B.MAGAZINE編集長・菜波の「TAIWAN FESTIVAL」観戦記(CNAアリーナ☆あきた編)
皆さん、こんにちは。B.MAGAZINE編集長の菜波です。
11月30日、「りそなグループ B.LEAGUE 2024-25 B1リーグ戦」第9節の秋田ノーザンハピネッツvs滋賀レイクスを取材するため、CNAアリーナ☆あきたに行ってきました。
今回の目的は「TAIWAN FESTIVAL」。当日は秋田#0ガディアガ モハマド アルバシール選手と滋賀#7游艾喆(ユウ アイチェ)選手によるチャイニーズ・タイペイ(以下:台湾)代表選手対決が実現し、台湾からの観戦ツアーも企画されました。
試合会場に着き、「TAIWAN FESTIVAL」限定の『台湾カステラヨーグルト』を購入。とても美味しく、カステラは日本のものよりフワフワしていました。『台湾風からあげ』も買おうとしたのですが、残念ながら売り切れ。機会があれば台湾へ行って、食べてみたいです。
ガディアガ選手を熱烈に応援する座席チケット『阿巴西熱烈応援シート』にて試合を観戦。現地から訪れた約60名の方たちと一緒に試合を楽しみました。試合は秋田が73-66で勝利。秋田のディフェンスが良くて、滋賀に押し込まれても立て直していたと思います。
ガディアガ選手は3本の3ポイントシュートを含む11得点に2リバウンド1アシスト2スティールを記録。特に10分間フル出場した第4クォーターの活躍が目立ちました。一方の游選手は2得点4アシスト2リバウンド2スティールにとどまったものの、GAME2では15得点4アシスト6リバウンド1ブロックと躍動しました。
台湾から観戦に来たファンの方、ガディアガ選手、游選手に話を聞くことができました。
「ガディアガ選手と游艾喆選手が対戦する特別な機会なので見に来ました」と明かしてくれたMou Leeiさんは「会場の雰囲気がすごくいいですね。飲食やグッズのブースも充実していて、素晴らしい環境だと思います」とコメント。B.LEAGUEではファイティングイーグルス名古屋#88曾祥鈞(ツェン ヒャンチュン)選手を含め3人の台湾人選手がプレーしており、「台湾でのB.LEAGUE認知度は高いと思っています。今後、B.LEAGUEでプレーしたい台湾人選手が増えるはずです」と期待を寄せました。また、開催地が秋田県だったということもあり、「台湾でも『スラムダンク』が有名です。山王工業高校(「スラムダンク」に登場する高校)に関係する土地ということも観戦に来たきっかけです」と教えてくれました。Charleneさんは「日本のファンはすごく熱いですよね。また、若い人が多い台湾と比較し、ファンの年齢層が幅広いことも特徴だと思います」と、初観戦だったというB.LEAGUEの印象を語りました。
普段からハイライトをチェックし、10月に台湾で開催したポップアップイベントで観戦ツアーへ応募したというChung En Chungさんは、実際にアリーナへ足を運び「応援が独特ですよね。ペンライトを使っていて、(アーティストの)コンサートのようでした。秋田は東京や大阪と比較すると、大きな都市ではないですけど、ファンの皆さんがチーム、選手全員を応援していて、素晴らしいと感じました」と話しました。Shih Wan Yinさんは「私が応援している台北富邦ブレーブスは去年の東アジアスーパーリーグ(EASL)で千葉ジェッツと対戦して、負けてしまいました。初めてB.LEAGUEの試合を見たのは琉球ゴールデンキングスです」と、EASLをきっかけにB.LEAGUEのことを知ったようです。
