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B.MAGAZINE

『スタッツで見るBリーグ』開幕スタートダッシュでノッている選手は誰だ!?

2023.11.18

選手

平均得点でも高い数字を出す河村選手【(C) B.LEAGUE】

文=しんたろう

Bリーグ2023-24シーズンが開幕し、早くも第8節を消化。今回は、今シーズンの第3節までの得点や決定率を元に、開幕から好調なスタートダッシュを切った選手をピックアップして、その選手の特性やチームとの相性を分析してみよう。

平均得点ランキングTOP50

クラブ 選手 平均出場時間 平均得点 FG%
横浜BC 河村 勇輝#5 PG 28:10 26.3 42.40%
千葉J 富樫 勇樹#2 PG 33:10 22.3 37.80%
京都 ケビン・ジョーンズ#21 PF 32:16 20.8 53.80%
大阪 アンジェロ・カロイアロ#32 SF/PF 29:56 20.8 53.20%
信州 スタントン・キッド#7 SF 32:42 20.5 38.00%
大阪 ショーン・ロング#21 C/PF 30:15 19.2 59.70%
三河 ダバンテ・ガードナー#54 C/PF 27:11 19.2 60.60%
富山 イヴァン・ブバ#25 C 28:18 19.2 50.00%
SR渋谷 ジョシュ・ホーキンソン#8 C/PF 34:32 19 56.30%
名古屋D ロバート・フランクス#0 SF/PF 28:56 18.8 52.60%
SR渋谷 ライアン・ケリー#34 SF/PF 31:27 18.8 52.60%
仙台 ラショーン・トーマス#25 C/PF 26:02 18.3 52.50%
長崎 マット・ボンズ#5 PF 30:27 18 56.80%
島根 安藤 誓哉#3 PG 35:07 18 39.30%
川崎 ニック・ファジーカス#22 C 27:38 17.5 47.10%
三遠 コティ・クラーク#4 PF 32:11 17 33.30%
島根 ペリン・ビュフォード#2 SF 34:29 16.3 39.50%
佐賀 レイナルド・ガルシア#2 PG 29:36 16.2 38.90%
宇都宮 D.J・ニュービル#25 PG/SG 29:26 16 46.80%
北海道 ダラル・ウィリス ジュニア#21 C/PF 23:41 16 50.70%
FE名古屋 ショーン・オマラ#54 C 32:32 15.8 59.70%
長崎 ニック・パーキンズ#33 PF 21:40 15.7 53.00%
三河 ジェイク・レイマン#10 SF/PF 26:55 15.2 46.70%
茨城 トーマス・ケネディ#1 SF/PF 28:46 15.2 43.30%
三遠 デイビッド・ダジンスキー#23 C/PF 29:25 15.2 57.60%
長崎 ジャレル・ブラントリー#7 PF 27:22 15 47.90%
島根 ニック・ケイ#4 C/PF 29:21 15 50.00%
仙台 ネイサン・ブース#45 C/PF 27:43 15 51.50%
三河 ザック・オーガスト#0 C/PF 24:31 14.8 65.50%
三遠 サーディ・ラベナ#0 SG 27:13 14.8 49.30%
川崎 トーマス・ウィンブッシュ#20 SF/PF 24:04 14.8 62.70%
横浜BC ジェロード・ユトフ#1 PF 28:39 14.7 47.20%
北海道 デモン・ブルックス#24 SF/PF 25:16 14.7 53.50%
佐賀 ヨーリ・チャイルズ#23 PF 24:39 14.5 52.20%
広島 ドウェイン・エバンス#13 SF/PF 30:26 14.5 48.50%
宇都宮 アイザック・フォトゥ#42 PF 26:14 14.2 54.70%
琉球 アレックス・カーク#53 C 24:54 13.3 70.50%
広島 ニック・メイヨ#24 C/PF 27:55 13.2 47.10%
京都 岡田 侑大#77 PG/SG 31:27 13 37.30%
茨城 チェハーレス・タプスコット#11 PF 34:31 12.8 34.90%
A東京 レオナルド・メインデル#23 SF/PF 23:33 12.8 50.00%
川崎 ロスコ・アレン#25 SF/PF 24:16 12.8 37.90%
琉球 アレン・ダーラム#7PF 26:53 12.8 45.00%
富山 エージェー・エドゥ#15C/PF 30:32 12.8 48.40%
宇都宮 比江島 慎#6SG 25:57 12.7 52.60%
A東京 アルトゥーラス・グダイティス#77C 23:28 12.5 64.30%
FE名古屋 ジェレミー・ジョーンズ#22SF/PF 30:27 12.3 45.60%
名古屋D 須田 侑太郎#11SG/SF 25:36 12.3 50.00%
群馬 辻 直人#9SG 23:11 12.3 49.10%
富山 ノヴァー・ガドソン#23SF 27:52 12.3 50.80%

