【日本生命 B.LEAGUE FINALS 2023-24 GAME2 試合後会見】最終決戦に持ち込んだ広島・エバンス「コート上のコミュニケーションは本当に素晴らしかった。GAME3もしっかりとやる」
【(C) B.LEAGUE】
5月26日、横浜アリーナで日本生命 B.LEAGUE FINALS 2023-24 GAME2が行われ、広島ドラゴンフライズが琉球ゴールデンキングスに72−63で勝利した。両者の対戦成績は1勝1敗。28日のGAME3に勝った方がシーズン王者となる。 本稿では広島の試合後会見の模様をお届けする。
登壇者:カイル・ミリングヘッドコーチ(HC)、#12中村拓人、#13ドウェイン・エバンス
ーーチームを代表してミリングHCから、本日の試合の感想をお聞かせください。
ミリングHC 本当にタフなバトルだったなと思います。昨日の後半のような出だしをしっかりと今日の前半から出していけたのかなと思います。そういうリズムが出だしからしっかりと作れたので、私たちも自信を持って40分間最後までそれが続けられたのかなと思いますし、この横浜アリーナでしっかりと自分たちのバスケットボールができると試合前に自信を持っていました。選手たちは本当に素晴らしかったです。
【(C) B.LEAGUE】
ーーミリングHCに伺います。昨日は出だしに琉球のオフェンシブリバウンドを警戒して、さほどスイッチをしていなかった印象でした。その代わり、3ポイントで15本決められました。今日は河田選手を入れて、スイッチディフェンスをたくさん増やしていた印象です。オフェンスリバウンドの部分もコントロールしつつ、 3ポイントを34本打たれたんですけど、10本の成功でした。3ポイントへのアプローチで変化はあったのでしょうか?
ミリングHC 昨日のゲームのビデオをしっかりと見ていたんですけども、やはりディフェンスのミスからの3ポイントシュートが多々ありました。トランジションで昨日も3本くらいイージーシュートの3ポイントをやられてしまって、ディフェンスは私が数える限りでは6~7個ぐらいのミスでイージーなシュートを簡単にやられてしまった印象でした。ミスは誰でも起こり得るっていうのはあるので、私たちの目標としては、今日そのミスを減らすのを目標に掲げてディフェンスしたんですけども、その効果が出ていたのかなと思います。もちろん、琉球さんも3ポイントを何本か打っていたんですけども、ほとんどがおそらくコンテストのシュートで、結構タフなシュートだったと思いますので、それが本当にディフェンスに生きていたのかなとは思います。
ーーエバンス選手に伺います。今日の出だし、すごくペイントアタックが増えたように感じました。 河田チリジ選手がいる時のペイントアタックの仕方はしっかりと考え方を持っていないとできない部分でもあると思うんですけども、どういった自分の中でアタックの仕方を考えていたのでしょうか?
エバンス チリジがいる時は、スペーシングが大事になってくるのかなと思います。相手も結構スイッチはしていたので、本当にアグレッシブに、ジャック・クーリー選手に対してであったり、アレックス・カーク選手に対して結構アタックを心がけて、今日の出だしからしっかりとやれたのかなと思っております。
ーー中村選手に伺います。エバンス選手と苦しい時間をゲームメイクしていた時のミドルレンジジャンパー含め、すごくキープレーがたくさんありました。3Qの波のある時間帯でどういうパフォーマンスを心がけていたのでしょうか?
中村 あの時間帯は点数が取って取られる、本当に苦しい時間帯ではあったので、とにかくターンオーバーを減らすことを意識してやっていました。その中でもしっかりとオフェンスをやり切ることによってディフェンスにしっかりと戻れると思うので、そういったところを意識して。あの時間帯はターンオーバーを少なくすることと、オフェンスをいい形で終わることを意識してやっていました。
ーーエバンス選手に伺います。昨日のGAME1では7得点に抑えられましたけれども、今日は16得点でチームトップの活躍を見せました。どう切り替えて臨んだのでしょうか?