台湾の大学を卒業後、B.LEAGUEの舞台に足を踏み入れた游選手は「チームメートやコーチ陣が支えてくれて、とても助かっています」と語りつつ、「ファンが一体になっていると感じます。それはホームゲームだけではなく、アウェーも同様です。滋賀レイクスのファンがいてくれてすごくありがたいです」と感謝の言葉。「チームの勝利が一番です。個人的には、日本のガード選手はレベルが高いので、彼らと対戦することで自分自身の能力を向上できればと思っています」と今後の目標をコメントしました。
日本で生まれ、セネガル、台湾で育ったガディアガ選手は「将来は絶対に日本でプレーしたいと考えていました。B.LEAGUEのことは昔から知っています」と明かしました。日本語の勉強にも励んでいるようで、最近覚えたのは「あざっす!」。また、游選手とは代表チームでともにプレーした経験もあり、「同じ台湾出身として家族のような感じです」と話し、「今日は多くの台湾人ファンにも会えてすごくうれしかったです」と、モチベーションにもなったようです。最後に「いつも応援ありがとうございます。会場に来てくれたことはもちろん、いつもSNSを通じて応援の言葉も送ってくれることもとてもうれしいです」とファンへメッセージを送りました。
最後に秋田・水野勇気代表取締役社長のインタビューをお届け。ガディアガ選手、そしてクラブのアジア戦略についてうかがいました。
――まずはガディアガ選手を獲得した経緯を聞かせてください。
水野社長:我々に足りない部分を補っていきたいと思い、今シーズン開幕前に何人かのアジア特別枠選手をピックアップしました。そこでガディアガ選手が候補として挙がり、5月に前田顕蔵ヘッドコーチが台湾まで視察に行きました。ポテンシャルがあり、我々のディフェンスにフィットする選手だったので獲得しました。
――B.LEAGUEでのプレーをどのように見ていますか?
水野社長:台湾のリーグではNBAと同じ1クォーター12分制でプレーしていましたが、B.LEAGUEではFIBAルールの1クォーター10分制になりました。我々の特徴でもあるハードなディフェンスに慣れるのに時間を要すると思いましたけど、1試合ごとに良くなっています。彼の持ち味をもっと活かしていけると思いますし、彼の成長に伴いチーム力も向上するので今後が楽しみです。
――コート外での影響はいかがでしょうか?
水野社長:今日のホームゲームはもちろん、アウェーの試合にも観戦に来てくれる台湾人のファンの方がいます。昨シーズンまでならそのようなことはほとんどなかったと思います。秋田空港と台湾の桃園国際空港を結ぶ直行便が週に2便あります。現地から多くの方に来てほしいですし、国際交流を図っていくことも我々のビジョンです。ガディアガ選手の加入によって台湾との交流を深めていきたいですし、プレシーズンには台湾のチームと対戦する機会を設けられたら面白いと思います。また、我々のメインスポンサーでもあるTDK株式会社さまは台湾に工場があるので、シーズンオフを使ってガディアガ選手に訪問してもらい、現地の方と交流する機会も実現できたらいいですね。
――アジア各国におけるB.LEAGUEの認知度をどのように捉えていますか?
水野社長:クラブ自体がアジアに認知されているかというと、まだまだだと思うので、そこは強化していきたいです。例えば、アジア各国を対象としたSNSアカウントを開設したり、台湾に向けた発信を増やしたり。リーグとしても力を入れている部分ですので、我々はガディアガ選手とともに認知度を上げていきたいです。
――アジア戦略の重要性をどのように感じていますか?
水野社長:我々の本拠地は秋田県ですけど、国内のみならずアジア、世界に飛び出していくのは非常に魅力的です。また、我々が架け橋になり、秋田県としての国際交流を進めていくことにも意義があります。アジアの企業に向けたビジネス面のアプローチも始めていて、特に台湾には可能性があると思っています。
――アジア戦略において、今後はどのようなことを思い描いていますか?
