【日本生命 B.LEAGUE FINALS 2023-24 GAME2レポート】広島が逆王手をかける、ディフェンスからカギを握って琉球との競り合いを制す
【(C) B.LEAGUE】
琉球ゴールデンキングス(西地区2位)が連覇を果たすのか? それとも広島ドラゴンフライズ(西地区3位/ワイルドカード)が逆王手をかけるのか? 5月26日、横浜アリーナで日本生命 B.LEAGUE FINALS 2023-24 GAME2が行われた。
琉球は#7アレン・ダーラム、#14岸本隆一、#30今村佳太、#34小野寺祥太、#45ジャック・クーリーがスターターに。広島は第1戦に変化を加えて#8ケリー・ブラックシアー・ジュニア、#12中村拓人、#13ドウェイン・エバンス、#15河田チリジ、#30山崎稜という5人で試合は始まった。広島はまず#12中村がミドルシュートを決めると、琉球は#34小野寺がすぐさま左コーナーから3Pシュート。互いにファーストオフェンスを成功させた。その後、シュートが弾かれる琉球に対して、広島は得点源の#13エバンスが積極的にシュートを放って追加点。さらに#8ブラックシアー・ジュニアが3Pシュートで、#15河田がインサイドで決めて11-3と好スタートを切る。離されたくない琉球は、#30今村の3Pシュート、#53アレックス・カークのインサイドと個の力で打開するが、広島は攻防でいいリズムをキープ。#13エバンス、#12中村がゴールにアタックして得点すると、#30山崎、#5アイザイア・マーフィーが3Pシュートを沈めてリードを作り、21-14で1Qを終えた。
2Q、琉球は広島#15河田、#8ブラックシアー・ジュニアの頑張りもあってリバウンド争いで苦しむが、#4ヴィック・ロー、#88牧隼利、#7ダーラムが続けて3Pシュートを沈めて25-25と追いつく。ここでタイムアウトを取った広島はボールを動かしていくが、ターンオーバーも出て乗り切れない。同点になってから約3分間、スコアが動かず。#13エバンスのフリースロー、#30山崎の3Pシュートと先に得点していったのは広島だったが、琉球は#14岸本、#7ダーラムの得点で追いつくと残り1分、#14岸本のオフェンスリバウンドから#4ローが3Pシュートを成功。34-30と逆転してハーフタイムを迎えた。2Pシュートは琉球6/10に対して広島6/20、3Pシュートは琉球6/18に対して広島5/9。リバウンド争いでは広島の16-15とほぼ互角という前半だった。
決していい流れがではない中で2Qを20-9とした琉球。3Q序盤、#53カークのダンク、#4ローが3本目のスリー、さらに#7ダーラムのティップイン、#30今村のレイアップと立て続けに決めて43-32と2桁差にする。
いい形でシュートが打てなかった広島だが、#13エバンスのプルアップ3Pからいい流れを作っていく。フリースローでこつこつ返すと早い展開から#30山崎の3Pシュート、#8ブラックシアー・ジュニアのフリースロー、#13エバンスのジャンパー、#12中村のジャンパーと約5分間で14-0のラン。一気に捉えたが、琉球はすぐに#15松脇圭志がスリーを沈めて46-46と同点に。結局、広島の48-47で3Qを終えた。
4Qは開始から激しいディフェンスを見せ合う展開に。先に流れを掴んだのは広島だった。#8ブラックシアー・ジュニアに続いて#10上澤俊喜が3Pシュートを沈めて5点差にすると、#10上澤がさらにロング2Pも決めて56-49とした。ここでタイムアウトを取った琉球は慌てずオフェンスを作っていこうとするが、広島は簡単にスペースを与えず。逆にトランジションから#30山崎がスリーを決めて60-49と2桁差を作る。その後は一進一退の攻防となるが、広島は#12中村のレイアップ、#13エバンス、#24ニック・メイヨのプルアップジャンパーで点差をキープ。琉球は終了間際に#14岸本、#4ローがスリーを沈めて望みをつないだが、広島が72-63でシーソーゲームをものにした。
最終的に広島は、11/18(61.1%)と琉球(10/34で29.4%)を上回る3Pシュートをマーク。琉球から14本のターンオーバーを引き出し、そこから31得点を挙げた。また#8ブラックシアー・ジュニア(10得点)、#12中村(13得点)、#13エバンス(16得点)、#30山崎(14得点)と先発の内4人が2桁得点を記録している。
1勝1敗で迎えるGAME3は5⽉28日(⽕)、19:05TIPOFFとなる。
オンコートインタビュー
カイル・ミリングHC
――大きな1勝を掴みました。
「本当に今日もタフな戦いだったと思います。昨日は琉球さんにチャンピオンの魂を見せつけられてしまったなと思いましたが、私たちもしっかりとハートで今日は戦ってファンの皆様のために、広島のために今日は勝てたと思います」
――今日は先発メンバーに少し変更を加えました。
「昨日は出だしがあまりよくなかったので、流れを変えてスターティングを変えようと思いました。今日スタートの流れがよかったので次の火曜日、どういった戦略でいくかまだ考えている途中なんですけど、またしっかりと気を引き締めて頑張りたいと思います」
――一時逆転を許しましたが、3Qから見事な盛り返しで逆転しました。
「選手たちの努力は本当に素晴らしいものがありました。それが私たちの一つの強みだと思います。10点差だろうが15点差だろうが、本当に諦めずに最後まで戦うというのが、私たち広島ドラゴンフライズだと思います。本当に強みだと思います」
――会場に駆けつけた広島ファンの応援はどう感じていますか?