エバンス 昨日とはあまり変わっていないマインドセットだったのかなと思います。個人としては常にアグレッシブで、コート上では常にアグレッシブでやっていこうという意識は常に持ってやっているので、本当に今日も同じマインドでやってはいました。昨日も振り返ると、オフェンスを見てもコート上の5人がずっと立っている状況の時間が多々あって、それは僕自身もそうですし、チーム全員のオフェンスが停滞していた時間がありました。今日はしっかりとパスをよく回っていましたし、本当にチームのオフェンスがよく効いていた印象はあります。
【(C) B.LEAGUE】
ーーミリングHCに伺います。昨日は出だしに琉球のオフェンシブリバウンドを警戒して、さほどスイッチをしていなかった印象でした。その代わり、3ポイントで15本決められました。今日は河田選手を入れて、スイッチディフェンスをたくさん増やしていた印象です。オフェンスリバウンドの部分もコントロールしつつ、 3ポイントを34本打たれたんですけど、10本の成功でした。3ポイントへのアプローチで変化はあったのでしょうか?
中村 昨日の敗戦から僕たちのディフェンスが今日やったことだと思うので、そこを改めてチームの中でも共通認識を持ってしっかりと準備をしましたし、それが結果的に良い流れに繋がったので、そこは引き続き次のゲームもやっていかないといけない。ミスコミュニケーションのところが何個かあったので、そういったところは修正してやっていきたいなと思います。
ーーミリングHCにお聞きします。今日は先発に河田と#8ケリー・ブラックシアー・ジュニアを入れて、だいぶ動かしてきました。その辺りの狙い、意図、そしてそれが狙い通りだったかを教えてください。
ミリングHC プランとしては「勝利」が大きなプランだったんですけど。昨日のゲームを振り返ると、後半のビッグラインナップが結構効いていたので、今日の出だしは本当にいい出だしをしなきゃいけないと思いました。ちょっと変えてビッグラインナップでスタートしてみようかなと考えて今日を迎えたんですけど、それが良い形で効果が出ていたんじゃないかなと思います。ビッグラインナップだけじゃなくて、レギュラーラインナップもしっかりと良い効果が出ていましたので、次のGAME3は今日の試合を見て、反省点とかを色々見て、どうしようかなというのはまだ考えている。次に向けてまた準備できればと思います。
ーーエバンス選手にお聞きします。今日は本当にディフェンスをしっかりとした、ドラフラらしい試合だったと思います。GAME3、優勝へ向けて、どんなところが大事になってきますか。
エバンス コンシスタンシー、一貫性だと思います。この試合内容をGAME3も40分間やらなきゃいけないと思いますし、今日もディフェンスのコート上の5人のコミュニケーションは本当に素晴らしかった。GAME3もしっかりとやらなければいけないと思います。
【(C) B.LEAGUE】
ーー中村選手に伺います。出だしの先制の2点でチームに勢いがついたと思います。あれはもう絶対に決め切るというか、乗せるというような意図があった感じでしょうか?
中村 そうですね。ノーマークでボールもらったので、決める気持ちを持って打ちました。
ーー#30山崎稜選手の象徴的なシーンがあったと思うんですけれども、そのパスする前にすごい笑顔というか、中村選手が笑っていたんですよね。アイコンタクトもあったと思うんですけど、どういう心境だったか教えてもらえますか。
中村 本当にシュートがうまい選手なので、もうパスを出した瞬間に入るなというのは思っていましたし、信頼関係というか、僕自身もノーマークであったらどんどんどんどんパスを出したいと思っています。常にそういう話はできているので、空いてたので出して、本当に決めてくれた感じです。
ーー最後の1本を打った後、ご自身も笑顔出ましたね。
中村 ゲームも最後の方だったので、とにかく決め切ることだけを意識していました。それが決まって僕自身も決められたのは良かったなと思いますし、ノーマークであったら僕自身思い切り良く強気で打とうというのは常に思っているので、そういったところは続けていきたいなと思います。
ーーミリングHCにお伺いします。先ほど中村選手がディフェンスの改善点はお話されましたが、ヘッドコーチからどのあたりを修正してスイッチディフェンスが効いたと思っていますか?