水野社長:B.LEAGUEで優勝して、EASLを含めた国際大会に出場すること。そういう機会があると、認知されていくはずです。まずはB.LEAGUEで勝てるチームを作り、そのなかでアジア特別枠の選手が戦力になるのは大切です。ガディアガ選手はもともとテコンドーをやっていて、バスケットボールを始めた高校生の時はほとんど試合に出ていなかったようです。まだまだ伸びしろがあるので、我々の中心になるほどの選手に成長したら、秋田ノーザンハピネッツはさらに強くなっていくと思っています。
11月30日、「りそなグループ B.LEAGUE 2024-25 B1リーグ戦」第9節の秋田ノーザンハピネッツvs滋賀レイクスを取材するため、CNAアリーナ☆あきたに行ってきました。
今回の目的は「TAIWAN FESTIVAL」。当日は秋田#0ガディアガ モハマド アルバシール選手と滋賀#7游艾喆(ユウ アイチェ)選手によるチャイニーズ・タイペイ(以下:台湾)代表選手対決が実現し、台湾からの観戦ツアーも企画されました。
試合会場に着き、「TAIWAN FESTIVAL」限定の『台湾カステラヨーグルト』を購入。とても美味しく、カステラは日本のものよりフワフワしていました。『台湾風からあげ』も買おうとしたのですが、残念ながら売り切れ。機会があれば台湾へ行って、食べてみたいです。
ガディアガ選手を熱烈に応援する座席チケット『阿巴西熱烈応援シート』にて試合を観戦。現地から訪れた約60名の方たちと一緒に試合を楽しみました。試合は秋田が73-66で勝利。秋田のディフェンスが良くて、滋賀に押し込まれても立て直していたと思います。
ガディアガ選手は3本の3ポイントシュートを含む11得点に2リバウンド1アシスト2スティールを記録。特に10分間フル出場した第4クォーターの活躍が目立ちました。一方の游選手は2得点4アシスト2リバウンド2スティールにとどまったものの、GAME2では15得点4アシスト6リバウンド1ブロックと躍動しました。
台湾から観戦に来たファンの方、ガディアガ選手、游選手に話を聞くことができました。
「ガディアガ選手と游艾喆選手が対戦する特別な機会なので見に来ました」と明かしてくれたMou Leeiさんは「会場の雰囲気がすごくいいですね。飲食やグッズのブースも充実していて、素晴らしい環境だと思います」とコメント。B.LEAGUEではファイティングイーグルス名古屋#88曾祥鈞(ツェン ヒャンチュン)選手を含め3人の台湾人選手がプレーしており、「台湾でのB.LEAGUE認知度は高いと思っています。今後、B.LEAGUEでプレーしたい台湾人選手が増えるはずです」と期待を寄せました。また、開催地が秋田県だったということもあり、「台湾でも『スラムダンク』が有名です。山王工業高校(「スラムダンク」に登場する高校)に関係する土地ということも観戦に来たきっかけです」と教えてくれました。Charleneさんは「日本のファンはすごく熱いですよね。また、若い人が多い台湾と比較し、ファンの年齢層が幅広いことも特徴だと思います」と、初観戦だったというB.LEAGUEの印象を語りました。
普段からハイライトをチェックし、10月に台湾で開催したポップアップイベントで観戦ツアーへ応募したというChung En Chungさんは、実際にアリーナへ足を運び「応援が独特ですよね。ペンライトを使っていて、(アーティストの)コンサートのようでした。秋田は東京や大阪と比較すると、大きな都市ではないですけど、ファンの皆さんがチーム、選手全員を応援していて、素晴らしいと感じました」と話しました。Shih Wan Yinさんは「私が応援している台北富邦ブレーブスは去年の東アジアスーパーリーグ(EASL)で千葉ジェッツと対戦して、負けてしまいました。初めてB.LEAGUEの試合を見たのは琉球ゴールデンキングスです」と、EASLをきっかけにB.LEAGUEのことを知ったようです。
台湾の大学を卒業後、B.LEAGUEの舞台に足を踏み入れた游選手は「チームメートやコーチ陣が支えてくれて、とても助かっています」と語りつつ、「ファンが一体になっていると感じます。それはホームゲームだけではなく、アウェーも同様です。滋賀レイクスのファンがいてくれてすごくありがたいです」と感謝の言葉。「チームの勝利が一番です。個人的には、日本のガード選手はレベルが高いので、彼らと対戦することで自分自身の能力を向上できればと思っています」と今後の目標をコメントしました。
