11月19日(火) 2023-24シーズン(2023年度)クラブ決算概要発表会見 レポート
11月19日、B.LEAGUEオフィスにて2023-24シーズン(2023年度)のクラブ決算概要発表会見が行われました。
B.LEAGUEがクラブ決算についての発表を行うのは、積極的な情報開示を通じたスポーツ界の発展や、クラブ経営の透明性を高めステークホルダーからの信頼を向上させることが目的です。
昨年度(2023-24シーズン)のB1、B2クラブの決算としては、営業収入が552億円で、入場料収入は昨年から44.8%、スポンサー収入は昨年から26.7%の伸びを見せました。ここにリーグの収入を加えると632億円となります。
入場者数は前年の323万人から452万人へと伸び、入場料収入の大きな飛躍に繋がりました。FIBAバスケットボールワールドカップ2023から続くバスケへの関心の高まりに加え、2026-27シーズンからスタートするB.LEAGUE PREMIERの審査のために入場者数、売上の数字を作る必要がある各クラブの経営努力もあり、入場料収入は大きく伸びました。
B1のトップチーム人件費は前年の147億円から174億円へと増えていますが、営業収入に対する人件費の割合は43.1%から39.8%へと下がっています。B2でも47.3%から35.9%へと営業収入に対する人件費の割合は下がりました。人件費のコントロールはクラブ経営の安定に非常に重要なところで、島田慎二チェアマンは「各クラブがここを意識しながら編成をしていく雰囲気が見える」と語ります。また、B1のトップチーム人件費は平均すると7.3億円で、B.LEAGUE PREMIERのサラリーキャップで設定された8億円に近い数字となりました。「税金を除いたりするため完全に一致はしませんが、(サラリーキャップの)8億円が飛び抜けて高いようには見えないと思います」と島田チェアマンはコメントしました。
クラブ経営の健全化は、赤字クラブ、債務超過クラブの数にも表れました。前年は20あった赤字クラブは5まで減り、6あった債務超過クラブは0になっています。
クラブ個々の数字に目を向けると、千葉ジェッツ、アルバルク東京、琉球ゴールデンキングスの3クラブが初めて営業収入30億円超えを達成しました。20億円超えは7クラブとなっています。新アリーナ開業により入場料収入が大幅増となったのが群馬クレインサンダーズと佐賀バルーナーズで、群馬は+125%、佐賀は+186%と入場料収入を伸ばしました。
B.LEAGUE PREMIER参入を見据えて収入を大きく伸ばしたクラブがある一方で、後のB.LEAGUE PREMIER参入予備軍としてB2クラブの好調も目立ちました。福島ファイヤーボンズは年間500回以上の地域活動の実施が評価され、スポンサー収入が増加しました。
ベルテックス静岡は自治体と連携協定を結び認知拡大を図ったことにより、熊本もオーナーチェンジを経てがあり親会社の社員とクラブスタッフが法人営業の連携強化をしたことで、スポンサー収入を伸ばしています。
B2の躍進は他でも目立っており、B1、B2全体で入場者数は前年の323万人から452万人へと39.9%の伸びを見せましたが、特にB2では56万人から97万人(+73.2%)と伸びが顕著でした。
島田チェアマンは各クラブの好調な業績について「私が千葉Jを離れた時には想像できなかった数字」と率直な印象を語ります。「当時は18億円だった(千葉Jの)売上が30億円超えです。30億は一つの節目、20億円とは全然違うレベル感です。千葉Jは船橋アリーナでこの数字を作り、新アリーナとなる今シーズンは40億が見えてくることもあり得ます。A東京も新アリーナができればそのレベル感になって、近いうちに30億円がトップではなく普通になると思います」
「12億円のハードルが高いと言われていましたが、蓋を開けたらこうなっています。9億円または12億円ギリギリのクラブがB.LEAGUE PREMIERに入って売上を伸ばしていけば『本物』かと思います」
また、今後そうしたクラブが増えていった際に生まれた利益は「賃上げ」に充て、報酬が上がることでこの業界で頑張りたいという状況を作ったり、外部から優秀な人材を呼び込み成長のエンジンにしたり、そういうことがクラブの安定性に繋がると語った。
下記WEBページより、開示資料をご確認いただけます。
https://www.bleague.jp/about/management/