「広島ドラゴンフライズのファンは素晴らしいです。たくさん元気をもらいました」
――ファンに向けて第3戦への意気込みをお願いします。
「来てくれてありがとうございます。火曜日、大きいゲームがあります。どうぞサポートしてください。皆さん、一、二、三『勝ちじゃけぇ!』」
#30山崎稜
――大きな1勝です。
「昨日僕らのエナジーが足りなくて、なかなか決勝にふさわしくないというような内容の試合をしてしまったので、今日はもう最初からエナジー全開で、チーム全員で臨んだ結果が勝利に繋がったと思います」
――3Pシュートは5分の4でした。
「空いたのを見逃さずにパスをくれたチームメイトに感謝です」
――チャンピオンシップを通じて素晴らしい3Pシュートの確率ですね。
「色々聞かれるんですけど、特に意識していることはないので、自信を持って打つということと、あとは『やってやるぞ』という気持ちでやっています」
――一時リードをされてからの追い上げ、どんなことをチームメイトと話していましたか?
「前半を我慢して何とか食らいついていけば、僕らは後半に強いというのはわかっていますし、自分たちのリズムを取り戻せるというのはわかっているので、そこを本当に我慢して食らいついて、後半に一気に盛り返すという形だったのかなと思います」
――最終戦に向けて意気込みをお願いします。
「明日まずはしっかり休んで、また火曜日に皆さんここでお会いしましょう」
#13ドウェイン・エバンス
――逆転勝利した試合を振り返ってください。
「(日本語で)すごいですね。この雰囲気はすごいですよね。今日、チームのみんな、最後まで戦い抜いた。本当に誇りに思います」
――ファンが作った会場の雰囲気はいかがですか?
「本当に最高です。皆さんが作ってくれた、この雰囲気のアリーナでこうやってプレーできて勝てて本当に最高な気分です。また火曜日もぜひサポートをよろしくお願いします」
――立ち上がりや3Qも積極的にアタックしましたね。
「チームメイトがいいポジショニングをしてくれたし、アグレッシブでしたね。今日、パッシングゲームが前半からいい出だしでできたので、後半もいい流れでできたのかなと思います」
――最終戦に向けて意気込みをお願いします。
「どう言おうかな(日本語で。ファン爆笑)もう一度応援お願いします」
#15河田チリジ
――今日はどんな思いでスターター出場しましたか?
「昨日は前半、出だしが本当に悪かったので、チームの共通認識として、出だしからしっかりアグレッシブにやらなければいけないとわかっていましたし、私もしっかり集中して、やれることができたと思います」
――素晴らしいプレーでした。チームとしては何がうまくいきましたか?
「全体的にディフェンスが良かったと思います。それが私たちの強みでもあると思いますし、やっぱりいいディフェンスをしてからのいい流れのオフェンスっていうのが、終始できていたのかなと思います」
――先発起用で燃えるものはありましたか?
「こういったファイナルでプレーするということは私も含めて全員が光栄に思っているし、素晴らしいと思っています。僕もそうなんですけど、選手一人一人がすべてを出し尽くしていこうという気持ちでやりました」
――第3戦に向けて、チャンピオンへの意気込みをお願いします。
「広島のファンの皆さん、本当にサポートありがとうございます。火曜日もまた試合がありますので、ぜひまたお越しいただいて、応援をよろしくお願いします。ありがとうございました」
取材・文=月刊バスケットボール編集部