勝たせられなかったのは非常に悔しいですし、もっとチームを引っ張ることができれば勝てた試合だと思っています。

 

――大会のレベルが年々高まっていることを肌で感じたと思います。

 

阿部:大会を重ねるごとにレベルが高まっていて、今では「何がなんでも北海道 U18に勝ってやろう」というチームばかりです。チャンピオンシップでは自分たち一人ひとりの特徴を分析されたことで、自分たちのやりたいプレーを遂行することができませんでした。

 

――今西選手、井伊選手が思い出に残っていることは?

 
 

今西:今シーズンのチャンピオンシップですね。それまで3年連続で北海道 U18に負けて、準優勝に終わっていました。僕は中学3年の時から大会に出させてもらい、先輩たちの悔し涙を見続けてきました。今回の優勝はこれまで関わったみんなの思いが合わさったものだと思うので、すごくうれしかったです。

 
 

井伊:僕は「B.LEAGUE U18 ELITE8 LEAGUE 2023」です。リーグ戦を通じてあまりうまくいかなかったのですが、終盤に琉球ゴールデンキングス U18、北海道 U18という強豪を相手に勝利できました。この2チームに勝って大会を終えられたのはいい思い出です。

 

――Bリーグの大会では、リーグ戦方式の大会が多く、リーグ戦方式の大会が増え、ホーム、アウェーイを問わず毎週のように違う相手と対戦する機会があったと思います。

 

井伊:琉球 U18、北海道 U18の2チームだけでもスタイルが全然違います。様々なユースチームと対戦するにあたり、相手を対策することも非常に重要でした。次のカテゴリーに進むことを考えた時、貴重な経験になりました。

 

――田中選手はいかがですか?

 
 

田中:個人的なことですが、髙田将吾(福岡大学附属大濠高校)選手、千保銀河(開志国際高校)選手といった日本トップレベルの選手と一緒にオーストラリアへ行き、「第14回バスケットボール・ウィズアウト・ボーダーズ・アジア(BWB Asia 2024)」に参加したことです。僕は日本を出ると身長の低い部類で、将来的に1番(ポイントガード)や2番(シューティングガード)でプレーができたらといいな思っています。あの経験は財産になりましたし、今後に活かさなければいけません。

 

――国際経験の話でいうと、5人とも8月に上海で開催された「2024 Shanghai Future Star Basketball Championship」に出場しました。U18選抜チームを組み、大会に出場するのもユースチームならではだと思います。

 

関谷:僕は以前にも海外のチームと対戦したことがありますが、国によって戦い方や体格が異なります。若いうちから国際舞台に慣れておくのは重要です。B.LEAGUEも国際化が進み、アジア特別枠を含めて世界各国の選手が参戦していますからね。上海での大会は海外の選手と対戦することで知識や経験を得られて、今後のバスケットボール人生にいい影響を与えてくれると思っています。

 

井伊:自分より10センチ以上も高い海外の選手と対戦する経験は初めてでした。ドライブを仕掛けても最終的にブロックされてしまうプレーが多かったので、そこの技術を高めたり、身体能力を高めなければいけないと感じました。一方で外からのシュートが通用したのは自信になりました。

 

阿部:僕も海外での試合は初めてでした。小さいなりにディフェンスが通用して、そこから流れをつかめた試合もありました。加えて3ポイントシュートが高確率で入る時は自分たちのペースに持ち込めたので、そういった部分は自信につながりました。一方、高さという面では簡単にブロックされることが多かったです。大会を終えて、ディフェンスの状況を見つつ、フローターやミドルショットなどシュートの幅を増やしていかなければいけないと感じました。

 

今西:大会に行く前、トップチームの練習に参加して、自分よりサイズのある選手に対してどのようにプレーすればいいのかを学んでいました。自分としてはそれを実践で活かすいい機会で、どれだけ通用したのか、どこを改善しなければいけないのかがハッキリしました。

 

田中:200センチ以上の選手を擁するU18 中国代表チームに2点差で負けてしまいましたが、あの試合ではサイズに頼らないプレー、泥臭さも大切だと実感しました。

 
 

――5人とも1月19日にLaLa arena TOKYO-BAYで開催される「インフロニア B.LEAGUE U18 ALL-STAR GAME」に出場します。意気込みを聞かせてください。

 

田中:昨年は自分が満足するプレーを発揮できなかったので、今年は同じ2点でも全力でダンクを狙っていこうと思っています。今年も今西選手と同じチームですが、昨年と同じように第1クォーターから点差をつけられてしまうのは嫌なので(笑)。前半からガンガン仕掛けたいと思います。

 

今西:大貴(田中選手)が言ったとおり、昨年はちょっと全員ガチガチで。今年は前半から気合いを入れて臨みたいです。また、僕たちがオールスターという大舞台に立たせてもらえる意味を考えて、高校生らしく全力で、勝つためにプレーしたいです。

 

阿部:今年は第1クォーターだけでなく、すべてのクォーターで上回って勝ちにいきたいと思います!

