『スタッツで見るBリーグ』チャンピオンシップ出場チームを大胆予想!
【(C) B.LEAGUE】
文=しんたろう
Bリーグ23-24シーズンもオールスターウィークエンドを終え、60試合中29試合とスケジュールの約半分を消化(執筆時点)。今回はその29試合分の数字から導き出された「ピタゴラス勝率」を用いてチャンピオンシップ(CS)に出場するチームを予想してみよう。
ピタゴラス勝率とは
このスタッツは元々メジャーリーグ(MLB)で使われていた指標。計測時点での総得点と総失点それぞれを累乗して計算し、最終的な勝率を予想することを目的としている。
野球で使われていたこの計算式をバスケットボールにおける数字分析の第一人者、ダリル・モーレイがバスケ用に修正したのが以下となる。
【(C) B.LEAGUE】
しかしこれはNBA用の計算式であり、NBAとBリーグでは得点・失点・試合数が大きく異なるため、このまま適用すると大きな差分が生まれてしまう。そのため、過去のデータを用いて算出した係数・10(13.91→10)を用いて計算していきたい。
【(C) B.LEAGUE】
■過去のデータ
2020-21シーズン
WC=ワイルドカード【(C) B.LEAGUE】
このシーズンはアルバルク東京と名古屋ダイヤモンドドルフィンズが順位を落とし、大阪エヴェッサが上昇。その結果、勝率こそ変わらなかったものの、WCでサンロッカーズ渋谷が出場している。
2021-22シーズン
WC=ワイルドカード【(C) B.LEAGUE】
この年は名古屋Dがケガ人などの要因で順位を落としたが、CS出場チームはすべて的中している。
2022-23シーズン
WC=ワイルドカード【(C) B.LEAGUE】
川崎のシーズン後半における好調と、信州のケガ人続出による失速が反映されたランキングであった。順位変動はあったものの7チームを的中させている。
過去3シーズンを比較すると、計24チーム中21チームを的中させることができている。そのため、「CS出場8チーム」という条件では、ある程度信頼に足る数値なのではないだろうか。
それでは今季の予想順位・勝率と現時点での実順位・勝率を比べてみよう。
2023-24シーズン
WC=ワイルドカード【(C) B.LEAGUE】
佐賀がB1昇格初年度でチャンピオンシップ出場の快挙を成し遂げるとともに、実際の勝率ではCS圏内の川崎・名古屋Dが圏外に落ちるという衝撃の予想となった。
川崎はジョーダン・ヒースとニック・ファジーカスという大黒柱をケガで欠き、直近10試合は3勝7敗と得失点のマイナスがピタゴラス勝率に反映されている。逆に言えば2人の復帰によってランキングは変動するだろう。また、名古屋Dも直近10試合で3勝7敗と苦戦しているため下方修正が予想されている。
反対に、ピタゴラス勝率による広島の躍進は、2桁点差での勝利と1桁点差での敗戦が多く、得失点差が大きくなる戦いを続けていることが要因だ。
ランキングをみても分かる通り、混戦を極める西地区においては、同地区対決が増えるシーズン最終盤まで1勝を巡る戦いが行われるだろう。
例年の傾向をみると、予想が外れる大きな要因はロスターのケガなどによる離脱である。そのため今回の予想は、各選手が常に健康状態を維持した状態を想定した上で見ていただけるとありがたい。