【レポート】滋賀レイクスがB2年間優勝、MVPはジャスティン・バーレル…ホームの大声援を受けて連勝
越谷を連破した滋賀がB2年間優勝を果たした【(C) B.LEAGUE】
5月18日、19日の2日間、滋賀ダイハツアリーナで「日本生命 B2 PLAYOFFS FINALS 2023-24」が開催。西地区1位の滋賀レイクスと東地区2位の越谷アルファーズが対戦しました。
滋賀はクォーターファイナル初戦で青森ワッツに苦杯。あとがない状況で臨んだ第2戦を制すと、第3戦もものにしました。セミファイナルの相手は山形ワイヴァンズ。初戦を5点差で競り勝つと、第2戦は97得点を奪うオフェンス力を見せつけ、2連勝でB1復帰を決めました。
越谷は熊本ヴォルターズとのクォーターファイナル2試合をともに100点ゲームで快勝。勢いままにアルティーリ千葉とのセミファイナルに進みました。オーバータイムに突入した第1戦を4点差で競り勝つと、第2戦も勝負強さを発揮して75-72で勝利。2連勝でB1初昇格を飾りました。
18日に行われた初戦は、両チームの最大リードが9得点という接戦。40分間で決着がつかずにオーバータイムにもつれ込むと、#4ライアン・クリーナー選手と#12ブロック・モータム選手の3連続得点で抜け出した滋賀が96-87で先勝しました。
試合は滋賀#15キーファー・ラベナ選手、越谷#7松山駿選手と、両チームが3ポイントシュートを沈めてスタート。越谷は#18星川堅信選手も続くと、#7松山選手が2連続で決めれば、#32ジャスティン・ハーパー選手も長距離砲を射抜き、第1クォーター残り4分55秒に11-21と10点のリードを奪いました。
たまらずタイムアウトを取った滋賀は#4クリーナー選手の3ポイントで反撃の兆しを見せると、#24ジャスティン・バーレル選手が“3点プレー”。接戦に持ち込み、同点で迎えた残り4秒に#16野本大智選手のジャンプショットで27-25と逆転に成功しました。
第2クォーターは序盤から滋賀のペースで、#4クリーナー選手がインサイドで得点を挙げれば、#12モータム選手が3ポイントシュート。残り5分のオフィシャルタイムアウトまでに38-29と突き放しました。
食らいつきたい越谷は#7松山選手が相手のファウルを受けながらシュートを決めると、直後のフリースローも成功。#75井上宗一郎選手にも長距離砲が飛び出し、第2クォーター残り2分21秒に1点差まで詰め寄りました。その後、滋賀が再び反撃。#14柏倉哲平選手の3ポイント2本などで加点し、52-47と5点差で試合を折り返しました。
第3クォーターは#18星川選手、#75井上選手の3ポイントで追い上げる越谷に対し、滋賀もルーキーの#34湧川颯斗選手が長距離砲を射抜くと、#24ジャスティン・バーレル選手が豪快ダンクを炸裂。アリーナは大盛り上がりを見せ、残り5分1秒に63-57とリードを6点に戻しました。中盤以降も形勢は変わらず、滋賀リードのまま試合が推移。71-66と5点差で勝負の10分間に突入しました。
チーム最多25得点を記録したジャスティン・バーレル【(C) B.LEAGUE】
第4クォーターは#34湧川選手の得点で滋賀が先制すると、#15ラベナ選手や#24バーレル選手、#12モータム選手と、出場選手がバランス良く加点。#7松山選手や#0LJ・ピーク選手に得点を許す場面もありましたが、82-75と7点差でオフィシャルタイムアウトを迎えました。
試合終了残り2分24秒に#0ピーク選手のフリースローが決まって86-82と4点差。同1分49秒に越谷の#5アイザック・バッツ選手が2本のフリースローを外すと、一方の滋賀は#4クリーナー選手が2本中1本を沈めました。同48.3秒には#12モータム選手がブザーと同時にシュートを成功。7点差に広がったところで越谷が最後のタイムアウトを請求しました。
越谷が最終盤に猛反撃を見せ、#7松山選手の3ポイントと#0LJ・ピーク選手のジャンプショットで2点差まで肉薄。しかし、逆転を狙った#0ピークのショットは失敗に終わりました。
89-87でタイムアップ。滋賀がB2年間優勝を決め、ホームの滋賀ダイハツアリーナは大歓声に包まれました。
25得点5リバウンド2アシストを記録した滋賀の#24バーレル選手がプレーオフMVPを受賞。滋賀では#12モータム選手が17得点4リバウンド7アシスト3スティール、#4クリーナー選手が12得点11リバウンド5アシスト2スティール、#15ラベナ選手が10得点8アシスト、#15柏倉哲平選手が10得点3アシストをマークしました。
優勝を決めてチームメートと喜びを分かち合う柏倉哲平【(C) B.LEAGUE】
滋賀をB2優勝に導いたダビー・ゴメスヘッドコーチは試合後の会見で「滋賀という街、滋賀レイクスという組織に対しても本当にハッピーなことです」と喜びを口にし、「(滋賀には)ベストなブースターがいて、ベストなプレーヤーもいます。自分のコーチングスタイルはとても情熱的で、ハードワークで、謙虚でやるものです。ブースターの皆さんとコネクトして、規律を守ってプレーヤーを律したり、一緒に戦っていったり。それらが優勝できた1つの大きな要因だと思います」と、ファンを含むチーム一丸で勝ち取ったタイトルだったことを強調しました。
一方、越谷の安齋竜三HCは「いいゲームでした。滋賀さんに『おめでとうございます』と伝えたいです」と切り出し、「ファイナルまで進み、本当に素晴らしいチームに対し、自分たちの姿勢を出しながら戦えました。選手たちのことを誇りに思います。シーズンをとおしてアルファーズに関わってくれたスポンサーさんやファンの皆さん、行政の方には感謝しかないです」とコメントしました。
キャプテンとして滋賀をけん引し、1年でのB1復帰を果たした#15柏倉選手は「滋賀に来てから、その前からもそうですけど、自分はバスケットボール人生において苦しいことしか経験してきませんでした。やり続ければ報われるというのは、あれ(優勝)を見た瞬間に感じました」と安堵の表情を見せました。
滋賀は今シーズン限りでの現役引退を表明していた#27眞庭城聖選手を“最高の形”で送り出すことになりました。
現役生活を優勝で終えて、笑顔を見せた眞庭城聖(中央)【(C) B.LEAGUE】
構成=バスケットボールキング