【EASL】琉球ゴールデンキングス、開幕4連勝でファイナルフォー進出決定
開幕から無傷の4連勝で首位をキープ
後半戦に差し掛かっている東アジアスーパーリーグ(EASL)2024-25シーズン。グループB開幕から負けなしの3連勝で首位を走る琉球ゴールデンキングスが、12月25日にホームの沖縄アリーナにニュータイペイキングス(チャイニーズ・タイペイ)を迎えて対戦。82-74で勝利した。この結果、4連勝の琉球は首位の座を堅持するとともにファイナルフォー進出を決めた。
ティップオフをコントロールした琉球は、そのポゼッションこそ実らず先制されたが、#14岸本隆一のレイアップがこぼれたボールを#12ケヴェ・アルマが拾って得点して同点にすると、#14岸本が3Pシュート2本、フローターと連続得点。10-4とまずリードを作った。ニュータイペイはジェイソン・ウォッシュバーン(元横浜BC、琉球、新潟、福島)を中心としたオフェンスで応戦。しかし琉球は#14岸本がさらにトップから3Pシュートを沈めると、ニュータイペイのディフェンスが広がってきたところで#53アレックス・カークのポストプレー、#12アルマのペイントアタックで得点。1Q終了時点で25-21とリードを保った。
2Qに入っても流れは大きく動かず、琉球がわずかにリードする展開が長く続く。クォーター半ば、ニュータイペイの#1ジョセフ、#7ジェレミーのリン兄弟による連続3Pシュートで一時31-33と逆転を許し、桶谷大HCがタイムアウトを要求する流れがあったが、琉球は相手に大きなランを作らせず。#12アルマや#18脇真大の果敢なリムアタックでしぶとく食らいつく。クォーター終盤には#14岸本がこの日4本目の3Pシュートを沈めて43-38。前半終了間際には、ターンオーバーから速攻で失点となりそうな危機を懸命なディフェンスで阻止した後に#15松脇圭志が3Pシュートを成功させて、46-38とリードを広げて後半を迎えることができた。
ハーフタイムのインタビューで桶谷大HCは、「最後は(#15松脇の3Pシュートが)入ってくれたが、まだクロスゲームなのでディフェンスのインテンシティを上げていきたい」と後半への思いを語った。その琉球がインテンシティを高める一方でニュータイペイもインサイドのディフェンスとリバウンドが非常に堅固。3Qの琉球は、#15松脇の3Pシュートが決まった残り5分に57-48とリードを拡大したものの、そこから4Q残り8分43秒までに3-14と押され、60-61とビハインドになってしまった。
試合の流れ上、このタイミングでの琉球が取ったタイムアウトが一つの転機となった。プレー再開後、琉球はさっそく#15松脇の3Pシュートで63-61と逆転。脳震盪から復帰したばかりの#3伊藤達哉が気迫満点のドライビング・レイアップとフリースローを成功させると、#18脇のフィジカルなディフェンスに#45ジャック・クーリーがうまくフォローしてスティール。そのチャンスを#12アルマが豪快なダンクにつなげて一気に69-61として流れを取り戻した。
流れを断ち切ろうとニュータイペイはタイムアウトを要求。その後、#7リンのリムアタックや#55ケネス・マニゴーの3Pシュートなどで得点すると、残り28秒、#55マニゴーの3Pシュートが決まった時点で琉球のリードは77-74と3点差に縮まった。しかし勢いづいた琉球は止まらなかった。最後は残り5.7秒に#14岸本がこの日6本目の3Pシュートをねじ込んで逃げ切った。
琉球は21得点、10リバウンドのダブルダブルを記録した#12アルマがリーディングスコアラーに。岸本は最終的に、3Pシュートが7本中6本の大当たりで得点を20に伸ばしている。#45クーリーも10得点、14リバウンドのダブルダブルで貢献。しかし得点を伸ばした3人以外にも、コートに立った全員が流れを引き寄せるビッグプレーを生んでいた。キャプテンの#34小野寺祥太は3Pシュートが3本中2本成功、貴重なスティールも2つ記録している。
琉球はチームとして3Pシュートが30本中12本成功(成功率40.0%)だったことに加えて、フリースローも16本中14本成功(同87.5%)と非常に高確率。これら1本1本、またその局面でシューターに好機をもたらしたスクリーン一つ一つに価値が感じられる戦いぶりだった。
グループBの戦況はこの日時点で、琉球が4戦全勝で首位。琉球はレギュラーシーズンであと2試合(1月8日[水]にニュータイペイ、同22日[水]にメラルコ・ボルツ[フィリピン]といずれもアウェイで対戦)を残しているが、下位の2チームが3敗していること、さらに現在2敗のニュータイペイとメラルコが1試合直接対決を残しているので、どちらかが3敗することも決まっているため、2位以上が決まった。
#14岸本は試合後のインタビューで、琉球が今季どのチームよりも早くファイナルフォー進出を決められたことについて聞かれ、「昨シーズンはたどり着けなかったので、最低限の結果は残せたかなと」とほっとした様子。「ここから一つ一つ、より良くなっていけるように頑張りたい」と笑顔を見せていた。
琉球は残る2試合に連敗を喫したとしても次のステージに進むことはできる。しかしその2試合とも、昨季アウェイで悔しい黒星を喫したチームとのアウェイゲームだ。それだけに、文句なく勝利して4強の戦いに日本のファンを導いてくれることを期待したい。