※FG%:試合中に放ったシュート(フィールドゴールパーセント)が決まった割合を計測するスタッツ【(C) B.LEAGUE】

開幕から好調を維持した選手として、日本代表のガードコンビが1位,2位という結果に。このランキングを見てみると、出場時間が多い選手が上位にランクインしており、外国籍選手の割合が高くなっている。上位にランクインしている出場時間が多く得点を多く取っている選手は 、相手チームにとって脅威であることに間違いはないが、出場時間の短い選手たちが不調かというとそうではないはずである。
ここからは一歩踏み込んで、TS%と得点期待値と呼ばれるスタッツから得点効率が高い選手をピックアップしていこうと思う。
TS%(True Shooting %)とは、2ポイントシュート決定率、3ポイントシュート決定率、フリースロー決定率の3つのシュートの決定率を一緒に計算することで、その選手の効率性を正確に計算できるスタッツである。

具体的な計算式はこちら
TS% = PTS/(2×(FGA+(0.44 ×FTA)))×100
FTA = フリースロー試投数
FGA = フィールド ゴール試投数
分母の『0.44×FTA』はフリースローを獲得したシュートの本数を表しており、『2×(FGA+(0.44×FTA))』はすべてのシュートが2ポイントであった場合の総得点を表している。

つまりこの計算式はすべてのシュートが2ポイントシュートであったと仮定すると、どれくらいの確率でシュートを決められる選手なのかを求める式であり、3ポイントシュートやフリースローが多い選手を2ポイントシュートという指標で統一することで効率性を測るスタッツである。
得点期待値とは、その選手が一回攻撃した場合、平均何得点することができるのかを数値化したスタッツ。この数字は、その選手が獲得する得点をその選手の攻撃回数(シュート、フリースロー、ターンオーバーの回数)で除算することで1回の攻撃で期待できる得点を割り出すことができる。

計算式はこちら
得点期待値 = 選手の総得点/選手の総攻撃回数
選手の総攻撃回数= シュート本数 + ターンオーバー数 + (0.44 * フリースロー本数)
それでは、TS%ランキングを見てみよう

