「B.LEAGUE U18 CHAMPIONSHIP 2023」北海道 U18が3連覇達成! MVPは17得点の赤根涼介が受賞
ライバル対決を制したのはまたも北海道 U18だった
優勝決定の瞬間、北海道 U18の選手たちは歓喜の声を上げた。12月3日、「B.LEAGUE U18 CHAMPIONSHIP 2023」(開催地/栃木県・日環アリーナ栃木)大会最終日、決勝で北海道 U18と名古屋D U18が対戦。3年連続同カードの決勝は、北海道 U18が67-58で勝利し、3連覇を達成した。また3位決定戦では琉球 U18が仙台 U18を下して2大会連続3位になっている。
B.LEAGUE U18は将来プロバスケ選手としてB.LEAGUEや世界の舞台でプレーすることを目標とする選手が集まる場。その将来性豊かな原石たちが、負けたら終わりの一発勝負を繰り広げてNo.1チームを決めるのが今大会である。 。
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3連覇を狙う北海道は2回戦から登場。新潟 U18に対して121-39というスタートを切ると3回戦で香川 U18に122-48、準々決勝でU18 川崎に108-55、準決勝で仙台 U18に100-68とすべて100点ゲームで勝利して決勝進出を決めた。2大会連続MVP内藤耀悠に注目が集まりがちだが、共に連覇を成し遂げてきた村上琥羽、赤根涼介、田中虎太朗ら高校3年生や現在高校2年生ながらユース育成特別枠での選手登録に至った阿部竜大、高校1年生コンビの安藤煌太朗、西村優真らが引っ張り、攻防で相手を圧倒するなど総合力で優れているチームである。
一方、初優勝を狙う名古屋D U18は2回戦で越谷 U18に86-57、3回戦でA東京に119-54、準々決勝で千葉J U18に94-69で4強入り。準決勝の琉球 U18戦では4Q残り2分で68-77とリードされていたが、一気に詰めると残り2.9秒に逆転。劇的勝利で北海道 U18への挑戦権を得た。今年10月28日にB1最年少デビュー(16歳4カ月15日)を飾った若野瑛太や、その前に最年少記録を持っていた今西優斗。さらには3Pシュートが武器の佐藤遼乙、準決勝で決勝点をねじ込んだインサイドの中西真那斗など、バランスの整ったメンバーが揃っている。
2021年大会決勝は92-79、昨年は71-68でいずれも北海道 U18の勝利。リベンジを狙う名古屋D U18は今西のミドルシュートで先取点を奪うと、若野が3Pシュートを続ける。良い出だしに見えたが、北海道 U18はスタートダッシュを許さない。福田虎琉が右コーナーから決めると、越後晴貴がバスケットカウントで、赤根涼介が速攻から得点して主導権を握ると20-16で1Qを終える。2Qは互いにハード・ディフェスを展開し、開始約4分得点が入らず。その均衡を破ったのは名古屋D U18だったが、ポイントを重ねたのは北海道 U18だった。内藤がミドルから、阿部がインサイドから決めるなどで31-25としてハーフタイムを迎える。
流れを変えたい名古屋D U18は、後半開始直後から3Pシュート攻勢を披露。梅村航大の2本に加えて佐藤も決めると、残り6分を切ったところで川邉蒼侑が決めて40-40に。ところが、これが3Q最後の得点になってしまう。再びディフェンスを引き締めた北海道 U18は赤根が3Pシュートを連発。阿部、西村、越後の得点で53-40と一気にリードを広げて3Qを終える。4Q、名古屋D U18は宇藤アソブ、梅村の3Pシュートなどで7点差まで迫ったものの、追い上げもここまで。ファウルゲームを展開して、最後まで可能性を探ったが実らず。北海道が67-58で勝利し、見事3連覇を達成。「B.LEAGUE U18 INTERNATIONAL CUP 2024」(2024年2月10日~12日/東京都・国立代々木第二体育館)への出場権を手にした。