ミリングHC もちろんディフェンスは常に改善しなければいけない点が恐らくあると思います。言った通り、ビックアンドロールディフェンスを具体的にどうするかが分からないですけれども、しっかりと良くしなければいけない部分はあると思いますし、スイッチディフェンスもビッグラインナップの時は良くしていけない部分はあると思います。僕らの全体的な目標としては、ミスをどれだけ少なくするかが課題になってくるので、それが私たちの共通認識でやっていることではあります。今日の課題というか目標としては、リバウンドが今日のメインのフォーカスだったのかなと思います。昨日の試合を振り返っても、琉球さんはベストなリバウンドチームなので、かなりやられてしまった部分があったんですけど。でも今日、特にガード陣がほんとにアグレッシブに取っていってくれましたので、本当に効果が出ていたなと思いますし、特に#5アイザイア・マーフィーもアグレッシブにリバウンドを取ってきてくれたので、本当にそこは素晴らしいことだったと思います。それをGAME3もしっかりとやらなければいけないと思います。
ーーミリングHCに伺います。今、チームは「下克上」というキーワードで勝ち進んでいるかと思うんですけれど、「下克上」って意味をご存知かどうかっていうのと、「下克上」を果たすためにあと1勝、何が必要になってくるかを教えてください。
ミリングHC 「下克上」の意味としては分かってはいなかったので通訳が伝えたんですけど、本当にチーム全体としても若いプレイヤーが多いですし、シーズンを通して1人1人が成長していってくれたと思います。特に寺嶋良が怪我をしてアウトになってしまった時ですね。おそらく皆、周りの数人かは今年の広島は難しいかもしれないという声が上がっていましたが、1人1人の気持ちでこうやってCSにも出場できましたし、中地区王者と西地区王者を倒してきました。まだそれでも周りでは琉球さんにスイープされるだろうという声も上がっている中で、こうやって互角な戦いをしているので、選手たちの成長というか、選手たちの気持ちが、本当に私たちも毎試合毎試合驚かされている部分があるので、しっかりとGAME3で私たちの力を証明できればと思います。
ーー中村選手は寺嶋選手と仲が良いと伺っているんですけど、プレーオフやファイナルを前に何かメッセージがあったりしましたか?
中村 このCSに入る前も良さんからメッセージをいただいて、「頼んだぞ」と連絡をもらって、 それは良さんが怪我で出れなくなった3月頭の時に言われた言葉でもあって。その時から僕はずっと良さんのためにというか、僕自身も頑張らないといけないなと思っていました。
ーーその寺嶋選手の故障を受けて、3月の頭くらいから先発になって、チームを堂々たるプレイで引っ張って、優勝まであと1勝っていうところに迫ってるんですけど、 中村選手ご自身もこの2か月ぐらいのご自身のパフォーマンスへ自信とかが変化しているのか、それともマインドセットとかは全く変わらないまま今ここまで来ているのか、その辺りについて教えてください。
中村 もちろんスタートになってからは本当に責任感はさらに感じるようにもなりました。でも、このシーズンが始まった時から常にやれる準備はしてましたし、メンタルは常に準備していたので、それがスタートになったからといって大きく僕の中では特に変わることはなくて。常に僕のパフォーマンスで100%のパフォーマンスをしようってことだけに集中してやっていたので、 それが結果的にチームメイトに助けられながらこの舞台まで来られたのは、本当にこのチームを誇りに思います。その中で一員として貢献できたらなと思っているので、気持ちは変わっていないです。最後、火曜日のゲームもありますけど、そこの気持ちは強く持ってやりたいなと思っています。
取材・文=加賀一輝