 

――今西選手は「G-SHOCK スキルズチャレンジ」にも参戦しますね。

 

今西:絶対に緊張すると思いますけど、出場するからには優勝を狙います。ノーミスのつもりですよ。ただ、3ポイントシュートを決められず、タイムアップになることだけは避けたいです……。ドリブル、パスを全力でこなし、落ち着いてシュートを打ちたいと思います。

 
 

――関谷選手はいかがですか? 「ドライゼロ スリーポイントコンテスト」にも出場します。

 

関谷:試合では他チームのみんなと一緒にプレーできることを楽しみたいですね。僕にとってホームなので、お客さんを盛り上げられたらと思っています。スリーポイントコンテスト優勝も狙っていきます。LaLa arena TOKYO-BAYでのプレーには慣れていますからね。渡邊雄太(千葉J)選手には負けたくないです。

 
 

――阿部選手は3大会連続3回目、井伊選手は2大会連続2回目の出場です。

阿部:緊張より楽しみな気持ちでいっぱいです。昨年の沖縄アリーナに引き続き、LaLa arena TOKYO-BAYという最高の舞台に立てることに感謝したいです。自分の持ち味を発揮するのはもちろんですけど、能力の高いチームメートをアシストなどで活かせるように頑張りたいです。

 
 

井伊:個人として昨年に続いて2連勝したいです。また、自分の強みでもある得点とリバウンドで貢献したいと思っています。対戦相手のHELIOSにはユース育成特別枠選手が多いので、彼らに負けたくない気持ちが強いです。

 

――JADEでキャプテンを務める阿部選手から、見るべきチームメートを紹介してください。

 

阿部:小倉貴志(千葉J U18)選手と若野瑛太(名古屋D U18)選手です。2人ともシュート確率が高く、タフショットを決めきれる力があります。対戦相手にすると嫌な選手と一緒にプレーできるのが楽しみです。

 

――今西選手、関谷選手、田中選手がオススメするHELIOSの注目選手は?

 

関谷:佐取龍之介(琉球 U18)選手、阿部真冴橙(仙台89ERS U18)選手かな?

 

田中:佐取選手は3ポイントシュートの精度がすごく高いです。今西選手と関谷選手がドライブを仕掛けて、佐取選手にいいパスを出してくれると思います。あとは佐取選手のセレブレーションに注目してください。面白いものを見せてくれると思いますよ。

 

関谷:真冴橙(阿部選手)阿部選手は大貴(田中選手)と同じ2年生で、将来性があるプレーヤーです。彼らが本来のプレーを発揮できるように、キャプテンの今西選手が引っ張ってくれるはずですよ。

 

今西:もちろん。僕は春田結斗(名古屋D U18)選手。可愛いので注目してください(笑)。

 

――5人を代表して、阿部選手からファンの皆さんへメッセージをお願いします。

 

阿部:僕たちのバチバチな試合を楽しみにしてください。レベルの高い試合をお見せしますので、会場やバスケットLIVEでの応援をよろしくお願いします。

 
 

――田中選手だけではなく、ほかの4人のダンクも期待しています。

 

関谷・井伊:はい!

 

今西:はい……。

 

阿部:僕は飛べないから無理です(笑)。

 
 

――では最後に今後の目標を聞かせてください。

 

阿部:両親をはじめ、コーチ陣やクラブ、学校関係者などこれまで自分を支えてくれた皆さんに恩返しするため、まずはプロバスケットボール選手になること。そして日本を代表するトッププレーヤーになりたいです。

 

今西:中学の時からお世話になっている名古屋Dの中心選手として活躍し、最終的には日本代表として日の丸を背負ってプレーしたいです。

 

井伊:ハンドラーとしての技術を身につけるなどプレーの幅を広げたいです。将来的にはSR渋谷に帰ってきて、プロデビューしたいです。

 

関谷:僕は高校卒業後、スラムダンク奨学金の奨学生としてアメリカへ渡ります。様々な経験を積み、日本代表を含め国内外で活躍する選手になりたいです。

 

田中:僕は宇都宮でプロデビューしたいです。比江島慎選手(宇都宮)を超えるような選手に成長して、「日本は強いんだぞ」ということを世界に見せつけたいです。

 

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