【(C) B.LEAGUE】
MVPを獲得した赤根はオンコート・インタビューで「とてもうれしいです。昨日まではあまり納得がいくプレーができていませんでしたが、今日の3Qから自分のシュートタッチが戻ってきて、チームにいい流れを戻せてよかったと思います。昨日までの4試合で3Pシュートは合計で成功1本(合計1/9)だったのでカムバックできてよかったです。(今後は)チームが流れに乗れていない時に、点数を取って勝利に導くような選手になりたいです」とコメント。キャプテンの内藤は「3連覇を実現できてうれしいです。チームの12人、誰がコートに立ったとしても強度を落とすことなく5試合をしっかり戦い切れたことが勝因だと思います」とチーム全員で勝ち取った優勝だと笑顔を見せた。
そして3連覇に導いた齋藤拓也ヘッドコーチは「非常にうれしいというのが率直な感想です。選手たちが本当に頑張ってくれたなと思います。1年目から比べてプレーの質や考え方がしっかりして、自分たちで考えられるようになりました。そういった意味では僕たちコーチ陣が何かをするというわけではなく、彼ら自身にしっかりと考えてやってくれたなという印象です」と選手、チームとして成長を成し遂げたからこその結果だったと喜んでいる。
なお先に行われた3位決定戦は、琉球 U18が初の4強入りを果たした仙台を93-66で下して2大会連続3位になった。
立ち上がりこそ拮抗した展開となったが、2Q以降、琉球 U18は与那嶺翼ヘッドコーチが最も伝えていたという“体を当てて相手を削っていく”を体現。徐々に仙台の確率を下げていくと、宜保隼弥、新垣元基が3Pシュートで、佐取龍之介がインサイドで得点。3Q終了時には64-47とする。全体的に体が重そうに見えた仙台はエースガードの阿部真冴橙が24得点。佐藤陽向がこの試合で6本の3Pシュートを沈めて19得点と引っ張ったが、点差を縮めるのがやっとだった。
与那嶺HCは「この結果は本当に1人1人の成長、チームの成長を感じられるものでした。しかし、まだまだ試合は続きます。彼らの成長を見守りながら、アプローチしていきたいなという風に思います」と2年連続で3位という結果を残した選手たちを称え、チームをさらに強化していきたいと語った。
【大会最終日/12月3日(日)試合結果】
■決勝/北海道 U18 vs. 名古屋D U18
[トップパフォーマー]
北海道 U18/赤根涼介17得点、5リバウンド、内藤耀悠13得点、10リバウンド、5アシスト、4スティール、3ブロック、越後晴貴13得点、8リバウンド、阿部竜大12得点、6アシスト
名古屋D U18/若野瑛太13得点、6リバウンド、梅村航大12得点(3Pシュート4/14)、5アシスト、今西優斗11得点、5アシスト、中西真那斗16リバウンド
■3位決定戦/琉球 U18 93-66 仙台 U18
[トップパフォーマー]
琉球 U18/佐取龍之介21得点、17リバウンド、平良南海輝19得点(3Pシュート5/9)、#1宜保隼弥17得点4スティール
仙台 U18/阿部真冴橙24得点、15リバウンド、佐藤陽向19得点(3Pシュート6/11)
【大会結果】
優勝/レバンガ北海道 U18(3年連続3回目)
準優勝/名古屋ダイヤモンドドルフィンズ U18
3位/琉球ゴールデンキングスU18
4位/仙台89ERS U18
【個人賞】
MVP/赤根涼介(北海道 U18#6)
MIP/中西真那斗(名古屋D U18#70)
ベスト5/赤根涼介(北海道 U18#6)
西村優真(北海道 U18#14)
今西優斗(名古屋D U18#7)
宜保隼弥(琉球 U18#1)
阿部真冴橙(仙台 U18#96)
取材・分=月刊バスケットボール編集部