TS%ランキング

クラブ 選手 平均出場時間 PPG TS% 得点期待値
川崎 長谷川 技#33SF 14:54 4.7 88.16% 1.41
三河 久保田 義章#11PG 22:21 6.5 74.43% 1.08
長崎 高比良 寛治#14 SG 12:21 4.5 71.96% 1.30
三河 ダバンテ・ガードナー#54C/PF 27:11 19.2 71.66% 1.27
琉球 アレックス・カーク#53C 24:54 13.3 71.58% 1.21
川崎 トーマス・ウィンブッシュ#20SF/PF 24:04 14.8 71.27% 1.23
名古屋 須田 侑太郎#11SG/SF 25:36 12.3 70.29% 1.26
大阪 多嶋 朝飛#8PG 16:05 6.2 70.29% 1.14
群馬 ケーレブ・ターズースキー#25 C 24:50 9.8 69.97% 1.09
横浜 須藤 昂矢#30SG 21:59 6.5 69.94% 1.26
名古屋 レイ・パークスジュニア#1SG 21:17 10.0 69.90% 1.16
三遠 デイビッド・ダジンスキー#23C/PF 29:25 15.2 68.90% 1.26
三河 ザック・オーガスト#0C/PF 24::31 14.8 68.89% 1.16
大阪 橋本 拓哉#14SG 12:30 7.5 68.68% 1.29
渋谷 田中 大貴#13SG 27:46 10.8 68.22% 1.31
三遠 佐々木 隆成#24PG/SG 24:30 11.5 67.97% 1.22
横浜 デビン・オリバー#15SF/PF 23:27 11.5 67.86% 1.12
長崎 荒谷 裕秀#11 SF 22:14 7.5 67.53% 0.91
群馬 マイケル・パーカー#3 PF 29:18 11.0 66.96% 1.26
名古屋 ジョシュア・スミス#34C 20:12 12.2 66.95% 1.10
島根 ウィリアムス ニカ#28C 24:05 8.5 66.20% 1.12
東京 アルトゥーラス・グダイティス#77C 23:28 12.5 65.84% 1.23
渋谷 ジョシュ・ホーキンソン#8C/PF 34:32 19.0 65.64% 1.15
島根 ニック・ケイ#4C/PF 29:21 15.0 65.18% 1.15
大阪 ショーン・ロング#21C/PF 30:15 19.2 64.93% 1.11
名古屋 ロバート・フランクス#0SF/PF 28:56 18.8 64.29% 1.15
長崎 マット・ボンズ#5 PF 30:27 18.0 64.19% 1.10
大阪 アンジェロ・カロイアロ#32SF/PF 29:56 20.8 63.54% 1.16
信州 栗原 ルイス#12SG 28:01 10.0 63.29% 1.12
群馬 辻 直人#9 SG 23:11 12.3 63.23% 1.13
秋田 長谷川 暢#21 PG 20:29 9.2 63.19% 1.05
京都 ケビン・ジョーンズ#21PF 32:16 20.8 63.03% 1.17
渋谷 ライアン・ケリー#34SF/PF 31:27 18.8 62.86% 1.22
仙台 ネイサン・ブース#45C/PF 27:43 15.0 62.74% 1.06
佐賀 狩野 祐介#30SG 20:45 4.7 62.72% 1.15
FE名古屋 杉本 天昇#10SG 15:10 6.8 62.20% 1.11
大阪 西川 貴之#7SF 12:55 4.3 61.90% 1.04
宇都宮 比江島 慎#6SG 25:57 12.7 61.89% 1.02
三河 ジェイク・レイマン#10SF/PF 26:55 15.2 61.79% 0.99
FE名古屋 ショーン・オマラ#54C 32:32 15.8 61.59% 1.10
信州 星野 京介#14SG 22:30 9.0 61.59% 1.15
琉球 岸本 隆一#14PG/SG 26:23 10.7 61.07% 1.04
富山 小野 龍猛#0SF 15:26 5.5 60.66% 1.09
横浜 ジェロード・ユトフ#1PF 28:39 14.7 60.37% 1.14
千葉 アイラ・ブラウン#50C/PF 25:38 11.5 60.10% 1.04
北海道 ダラル・ウィリス ジュニア#21C/PF 23:41 16.0 59.97% 1.05
仙台 ラショーン・トーマス#25C/PF 26:02 18.3 59.86% 0.97
京都 チャールズ・ジャクソン#10C 27:25 11.8 59.76% 0.97
大阪 合田 怜#20PG/SG 13:30 4.7 59.73% 0.98
東京 レオナルド・メインデル#23SF/PF 23:33 12.8 59.38% 0.98


3ポイントに特化し、決定率60%を誇る長谷川技(川崎ブレイブサンダース)が脅威のTS 88%,得点期待値1.4を叩き出し堂々の1位に。2位にはTS 74%を誇る久保田義章(シーホース三河)。ポイントガードということでターンオーバーが若干多いため得点期待値は低めであるものの、シュートを放つことができれば7割以上の確率で得点を取ることができている。3位は今季B1初挑戦となる高比良寛治(長崎ヴェルカ)。昨季に比べプレータイムこそ減少しているものの、2ポイント、3ポイントともに高確率を維持している

外国籍選手に目を向けると、ダバンテ・ガードナー(シーホース三河)やアレックス・カーク(琉球ゴールデンキングス)は納得の結果に。注目はBリーグ初参戦となるトーマス・ウィンブッシュ(川崎ブレイブサンダース)。3ポイント成功率は47%, 2ポイント成功率は70%で得点期待値は1.23と早くも川崎のバスケットにアジャスト。見事にランクインした。

2桁得点を稼ぎながらランクインしている日本人選手は須田侑太郎(名古屋ダイヤモンドドルフィンズ)、田中大貴(サンロッカーズ渋谷)、佐々木隆成(三遠ネオフェニックス)、栗原ルイス(信州ブレイブウォリアーズ)、辻直人(群馬クレインサンダーズ)、比江島慎(宇都宮ブレックス)、岸本隆一(琉球ゴールデンキングス)の7選手。これらの選手たちは、エース級の活躍をしており、その中でもプレータイムや得点を昨季より大きく伸ばして『ノッている』栗原ルイスには要注目だ。

チームごとに見てみると、5勝の長崎ヴェルカは4名、6連勝中の名古屋ダイヤモンドドルフィンズは4名、大阪エヴェッサはなんと6名がトップ50にランクインしている。最後に、これらの選手が効率の良いプレーをできている背景には、河村や富樫といったエース達の活躍があることを忘れてはならない。

川崎ブレイブサンダース 長谷川選手【(C) B.LEAGUE】

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