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【EASL】優勝して世界に示す、琉球ゴールデンキングスの挑戦(EASLグループB展望)

2024.10.09

見どころ・レポート

 

桶谷大HC「組織力をプラスαにして勝ちたい」

「日本のバスケは世界に注目される存在になっています。日本のキングスが東アジアの大会で優勝することを世界に示すことが大事です」。9月27日に行われたEASLに向けての記者会見、琉球ゴールデンキングスの桶谷大HCは、そう抱負を語った。今年は直前にイタリア遠征で海外チームとの戦いも経験。「アウェーでの戦い、そしてオン・ザ・コート2(外国籍選手の同時出場は2人まで)の戦いを経験できました」とEASLに向けて準備ができたていると示した。

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広島:https://hiroshimadragonflies.com/news/detail/id=19847
琉球:https://goldenkings.jp/news/detail/id=20542

琉球は今オフ、ショットクリエイターの今村佳太が名古屋Dへ、さらにハンドラーとしても貢献していた牧隼利が大阪へ移籍。チームの象徴である岸本隆一は健在だが、ハンドラーには不安を残している。伊藤達哉(昨季名古屋D)、昨年のインカレでMVPに選ばれた期待のルーキー脇真大(白鷗大出身)がどれだけ存在感を発揮できるかはポイントになるだろう。
一方、フロントラインは盤石だ。ジャック・クーリー、アレックス・カークが元気で、ヴィック・ローもいる。そこに中でも外でも柔軟なプレーができるケヴェ・アルマが加わり、より強みになる予感がする。実は10月2日時点でロスタースポットが1つ空いている。りそなグループ B.LEAGUE 2024-25 SEASON、天皇杯、そしてEASLを戦い抜くためには体力も考慮しなければならない。この1枠をどう使うか、注目である。

「イタリアの試合の中で、日本のバスケはスピードと細かい遂行力という部分で秀でていると感じました。東アジアのバスケは日本と似ているところもあるので、組織力をプラスαにして勝ちたいと思います」と桶谷HC。昨季まで宇都宮のHCを務め、男子日本代表のAコーチでも活躍していた佐々宜央がアソシエイトヘッドコーチに就任したことで、スタッフ面にも厚みを増した。そこも組織力を高めることにつながりそうだ。
その琉球はグループBに入り、韓国の釜山KCCイージス(KBL優勝)、台湾のニュータイペイキングス(P.LEAGUE+優勝)、フィリピンのメラルコ・ボルツ(PBAフィリピンカップ優勝)、マカオ・ブラックベアーズ(マカオ特別行政区優勝)とファイナル4進出を争う。
琉球のEASL初戦は10月16日、ホームでのメラルコ・ボルツ戦である。昨年のグループラウンドでも対戦し、結果は1勝1敗。ロードゲームは悔しい結末になった。4点リードして迎えた4Q残り14.6秒、メラルコのクリス・ニューサムが3Pシュートを沈めたが、その際に小野寺祥太のファウルをコールされ、4Pプレーとなって同点に。そのままオーバータイムに突入して競り負けたのだ。勝利の立役者となったニューサムは、その後フィリピンカップで優勝に貢献してファイナルMVPも獲得。今年もロスターに残っていて、エースとなる。また昨季まで3年間、琉球のジャージーを着ていたアレン・ダーラムや211cmの帰化選手アンジュ・クアメを補強した。そのダーラムについて、桶谷HCは「攻撃のバリエーションを持っている選手なので、チームとして守る必要があります」と対策を語ると、小野寺は「弱みも知っているので生かしたいです」とアピールしている。補強の一方で得点源となっていたザック・ロフトン、プリンス・イベが移籍したことはマイナスと言っていいだろう。
まずは10月16日、沖縄アリーナでは大声援を受けて優位に進められるはず。さらに2025年1月22日の敵地でも対戦予定だ。

続いて10月30日(敵地)に琉球が戦うのが、EASL所属として参加するマカオ・ブラックベアーズ。2017年創設と歴史は浅いチームだが、ポテンシャルは高そうだ。話題となっているのは、9月9日に契約したサミュエル・デグラ。228cm(231cmという説も)という高身長センターで、一瞬の速さこそないものの高さを生かしてダブルダブルを期待されている。またケビン・コネリーGMが「EASLでサプライズを見せるはず」と評価するのがジャンタル・サイラだ。アメリカ人フォワードの魅力は、高い身体能力とプルアップジャンパーである。加えてピック&ロールからのシュートを得意とするダミアン・チョンキ、カナダ系中国人のジェニング・レオンもスコアリング能力が高い。琉球のディフェンス対マカオのオフェンス、見応えある試合になりそうだ。

強力ロスターを擁す釜山KCC、ニュータイペイ

マカオ戦後、約1ヶ月を空けて12月4日にホームで迎え撃つのが、KBL王者の釜山KCCイージスだ。平均18.8得点をマークしてファイナルMVPを獲得したホ・ウンとソン・ギョチャンという韓国代表、さらにベテランのイ・スンヒョン、チェ・ジュニョンというカルテットは皆、平均2桁得点を期待できる。さらに元NBAサンダーのタイラー・デイビス、デオンテ・バートンという強力インサイドもいる強力ロスターを擁している。ちなみにリーグ制覇後の4月に出場したバスケットボールチャンピオンズリーグ・アジアで釜山KCCは、広島ドラゴンフライズに77-107で敗れている。

残る2試合は12月25日にホームで、2025年1月8日に敵地で対戦するニュータイペイキングスである。かつてNBAニックスで世界から注目を集めたジェレミー・リンがいるチームと言った方がピンと来るかもしれない。EASLでは昨年4位になったが、さらなる補強に成功したことで、大会オフィシャルサイトは“優勝候補”と紹介している。
フロントラインから説明すると、台北富邦ブレーブスでエースだったクリス・ジョンソン(元NBAティンバーウルブズ)、同じく桃園パウイアン・パイロッツで最優秀外国籍選手賞を受賞したジェイソン・ウォッシュバーン(元横浜BC、琉球、新潟、福島)を獲得し、SFには3Pシュートを得意とするオースティン・デイ(元NBAピストンズ)もいる。続いてバックコートはジェレミー・リン、弟のジョセフ・リン、昨年のファイナルMVPリー・カイヤンという実力も経験もある3人で回す予定だ。豪華な顔ぶれを見ると、確かに優勝候補という評価も頷ける。

琉球とニュータイペイは昨年も対戦。ホームで快勝した一方、敵地ではクラッチタイムでジェレミー・リンにディープ3Pを射抜かれて敗戦という悔しい経験をした。もちろん、その借りを返すべく戦うことになるが、優勝候補と言われるニュータイペイに連勝できれば、勢いが増すはず。いかに歯車を狂わせるか。琉球のディフェンス力に期待である。

「このチームは経験不足な部分があるかもしれないです。けど試合を積み重ねていくにつれて成長し続けています。それをキープできれば、日本一のチームになり、EASLも勝ち取る力が出てくると感じています」と言う桶谷HC。EASLは半年という長丁場である。その中でうまく積み上げていくことができるか、一昨シーズンのBリーグ初優勝に次ぐ“ゴールデンキングスの戴冠”に期待したい。

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