日本で生まれ、セネガル、台湾で育ったガディアガ選手は「将来は絶対に日本でプレーしたいと考えていました。B.LEAGUEのことは昔から知っています」と明かしました。日本語の勉強にも励んでいるようで、最近覚えたのは「あざっす!」。また、游選手とは代表チームでともにプレーした経験もあり、「同じ台湾出身として家族のような感じです」と話し、「今日は多くの台湾人ファンにも会えてすごくうれしかったです」と、モチベーションにもなったようです。最後に「いつも応援ありがとうございます。会場に来てくれたことはもちろん、いつもSNSを通じて応援の言葉も送ってくれることもとてもうれしいです」とファンへメッセージを送りました。
最後に秋田・水野勇気代表取締役社長のインタビューをお届け。ガディアガ選手、そしてクラブのアジア戦略についてうかがいました。
――まずはガディアガ選手を獲得した経緯を聞かせてください。
水野社長:我々に足りない部分を補っていきたいと思い、今シーズン開幕前に何人かのアジア特別枠選手をピックアップしました。そこでガディアガ選手が候補として挙がり、5月に前田顕蔵ヘッドコーチが台湾まで視察に行きました。ポテンシャルがあり、我々のディフェンスにフィットする選手だったので獲得しました。
――B.LEAGUEでのプレーをどのように見ていますか?
水野社長:台湾のリーグではNBAと同じ1クォーター12分制でプレーしていましたが、B.LEAGUEではFIBAルールの1クォーター10分制になりました。我々の特徴でもあるハードなディフェンスに慣れるのに時間を要すると思いましたけど、1試合ごとに良くなっています。彼の持ち味をもっと活かしていけると思いますし、彼の成長に伴いチーム力も向上するので今後が楽しみです。
――コート外での影響はいかがでしょうか?
水野社長:今日のホームゲームはもちろん、アウェーの試合にも観戦に来てくれる台湾人のファンの方がいます。昨シーズンまでならそのようなことはほとんどなかったと思います。秋田空港と台湾の桃園国際空港を結ぶ直行便が週に2便あります。現地から多くの方に来てほしいですし、国際交流を図っていくことも我々のビジョンです。ガディアガ選手の加入によって台湾との交流を深めていきたいですし、プレシーズンには台湾のチームと対戦する機会を設けられたら面白いと思います。また、我々のメインスポンサーでもあるTDK株式会社さまは台湾に工場があるので、シーズンオフを使ってガディアガ選手に訪問してもらい、現地の方と交流する機会も実現できたらいいですね。
――アジア各国におけるB.LEAGUEの認知度をどのように捉えていますか?
水野社長:クラブ自体がアジアに認知されているかというと、まだまだだと思うので、そこは強化していきたいです。例えば、アジア各国を対象としたSNSアカウントを開設したり、台湾に向けた発信を増やしたり。リーグとしても力を入れている部分ですので、我々はガディアガ選手とともに認知度を上げていきたいです。
――アジア戦略の重要性をどのように感じていますか?
水野社長:我々の本拠地は秋田県ですけど、国内のみならずアジア、世界に飛び出していくのは非常に魅力的です。また、我々が架け橋になり、秋田県としての国際交流を進めていくことにも意義があります。アジアの企業に向けたビジネス面のアプローチも始めていて、特に台湾には可能性があると思っています。
――アジア戦略において、今後はどのようなことを思い描いていますか?
水野社長:B.LEAGUEで優勝して、EASLを含めた国際大会に出場すること。そういう機会があると、認知されていくはずです。まずはB.LEAGUEで勝てるチームを作り、そのなかでアジア特別枠の選手が戦力になるのは大切です。ガディアガ選手はもともとテコンドーをやっていて、バスケットボールを始めた高校生の時はほとんど試合に出ていなかったようです。まだまだ伸びしろがあるので、我々の中心になるほどの選手に成長したら、秋田ノーザンハピネッツはさらに強くなっていくと思っています。